豪雨と帰京/福祉崩壊の元凶は90年代のリストラ至上主義/日本の報道機関の怠慢:アフリカ開発会議と人質イスラエル人の来日
Posted at 24/08/25 PermaLink» Tweet
8月25日(日)晴れ
昨日は夕方に大雨が降り、職場が浸水しそうになっていろいろとやっていたのだが、とりあえず水が引いて実家に帰ったら、今度はテレビがつかない。BSはつくのでどうもケーブルテレビの回線がダウンしているらしく、問い合わせてみたらどうもブースターという機械に何か起こっているらしいということが分かったのだが、もう遅くなっていたこともあって改めて連絡するということでその時は終わりにした。調べてみると映るべき地デジのチャンネルに少しはデータが来ていることが分かったので、おそらくはブースターがおかしいのだろう。またネットの回線も切れているので、結局は来てもらわないといけなそうである。
そんな感じで昨夜は踏んだり蹴ったりであまり何もする気も起きずにとりあえずご飯を食べて寝て、3時ごろ起きた。朝のうちにいろいろやり、更新された「ふつうの軽音部」を読んだりしていたのだが、とりあえずいろいろ準備をして、6時前に家を出た。
時間が早かったせいか道路は順調で、またPAなどもまだ営業してなかったりしてトイレに行くだけにしたこともあり、9時前には自宅に着いた。不在票が入っていたのでまた城東郵便局に取りに行かないとと思う。アリオのノジマで見たいものもあるのだが、とりあえずご飯を炊いてレトルトのカレーで昼食は済ませようと思う。
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いろいろ記事を読んでいて思ったことがあるのでそのあたりを書いておこうと思う。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA143TS0U4A810C2000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1724529752
有料記事で中身を見ていないが、1975年生まれの女性が28.3%で記事の論調から言うと少子化が日本より進んでいる韓国の女性の2倍の高率であるようで、それについて「就職氷河期世代」が「なぜ?」とか書いてあるが、日経新聞がそれを言うのか、と思った人は多いのではないかと思う。
答え合わせをするまでもなく、この世代が子どもを持てていないのは就職難で正規雇用されなかった世代であり、男性も女性もそうした余裕を持てない人が少なくないからだということは、見出しだけで分かる。こういうのを「愚問」というのだろう。案の定ネットでは怨嗟の声であふれている。
https://x.com/kirk_nagaoka/status/1827495043999134020/photo/1
このツイートでは責任をアベノミクスに帰しているが、当然ながら1975年生まれの世代が就職活動をしたのは高卒なら1993年、大卒なら1997年が中心で、2012年から始まるアベノミクスとは全く関係がない。責任があるのは、この時代に経営者だった年齢層、主に戦中生まれから団塊世代の人たちだということになる。
私はあの時代(1990年代)には進学校ではない高校で教師をやっていたので生徒の就職活動などもあり、当時の状況はよく覚えている。あの当時は本当にリストラ万能の時代だった。経営者ならリストラしなければならない、みたいなバイアスが強烈にかかっていたと思う。現実問題として、自分の担任のクラスで就職した子たちもどんどん会社がつぶれてしまって困っているような状況だった。大企業でも山一證券や政府系金融機関、北海道拓殖銀行など、農協系金融機関そのほか、バブル崩壊の負の遺産である不良債権問題がのしかかっていた。
私が就職指導した年は途中まで順調に求人が来たものの夏休みを過ぎたらばたっと来なくなり、前の年には9月にだいたい就職活動が終わっていたのに、年が明けても面接に行くような生徒が何人もいた。
そこから状況はさらに悪化して行き、新規採用そのものがリストラされた感になっていた。当時のサラリーマンに話を聞いても、本当にバカの一つ覚えみたいにリストラやってた時代だった。
アベノミクスの時代にはバブル崩壊不況と就職氷河期、リーマンショックといくつも雇用危機を経験していたから、どちらかというと雇用には手厚い時代になっていたはずだ。政府が自ら賃金値上げを企業に要請するなど、以前では考えられないこともしていた。
しかし90年代はそれだけ酷い不況の中で、政治の世界では非自民連立政権とか自社さ政権とか自自公とか自分たちの政界再編ゲームに熱中して、一方では「経済敗戦」と言われる状況の中で日米構造協議を飲まされたり、行財政改革という名のリストラを進めたり、2001年になっても脱ダムとか郵政改革とかリストラ一辺倒の時代が続いて氷河期世代の救済などは全く話題にも上らなかったように記憶している。
それだけのことをしておいて今になって「高齢者福祉を支える現役世代が足りない!」とか言い出すのはばかげたことだろう。従来の高齢者福祉に対して氷河期世代以下の人たちが非常に冷たいのはなぜなんだろうと思っていたのだが、「彼ら」が採用手控えやリストラを進めた結果、「自分たち」が「少子化が進む韓国よりも子供を持てなかった世代」になってしまった、と考えたならば、「高齢者福祉削減も自業自得」と思うのは仕方がないだろうとは思う。
リストラを「やらされた側」の人も自分としては具体的に知っている人がいるので、多くの人をリストラして自分は会社に残れたのに自分もやはり退職している。彼らもイヤだったのはたしかだけれども、「会社を救う」を大義名分に採用されるべきだった人たちを奈落に落としたことは、福祉の面から言えば過去のことではなくて、いま現在のことだということになる。「リストラ」万能になってしまった時点ですでに、将来の「福祉切り捨て」はほぼ決定していたのであるから。
今になったらできることは、せめて氷河期世代の人たちに十分とは言わないまでもそれなりの福祉が回ってくるように制度設計を見直していくことくらいしかできないだろうと思うし、またさらに多子化が進むような政策を設計し直すことだろうとは思うのだが。
政治も官僚も実業界もこのあたりのことは強く反省すべきことで、決して繰り返さないようにしないといけないと思う。
***
外交問題について、日本ではなかなか報道されないことがあるという話。東京で開催中(日本政府が主催)のアフリカ開発会議の席上で、モロッコの代表が西サハラの代表に掴みかかるという事件があったらしい。アルジェリアの代表がそれを阻止したということだが、西サハラは現在ほとんどがモロッコに占領・支配されているけれども、それは国際的には認められていない。モーリタニアも一時は領有を主張して一部を支配していたが、現在では撤退している。
モロッコと地元ポリサリオ戦線の軍事境界線にはモロッコが「砂の壁」と言われる防御陣地を築いていて、これはイスラエルが西岸入植地に築いている壁や古くはベルリンの壁にも似ている。アルジェリアとモロッコはお互いが反政府勢力を援助していると非難の応酬があって、現在では国交断絶の状態にある。
https://x.com/inlaforet/status/1827373752155254962
https://spsrasd.info/en/2024/08/24/4838.html
ことの是非はともかくこういうことがあったこと自体は事実なので報道されるべきだと思うが、主催の日本政府のメンツやアフリカ諸国への評価を考えて日本の報道機関は報道を自粛しているのだろうか。報道しないのではなくて、背景にはこういうことがあるということを含めてよりアフリカのことを日本人に啓蒙していく方向で、報道は対処するべきではないだろうか。せっかく日本政府がこれだけの準備をしているということもあるし。
***
また東京で開かれたG7会合で、ハマスから解放されたイスラエル人のノア・アルガマニ氏が招かれたのだという。イスラエル大使館のセッティングで、エマニュエル大使がツイートしているが、これもほとんど日本では報道されていないだろう。
https://x.com/USAmbJapan/status/1825434591353823339
https://x.com/itsK7z/status/1827267512234299656
https://x.com/royterek/status/1800530485380256004
これはイスラエル側のプロパガンダとして行われたようなのだが、実際には彼女は怪我をしたのはイスラエルの爆撃のせいであり、ハマスによってではなかったと訂正したり、どうもイスラエルの意図したものにはならなかったようである。
こうした齟齬が起こり、思ったような宣伝効果があげられなかったりすることもまた国際政治のリアルだと思うのだけど、そのあたりへの関心がどうも日本の報道機関には薄い感じがする。日本が国際化しないと言われるのは、報道機関の怠慢もまた大きいのではないかと思う。
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