小泉進次郎の「さわやかカリスマ」と会見で見せた「昭和タヌキ」の片鱗/「ふつうの軽音部」中学生の鳩野を変えたドラマとは/「私の思い出の場所」とはどこか
Posted at 24/09/09 PermaLink» Tweet
9月9日(月)晴れ
昨日は11時ごろ実家を出て、少し高速代を節約しようと思って小淵沢まで20号を走ったのだが、途中蔦木の道の駅でトイレ休憩をしたくらいで結局そこまで1時間かかったのがアレだったのか、途中境川PAでもつ煮弁当を買って食べて、談合坂あたりから小仏トンネルまで渋滞に逢ってしまった。このパターンは初めてなので、やはり出るのが遅れるとこういうことが起こるんだなと思った。
石川PAまで頑張ろうかと思ったが石川もこの感じだと混雑しているなと思ってその前の藤野PAに入ったが、場内整理の人が出ていて数台待たされた。藤野で待たされるのも初めてだが、まあこれはそういうこともあるだろうなと。ここでもトイレ休憩だけしてのろのろで小仏トンネルまで行く。前回帰京した時は朝5時に出たこともありほとんどスイスイだったが、本当に時間帯によって違うのだなと改めて思った。家に帰着したのは4時を回っていたから、5時間くらいかかったが、まあそれもレジャーだと思えばいいかなとか。
車の中では「ふつうの軽音部」に出て来た曲を自分でまとめたリストをiPhoneのミュージックでBlueToothのスピーカーに飛ばして聞きながら車内で大声で歌っていた。それで割と飽きなかったということはあるなと。カーステで聞けるとよいのだが、何しろ2007年製の車なのでそんな気の利いたものはついていない。でもこれで十分楽しめることは分かったのでよかった。
夕方どこかに出かけようと思っていろいろ考えたが、占ってみると「思い出の場所に行くとよい」みたいに出たのだが、もう時間的に遅いからそんなに遠くに行けないのでとりあえず丸の内の丸善に行った。思い出というかなんというかだが、まあいってる回数は多いしなというくらいだけれども。動画制作の本を何冊か立ち読みし、なるほどと思うものもあったが結局買わなかった。文章を書くのもやっとで音声配信も滞っているし、ちょっといろいろ方向性をちゃんと考えてからの方がいいかなと思ったり。ただ考えてばかりいると行動できなくなるので、何かきっかけをつかめばやるかもしれない。
帰りは地元のスーパーで買い物。オードブルと書いた結構多人数向けの巻物中心の鮨が580円になっていたので思わず買ってしまった。このスーパーは安くて良い。帰りはまた音楽を聴きながら緑道公園を口ずさみながら帰った。声を出すというのはいいなと改めて思う。
***
小泉進次郎氏が自民党総裁選に立候補するということで何か書こうと思っていたのだが、どうももう旬の時期を外した感じもするし、印象批評的なことも一通り出尽くしている気もして、何を書こうかと迷ったり。
父の純一郎氏が進めたのは結局はリストラ・民営化政策、つまりは新自由主義政策だったわけだけど、不況下の緊縮政策でもあった彼の政策で一番割を食ったのはいわゆる氷河期世代で、先ほどグラフを見ていたら24歳以下の男性の失業率が1995年から2015年まで20年にわたって6%を超えていて、改めてこれは凄いなと思った。日本の就職形態では最初に躓くとあとでなかなか取り返せない状態が続いていたから、いわゆるキャリア形成に取り返しのつかない影響があった人たちが相当数いたということは言えるだろうし、彼らが第三次ベビーブームを形成するはずだった世代だから、少子化にも深刻な影響を与えたことは確かだと思う。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/0/07/Unemployment_rate_in_Japan.svg
その対策としては2006年の第一次安倍政権での再チャレンジ政策があったがすぐ退陣してしまったので形にならず、麻生政権下でのリーマンショックの影響もあって年越し派遣村が行われるという事態になり、自民党下野後は民主党政権が主導しての派遣村もあったが、いずれにしても遅すぎるし少なすぎたというそしりは免れないだろう。
第二次安倍政権になってアベノミクスによる経済好転によって就職状況は改善したと思われるが、いずれにしても数年から十数年放置された人たちがいたということになる。
私自身も1999年に教員を退職して求職活動をしたことがあるが、本当に採用側が傲慢でけんもほろろだった。今考えてみるとそんな氷河期ど真ん中で退職する方がどうかしていると言えばしているのだが、当時はあまりよくわかってなかったんだなと思う。世間も時代もよく理解していなかったし、おそらくはそういうものがうっすら嫌いだったからなんだろうなとは思う。
現在はむしろ人手不足がどの分野でも深刻化してきてはいるが、高度成長期のように人手不足ならその分給料が上がるという仕組みになっていなくて、どの業種も不況の値下げ競争に過剰適応してしまい、人件費が出せないという状況になっているのだろう。どうもそういう悪循環から抜けさせない状況が長く続いているのだけど、それを快刀乱麻を断つような提案ができる政治家がいたら支持したいなとは思うが、どうも誰もなかなかそういう感じでもなく、口当たりのいいことを言って支持を集めるかカリスマによって国民に痛みを強いる政策を押し付けようとするかどちらかという感じになっている感じである。
そういう状況を踏まえて小泉進次郎さんの立候補を考えると、まさに「さわやかカリスマ」を感じさせる存在である。彼は小泉元首相の引退後に地盤を引き継いで2008年に立候補したので、43歳で当選5回である。(ちなみに立憲民主の泉代表は7歳上で今年50歳、2003年初当選、当選8回である。いずれにしても若くして当選を重ねてきた人たちである。)
小泉さんは進次郎構文などと言われて「何も中身のあることを言わない」と揶揄されることもあったが、立候補表明の記者会見でフリーの田中記者の「知的レベルが低い」という質問に対してみごとに切り返してセクシーさだけでなくスマートさも持っていることを示して見せた。処理水の放出後、野党が福島の海は汚染されていると批判する中でアメリカのエマニュエル大使とともに福島沖でサーフィンをして見せ、まさにセクシーな安全アピールを行ったことも得点は高いだろう。
まああの程度の切り替えしは昭和の政治家ならだれでもできた、という話もあるのだが、おそらくは「バカだと思われていた」進次郎氏だから得点が倍率ドンで2倍になったという面もあるわけで、実際評価を含めてあらゆるものを味方につける力は「何かを持っている政治家」を印象付けるところはある。
しかしこの人気とカリスマで彼は何をしようとしているのか。父の小泉元首相は自民党をぶっ壊すと主張して強引に郵政民営化を行ったり、北朝鮮を訪問して拉致を認めさせ、拉致被害者の帰国につなげたし、強引さと強弁も駆使して政策を実行し、イラクにも自衛隊を人道復興支援に派遣するなど、経済的な「失われた20年」を華々しい外交的成功や「「聖域」に切り込む改革」で人気を博し、まさに「小泉劇場」で観客席(国民)の就職氷河期状況に手を付けない状態を覆い隠すことになった。
進次郎氏が掲げた政策は、1、政治改革 2、聖域なき規制改革 3、人生の選択肢の拡大の3つの柱とされている。
政治改革は自民党内の政治資金問題に対して規制を強化するというのが主な内容で、これらは実際にはいわゆる「実家の太い」議員しか立候補できなくなるという問題があるように思う。政党助成金ができる前の国会議員はどこかから金を引っ張ってきてそれを政治資金にする名人の人たちの集まりだったから、こうした「地方名望家による政治」に戻したいのかなという気はしなくはない。進次郎氏の後ろ盾とされる菅前首相や岸田内閣の前官房長官の松野氏など特別の後ろ盾のない松下政経塾組などは、資金調達に苦労するようになるかもしれないと思う。
与党関係よりも「公金チューチュー」によってずさんな経理で市民団体に流れている公金が野党政治家の政治資金に流れていないかなどもしっかり調べてもらいたいところだとは思うが、こちらは暇空さんが孤軍奮闘しているがなかなか進んでいないようには見える。
行政改革の進展によってそれまで公、つまり行政が行っていた多くの施策をNPO法人などに丸投げする方向に行っているが、私はこれは元に戻した方がいいと思う。新宿のトー横対策なども行政が入った方がしっかりした支援が可能になったように思うし、思想が偏った団体の金城湯池になりがちな実態もあるようで、「民から官へ」の方がより妥当なことは多いのではないか。「人からコンクリートへ」を実現しないと災害対策も難しくなっているということも含め、ここ数十年の日本の新自由主義政策は根本から見直す時期だと思う。
「規制改革」については「労働市場の流動化に向けての雇用規制の見直し」を提言し、これは河野太郎氏も言っていたが、解雇を容易にすることによって氷河期世代がより割を食うのではないかという懸念もまたあり、労働者保護とどう両立するかという問題はあると思う。少なくとも失業手当の給付強化などと組み合わせなければ、現実問題としてまた悪夢のような消費不況が再来するようにも思う。これもいわゆる新自由主義改革の延長であろう。ただの恣意的な首切りに使われないような工夫は必要なのではないか。
人生の選択肢の拡大については、これは全く左派ポリコレリベラル的な選択的夫婦別姓から女性を労働市場に送り込む障害になっている「年収の壁」の撤廃、働かせ放題を実現するためかと思われる労働時間規制の見直しなどの新自由主義政策の組み合わせであり、これらの政策で本当に日本人が幸せになるのかはよく考えた方がいいと思う。
進次郎氏は地味に見えるけど農協の改革問題などにも取り組んでいて、私はむしろこちらの方に期待したいところがある。2016年の記事なので現状がどうなのかはよくわからないのだが。
私自身としては高市さんの政策に期待したいところはあるのだが、彼女が立候補し政策について発表してからまた検討したいと思う。
小泉氏は田中氏の質問を乗り切って昭和の政治家のようなタヌキぶりが身についていることは示せたが、まだまだ子ダヌキレベルであると感じるところもあり、日本の将来を任せるのが子ダヌキでいいのかはもう少し考えたいところではある。
***
「ふつうの軽音部」、第37話がとても面白かったのだが、一つには軽音部イチの才能みたいに思われている鷹見が鳩野をライバル認定したところだった。
https://shonenjumpplus.com/episode/17106567254627466317
実はこの二人は第1話でたまたま楽器店で邂逅していて、「三年間いい感じにならなかった」と最初に宣言されている中なのだが、ライバル認定まで37話を費やしたというのはジャンプ的なバトル感覚からするとちょっとすごいなと思う。
https://shonenjumpplus.com/episode/16457717013869519536
また今回は中学生時代の鳩野が高校に入って軽音部に入るという妄想をするが、「怖くて入れないよ」と言っている場面もあり、第一話の「今日私はエレキギターを買う!なぜなら軽音部に入部したいと思っているから!」と自分に宣言して10万円を超えるフェンダーテレキャスターを現金購入する(足りない分はバイトで返すと約束して母から借りている)場面を考えると、いったいこの二つの場面の間にはどんなドラマがあったのだろうと知りたい気持ちを強く感じるなど、実際作劇がうまいなと改めて思った。
30話に出て来た久しぶりに再会した父の回想の中でも中学生時代の鳩野は離婚した父に対してとりつくしまのない対応をしているし、おそらくそこから高校入学までに何かあったのだろうなと思うが、まったくわからない。新たな興味が出てきて、ますます先が楽しみである。
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