イランの弾道ミサイル攻撃と「防衛通」を自称する石破首相の危うさ/「レコンキスタ」:中世スペイン史を知るためのありがたい教養書

Posted at 24/10/02

10月2日(水)晴れ

今朝は久しぶりに朝からよく晴れている。しかし4時ごろ起きてネットを見たらイスラエルに対しイランが大規模な弾道ミサイル攻撃を行なっていて、タイムラインが大騒ぎになっていた。私もしばらく文字情報や映像を見ていたが、イスラエルのアイアンドームと呼ばれる防空システムを突き破って落下しているミサイルが結構あり、アイアンドームは弾道ミサイルは防げないのだ、というコメントを読んだりすると本当にイランが全力でイスラエル攻撃に入ったのかと勘違いしそうになってしまった。

しばらくして冷静な意見も色々出てきたりして、7時のNHKニュースを見ていたらつまりはハマスとヒズボラの指導者が殺されたことへの報復であり、攻撃も限定的で、ただ「アイアンドームは全てを防げるわけではない」という警告にはなった、という感じなのかなと思った。レバノンで地上戦を展開するイスラエル郡の兵站などを攻撃していないのはよくわからないが、人的被害でなく施設への被害に限定するのが目的ということなのだろう。とりあえずは第5次中東戦争や第3次世界大戦は始まりそうにないのでまあ少しは安心した。

それにしても書こうとしていたことがすっ飛んでしまったのだが、もう少し時事について書きたい。臨時国会が招集されて石破内閣が発足したが、その人事をめぐってはどうも滞貨一掃というか、石破さんについたり無派閥だったり今まで冷や飯を食っていた人たちが中心になっていて、安部派は完全に外されているし高市さんや小林鷹さんなどは無役にとどまるようで、石破さんも含めて政策的なカンが鈍っている人が多い印象なのは心配だが、土壇場で石破さんを当選させた人たちからかなり党内圧力も受けているようで、すでにいうことが二転三転している印象はある。これを柔軟性と見るか弱さとみるかは評価する人次第だが、明らかに危なっかしい人事もあるし、防衛通を自称する石破さんだが最近の安全保障環境や重層的な同盟関係の構築など最近の情勢についてあまりよく認識していない感じもあり、民主党内閣の時に起こった原発事故について菅直人さんが「俺は原子力に詳しいんだ」と言って現場を大混乱させた例などを思い出させる感じがあるのが大丈夫かなという気はする。

中東情勢の緊迫化を見ているとやはり岸田さんのままの方が良かったという気はするけれども、アメリカの大統領選挙もあるし自体は流動的なので、日本も安定した有能な外交・防衛担当者を揃えておきたいところだろうと思う。選挙後に組閣を見直した方が良いところは直せば良いと思う。落選する人も出るだろうし。

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「レコンキスタ」読み始めたのだが、いろいろ知らないこと、きちんと認識してなかったことも書いてあって勉強になる。まだ第2章の17ページまでしか読んでいないが、中世のアラゴン王国(カスティーリャと合併してスペイン王国になった)が地中海方面への進出を目指した(つまり南へのレコンキスタではなく)ということなどもはっきり書かれていてそういえばそうだったなと思った。ノルマン人のたてた両シチリア王国もフランスのアンジュー家の支配下になった後、まずシチリアが、そしてナポリもアラゴン王の傍系によって支配されていくようになったわけである。

それからカディスが「西ヨーロッパ最古の都市」と言われているのは知らなかった。元々はフェニキア人が紀元前1100年ごろ築いた都市だという。17世紀、スペインの黄金時代といわれた頃に繁栄の中心だったのは聖母を数多く描いた画家ムリーリョが活躍したセビーリャだったが、セビーリャはグアダルキビル川を少し遡ったところにあるので、砂州ができて港が使えなくなり、海に面したカディスが大西洋貿易の中心になったなど、やはり近代についての知識の方がある。スペイン中世は関心はあるのだがなかなか突っ込むのが難しくて、このような教養書が出たことは大変ありがたいなと思うわけである。

自分の関心だけ書いてしまったが、中世初期にスペインを支配した西ゴート王国が、なぜウマイヤ朝のベルベル人将軍・ターリクに制服されてしまったのかという説話なども書かれていて、この辺りも知らなかったのでなるほどと思った。西ゴートもイスラム側も割合分裂していて、西ゴートがわも自分たちの対立にベルベル人を引き込んで利用しようとして征服された、みたいなこともあったのだなと思う。現代で言えば外患誘致罪という感じだが、当時の人たちにとってはそれほどの深刻さはなかったのかもしれない。

711年からターリクの侵攻が始まり、その部下ターリフ・ブン・マーリフが上陸した地点が現在の「タリファ」であり、ターリク・ブン・ジヤードが自身が上陸したのがジャバル・ターリクすなわち「ジブラルタル」だということだ。


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