イギリスの植民地支配(ガーナなど)と日本の植民地支配(朝鮮など)の違い
Posted at 24/06/23 PermaLink» Tweet
6月23日(日)雨
どうも体調が良くなく、眠りが中途半端で、これから出かけることもあってブログを書く時間がなくなった。今日は朝から「ふつうの軽音部」27話を読み返していた、というかうたた寝をしていたら一時になってしまって寝直したのだが寝付けなかったので一階に降りてきてジャンプラを開いたのだが、読んでとりあえず満足して二時半ごろもう一度寝た。その後も何度も夜中にトイレに行ったのだが、6時ごろ起き出していろいろやってみたがどうも落ち着かず、ご飯も早めに食べたりしたがいろいろ考えがまとまらなくて九時半を過ぎてしまったのだった。
昨日は時間のある時に「ガーナを知るための47章」の歴史のところをずっと読んでいたのだが、あまりここについて書いても伝わっているのか。アフリカについては以前から関心があったがこの本でまた関心が再燃した感がある。
特に興味深かったのがイギリスの植民地支配のやり方について。ガーナ、当時のGold Coastの総督Governorは短期間で交代している人が多いが、グギスバークはその中でも1919-27と8年間も務め、港湾の整備やそれに接続する鉄道の整備、学校の創設、医療機関の設置など植民地支配のためだけでなく様々な現地人のための事業も行った。野口英世がアクラで黄熱病の研究を行ったのもほぼグギズバークの時代にあたる。野口が客死する前年にグギズバークは任地を離れているが。
イギリスの植民地支配の特徴の一つとして現地の支配層を利用した間接支配が多く行われることがあり、ガーナでも激しく抵抗してようやく従わせたアサンテ王国などの首長国を保護国として残していた。アサンテ王は19世紀末にセーシェルに追放されたが王母が主導した反乱も起こっている。アサンテ王は1935年に帰還し、独立後もガーナ国内の立憲王国として現在も存続している。この辺はインドの支配でも多くの藩王(マハラジャ)を残したことを想起させる。ムガル皇帝はビルマに追放されたが、その後どうなったのだろうか。
イギリスの植民地支配の形態としてはインドに関してはインド省があったと記憶しているが、そのほかは植民地省が植民地行政を統括していたようだ。大日本帝国の支配を考えると朝鮮総督とか台湾総督に任命されるのは相当の大物という印象があるけど、ゴールドコースト(ガーナ)の総督についての記事を読んでいると、50歳前後のまあ言えば大使クラスの普通の役人という感じで、斎藤実だとかのちの首相になるクラスの大物みたいな感じはない。
これはつまり日本にとっては台湾や朝鮮は相当巨大な存在だったということで、イギリスにとってのガーナとは比べ物にならないということだし、割と身の丈に合わない植民地支配だったということではないかという気がした。
昭和になってからは朝鮮は帝国政府の内部でも自治を認めるべきという意見も出てきていたように記憶しているが、李王家を復帰させるとかは難しかっただろうと思う。そうなると満洲国に元宣統帝溥儀を擁立したことなども朝鮮と比較するとやはりご都合主義っぽく見えるのはやむを得ないなと思う。
いやなんというか面白い。ロシアウクライナ戦争を見ていると満洲事変以降の日本の戦争について考えさせられたけれども、イギリスの植民地支配の様子を読んでいると日本の支配の特徴もまたわかるなと思った。
アサンテ王国が今でもガーナ国内で残っているというのを読んでムガル帝国の皇帝の末裔はどうなっているのかと調べてみたのだが、最後の皇帝の20男が1910年までビルマで生きていたことはわかったが、その子孫についてはわからなかった。ググっても王族の子孫を称する人は出てくるが、ちょっと怪しげである。
ロシアのロマノフ朝の末裔とか今でも出てくるが、やはりフランスの王位請求者パリ伯のような代々の迫力はない。ツイッター上にも愛新覚羅家の人がおられたが、ヨーロッパ貴族のようにお城や邸宅に住んでる感じの人はいないのだろうなと思う。
さいごのカリフ・アブデュルメジド2世の孫娘で追放されたエジプト国王妃でもあったファトゥマ・ネスリシャー・スルタンは2012年に亡くなっている。
さいごのカリフ・アブデュルメジド2世は1924年にケマル・アタテュルクのトルコ共和国政府に廃止されたわけだが、今年でちょうど100周年なのだな。(3月3日)今になってはこれも失敗だったんじゃないかという気もしますね。今なおカリフがいたら現代の政治情勢はかなり違っていた気もしなくはない。
第一次世界大戦後に独立運動が盛り上がり、第二次大戦後にアフリカ諸国が独立した大きな理由の一つは、アフリカ人たちが多くヨーロッパ戦線などで戦い、白人のもろさを実感したから、という説明はなるほどと思う。日本の戦後の女権の伸長の一つの理由は敗戦による男性支配への不信とか戦時中の社会進出もあったということに似ているだろう。「戦後女性と靴下は強くなった」と言われるが、男性の弱さがばれてしまったということが大きいんだろうと思う。やはり戦争は負けてはいかん。靴下の方はナイロンの発明による。
1945年にイギリスのマンチェスターで開かれた第5回パン・アフリカ会議に参加した主要メンバーはエンクルマ・ケニヤッタ・ニエレレとそうそうたるメンバー。やはりイギリス植民地だ。
アメリカ公民権運動の父でありパンアフリカニズム運動の父でもあるWEBデュボイスはマサチューセッツ生まれのアメリカ黒人だが、晩年はエンクルマに招かれてガーナで95歳で死去した。マーチン・ルーサー・キングが「I have a dream」の演説をしたのは、彼の死の翌日だそうだ。
考えてみたら当たり前なのだが、英領ゴールドコーストがサブサハラ諸国として初めて独立した際、「ガーナ」の国名をつけたのは古代ガーナ王国に由来するがゴールドコーストがその領域であったわけではないのだよな。アフリカの栄光を象徴する名前を付けたということなのだろう。マリもそういう意味では同じだ。そう言う意味ではエンクルマのパンアフリカ主義の雑なところが出てるとも言える。
ほぼ読書ノートになったのでまとまりがないが、この辺りを調べて行くのはいろいろと面白い。
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