岸田総理退陣:岸田政権にはポピュリズムが足りなすぎた/ガザ戦争:ハマスがパレスチナ代表になる日は来るか
Posted at 24/08/15 PermaLink» Tweet
8月15日(木)曇り
毎日いろいろなことが起こるが、昨日は岸田首相が記者会見で総裁選に立候補しないことを表明。これはかなり驚いたが、このことについては後で書きたい。今朝は大阪で広範囲に停電が起こり、原因はまだ不明とのこと。暑さや台風その他、いろいろ原因はあるのだろうけど大阪は直接的な影響なかったと思うけれども、こちらは原因究明を待ちたい。
個人的にはいろいろものを書いたり片付けをしたりという感じだったが、寝て起きるとあまり思い出せない。夕方にかなり強い夕立が来たり、その影響で特急が遅れて夜来る妹を迎えにいくのが遅くなったり、なんだかいろいろあったのだが。何をやったのかメモをしておくようにしたほうがいいのかもしれない。
明日はお墓参りなので、昨日お墓を見に行ったらかなり草が茫々で、これはまずいと思って少し刈ったのだが全然だったから今朝行って刈ってきた。4、50分かかってまあいいかなという程度にはなったが、本当はお盆前にやっておくべきことなので忙しいというのはなかなか大変だ。近年は兄弟が来た時にやってもらうことが多かったのだが今年はそういう機会もなく、自分でやることになったが久しぶりにかなりの労働をしたという感じがする。
***
いろいろ読んでいるが、結局アメリカから見たパレスチナ・イスラエル問題の解決というのは、最終的にはパレスチナの権利をいかに認めるかという問題で、イスラエルの生存権というものはアメリカにとって問題になったことはない。パレスチナ側にとってはイスラエルの生存権の承認と引き換えの米国援助というのは、まだPLOがテロ組織認定されていた時期から水面下でCIAなどを通じて表明があったようだ。
アラファトはこのプロセスをうまくやってオスロ合意に漕ぎ着けたわけだが、パレスチナ国家の創設と関係各国の承認まではまだ至っていない。最大の問題は東エルサレム問題だったが、イスラエルは一方的に東エルサレムを併合し、またあまりかもそれを支持するということになり、パレスチナ側は譲歩を拒否しているうちにイスラエルによるヨルダン川西岸地区への入植が進む、という悪循環に陥っているが、PLO主流派のファタハにはそれを阻止する力がなく、また汚職などの問題が頻発している。
ただ国際的に認められているパレスチナ人の代表は彼らであり、2018年のワシントンのパレスチナ代表部閉鎖まで「大使」であったゾムロット氏はイギリスにおける代表部の大使に転任していて、彼がおそらくは外交関係のエースなんだろうと思う。
ただ実際にはパレスチナ人の多くの支持を得ているのはファタハではなくハマスであるということが、問題を複雑にさせている。ハマスは言うまでもなくテロ組織に認定されているから、アメリカが彼らと交渉することはない。しかしこれは50年前のファタハと同じく、水面下で全く交渉がないと言うことではないだろう。ファタハがテロ組織からパレスチナ代表の地位を獲得したり、タリバンがいまだにテロ組織と認定され政権として認定はされていないが事実上そのその存在を黙認されているのと同じように、ハマスがいずれそう言う存在にならないとは言えないだろう。もちろんネタニヤフ政権がある間は無理ではあるが。
そして現実的にその代表を担える可能性のあったハニーヤ氏をイスラエルは暗殺した。これは過激派よりもむしろ現実的な政治家を暗殺することでさらに自滅を図るというイスラエルの作戦なのだろうと思うが、かなりエグいことは間違いない。
現実にはパレスチナは国家として自立するにはさまざまな厳しい条件を持っていて、イスラエルはその条件をさらに厳しくして国家としての自立を認めない方向で動いているわけだけれども、それでは和平は遠いので、暴力の連鎖を止めるシステムづくりをなんとかしてもらいたいとは思う。
***
岸田首相が総裁選挙後の退陣を表明した。
https://x.com/kishida230/status/1823643208917901343
この連続ツイートは14日11時30分からの記者会見で岸田さんが語った内容と同一なので、彼の見解がはっきりわかると思われる。
実際、私のタイムラインでは岸田首相の評価はかなり高い。政策の実行力や外交関係の微妙なバランスをとり続ける巧みさと言うものは、安倍外交から継続した日本の強みであり続けたと思う。
ただ支持率は伸びなかった。各社の調査によってかなり違うが、15%から28%の間と初期に比べるとかなり落ちている。安倍内閣が途中何度も下落しながらその度に持ち直して憲政史上最長の在任期間を記録したのとはかなり違う。暗殺さえなければ年齢的に再度の復活もあったわけで、政治的暴力は強く否定されなければならないと改めて思う。
岸田内閣の施政を振り返ってみると、「正常への復帰」を推し進めた内閣だったと言う印象がある。原発の再稼働や処理水の放出、金利のある経済への復帰、初期にはコロナ自粛政策の解除、昔だったらどれも当たり前だったことを当たり前に戻す政策だった。一方でLGBT法案など、外国の圧力で制定された問題含みの法案もあったが、それも彼の中では新しいスタンダードなのではないかと言う考えもあったのだろうと思う。憲法改正に対しても前向きの姿勢であったし、難しい外交環境の中でG7首脳に広島で慰霊碑に献花してもらうなど、日本の主張をかなり通すことができた実績もあった。
しかしそれではなぜ支持率が上がらなかったのか。それは、岸田さんには「ポピュリズムが足りなすぎた」からだろうと思う。退任会見でも政策実行に関して「政治家の意地」と言う言い方をしていたが、しっかりとやるべき政策をやることが政治家の仕事だと見定めていて、支持率を上げるために何かをやると言うようなケレン味が彼にはなかった。
真っ当すぎるクソ真面目な人という印象で、ためにする誹謗中傷にも反論しないから庇う側もかばい甲斐がない。謂れのない批判に対しては「こんな人達に負けるわけにはいかないんです!」くらいの「言いたいことを言ってやったぞ感」が必要だったと思う。支持者が「これぞ岸田さん。だから支持しなければ」と思うような「言葉」がなかったのが政治家としては何かが欠けている感じになった。黙ってやるべきことをやっていれば支持率はついてくる、というような仕組みに日本のマスコミなどもなっていないから、こうした政治手法は現代にはあまり向いてない感はある。
大きく批判されたのは党内の政治資金問題であったけれども、これに対しても言い訳がましいことは全く言わなかったが、現行の制度とその裏の意図みたいなものを考えるともう少し抵抗すべきところもあったのではないかという気がする。全体的に批判に対して反論するのは潔しとしない、みたいな極東軍事裁判における広田弘毅みたいなところがあって、そこは残念に感じた。
ポスト岸田がどういう人になるのか、基本的には政策的には岸田政権の方向性を維持してもらえるのが大過なく進むかとは思うが、ゼロ金利政策の解除など舵取りが難しいところはあるので、政策通ないしは政策通の大臣を使いこなせるような人が後継になってもらえると良いとは思う。
3回目の安倍政権はかなわなかったが、2度目の岸田政権はまだ十分あり得るし、今後も日本をしっかり支えていってもらいたいと思う。
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