56人が立候補した東京都知事選:多士済々か魑魅魍魎の百鬼夜行か/日本はどうなるのか/世界を熱波が襲っている

Posted at 24/06/21

6月21日(金)曇り

今朝は気温が高い。4時40分の気温が18.9度だから、この時間の気温としては今年一番高いのではないか。普段は明るくなってからサッシを開けて風を通すのだが、今朝はまだちゃんと明るくなる前の5時前から開けている。予報は午前中から雨になるようで、今日は母を病院に連れていく日なので振って欲しくはないのだが、流石に梅雨入りが遅すぎるので、少しは降ってもらわないと困るという感じもある。

昨夜はニュースを見ていたら今は異常なねっぱた世界を襲っているということで、順礼月のサウジアラビアや少し前から熱波のニュースが続いていたインドだけでなく、アメリカや中国でも異常気象で大変になっているようだ。特に中国では華北は旱害で少し前から問題になっていた黄河流域が干上がっていて、華南では洪水が起こっているようだ。日本の異常に遅い梅雨入りもそうした現象の一環であるようだ。

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世相を見ると昨日書いたように国際政治学者をネット上で誹謗中傷していたデジタルソルジャーを自称する警部が報道されたり、Twitter上では男の原罪と言いながら女子大でセクハラで学生から相談が多数寄せられていた教授が話題になったり、弱者男性はモテないから淘汰されるだけ、というとんでもない認識の国立大学教授が話題になったりしていて世も末だとは思っていたのだが、それらも十分に広がらないうちに新しい話題に移っていった。

東京都知事選が告示され、過去最多・56人の候補が立候補したのである。私は東京江東区民なので大きな選挙は江東区長選・衆議院東京15区補選に続いて今年3回目である。

江東区長選においては小池百合子知事の推す都民ファーストの女性候補が当選し、15区補選においては区長選に落選した立憲民主党の元区議の候補が当選した。二人とも女性である。

小池知事は補選では「五体不満足」の乙武候補を推薦したが、過去の女性問題等もあり、乙武候補は当選に及ばなかった。それより話題になったのはYouTube動画で中東専門の学者・池内恵氏を批判というより誹謗中傷し続けていた飯山陽氏が百田尚樹氏の日本保守党から立候補したり、元プロレスラーで地元出身の須藤元気氏、元地元選出の自民党衆院議員で再生エネルギー疑惑で辞職した秋元司氏など多くが立候補した。いずれも自民党の不祥事による辞任で起こった選挙だったので二つとも自民党は不戦敗だったので、保守票は分裂して立憲の議員を出す事態になったわけである。

こうした候補者たちも話題になったが、この補選で最も話題になったのは「つばさの党」の選挙戦で、選挙カーを追い回すなどの執拗な妨害行為を行い、選挙終了後に逮捕者を出すことになった。いずれも今までの選挙では少し考えられないような話が連続して起こっているが、今回の都知事選もそうしたいわばカオス状態の、別の言葉で言えば不穏な空気を引きずっているように思われる。

今回の立候補者は56人だが、私が名前を知っている人は届け出順に小池百合子、内海聡、石丸伸二、桜井誠、ドクター中松、清水国明、河合悠祐、田母神俊雄、蓮舫、ひまそらあかね、アキノリ将軍未満の11人である。迷惑系ユーチューバーで知られている煉獄コロアキ氏は河合悠祐氏のポスターに映り込んでいるものがあるようだが、本名を含めてこちらのリストに掲載されていないので、おそらくネタなのだろうと思う。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/334781

また、NHK党からは24人が立候補し、ポスターが貼られる掲示板のほぼ外周が占拠される状態になっていて、「朝鮮学校への公費支出反対」や「竹島は日本の領土」といった主張がその場所その場所で展開されているらしく、これはスペースを販売しているという話も報道されているが、選挙初日から一つの話題をさらっている感じではある。

このNHK党からの立候補者に私が名前を知っている11人を加えれば35人で、そのほかにも21人立候補しているわけだから本当に訳がわからないのだが、とりあえずこの11人について考えてみる。

小池百合子氏は現職の都知事であり、3期目を目指した立候補ということになる。前回2020年の選挙の時はコロナ禍で、私は東京の自宅に選挙期間中に帰ることができず、初めて重要な選挙の投票を見送った。争点の一つは小池知事の都政の評価ということになるだろう。2016年の都知事選には築地から豊洲市場への移転について反対し、また東京五輪についてもかなり引っ掻き回した印象はあったが、今回は逆に仕掛けられる側なわけである。また都政に対する批判も現職には付き物だが、対立候補との兼ね合いで考えると蓮舫氏の立候補によって無言の批判層であった保守層が「蓮舫よりはマシ」という理由で小池三選に積極的になった感じはある。

その蓮舫氏だが、立憲民主党を離党しての立候補。旧民進党時代には党首を務めたこともある立憲民主党よりも、選挙協力を得ている日本共産党の動きが活発なことはTwitter上でも昨夜の報道ステーションでも指摘されていて、組織力のある共産党の動員によってポスターが貼られている掲示板が多いようだ。蓮舫氏はいまだに民主党政権時代の事業仕分けのイメージが強く、今回の選挙戦でも他候補に「2番でもいいという人が立候補している」と揶揄されていたりしたが、やはり民主党政権時代に酷い目にあったという実感のある人は何がなんでも蓮舫氏だけは当選させたくない、という意思の人は多いようである。ただ彼女も参議院東京選挙区(つまり都知事選と同じ運動範囲)の参議院議員として4回連続で当選している人であり、特に左派には支持者が多いだろう。今回の立候補者を見ても左派職の強い候補は他にいないので、立憲左派と共産党票はほぼ蓮舫氏に集まるのではないかと思う。

いわゆる左派リベラルの票が割れるとしたら、YouTube動画で全国的に名前が知られるようになった前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏との間で、ということになるかもしれない。報道ステーションのキャスターを長く務めた古舘伊知郎氏などが支持を表明していて、ドトール創業者などが支持しているようなのだが、支持層としては維新と重なると思われるが、維新の推薦は断ったようだ。ただ支持が見込まれる層は維新支持層であることに変わりはないから、その辺りにアピールする作戦ではないかと思われる。それなりに有力はバックもあるようには感じられるので、知名度や印象度をどう上げていくかという話になるだろうと思う。

事前の討論会に出席したのはこの3人に加えて元航空幕僚長の田母神俊雄氏。彼は右派論客として知られているが、選挙戦のスタートも防衛庁前で行ったようだ。Twitterの投稿などを見ていても、国際情勢や軍事情勢の分析では唸らされるコメントも多いのだが、いわゆる右派の主張の中で特に特色のあるものがあるようには感じられないので、支持層以外の表の伸びはなかなか難しいかなという感じはする。日本保守党は田母神氏が10年前にも立候補した都知事選で百田氏が協力しているが今回は批判的であり独自候補もいない(飯山氏が模索していたようだったが)のでよくわからないが、田母神氏に投票する人も多いのかもしれない。

そのほかでは運動告発系ユーチューバー?としてネットで大きな話題を作った暇空茜氏が突如立候補したのが目を引く。彼は「女性支援団体」コラボに対する公金支出について調べて東京都に監査請求を出して認めさせるなど、その「無敵の人」「異常な頭の良さ」「かなりの不寛容さ」などによって賛否両論で物議を醸しているが、基本的には右派の人であり、今回の蓮舫氏や石丸氏の立候補には批判的で、ただかんさせ意休を出して戦っている相手である小池百合子氏しか投票できる先がないという状況では自分が出るしかないと判断したといい、そこで筋を通したことで一部ネットでは支持が広がっている。それなりにネットではフォロワーのいる人たちも「ひまそら」氏の支持を表明していて、またその主張も彼のいう「公金チューチュー」を全て辞めさせ、それらのお金を都民を楽しませる方に回す、もともと彼がコラボを攻撃したのも彼が愛するマンガアニメの表現を女性差別だと攻撃してキャンセルする動きをしていたということもあり、そこで支持が広がったということも大きいから、なるほどと思うところもある。また「公金チューチュー」を中間搾取団体に許さないために援助対象のみに補助金がいく仕組みをアプリで作る、などと具体的なことも言っていて、興味深いとは思う。私はTwitterでブロックされているのでまあお手並み拝見というところではあるが。

そのほかでは反ワクチンで知られる医師の内海聡氏、元「あのねのね」のメンバーで歌手タレントの清水国明氏(70年台から帰ってきた感じである)、右派として活動を続けてきた桜井誠氏、発明家で何度も繰り返し立候補してきて今やレジェンド化した感があるドクター中松氏96歳、ジョーカー議員と称し今回も全裸女性ポスターを貼り出して警視庁に警告を受けた河合悠祐氏、それにオープンレター派との戦いで講師の職を失った山内雁琳氏が関わっているらしいアキノリ将軍未満氏ということになるが、後半はどうもよくわからないのでこれから出てきた情報を追っていきたいと思う。

こうして見てみると、小規模な極端な主張によって信者を取り込むタイプの「小さき神」みたいな人がある、ただこのタイプの政党も最近では実際に議席を獲得してきているので、無視は難しいが、東京都は人口が1400万人を超え、すでに日本全体の1割以上の人口が住んでいて、有権者数は1100万人、投票率50%でも総投票数は550万に上る。今までの当選者も少なくとも200万票は獲得しているので、それだけの支持をいかにして獲得できるかはかなりの力を必要とするように思う。

小池氏は初当選で290万票、再選時には366万票を集めた実績があるから、やはり最有力候補であることに違いはないだろう。蓮舫氏は2020年の参議院選挙では67万票で4位当選、「2番ではダメ」の都知事選でどれだけ得票できるかはわからない。田母神俊雄氏は2014年の都知事選で60万票を超える得票を得ており、泡沫候補とは言えない。ドクター中松氏は毎回5万票前後だが、安芸高田市長選では当選できる(というか人口は3万人超で前回の石丸氏の得票数は八千票である)けれども東京都では難しいだろう。

いろいろな情報は入ってくるが、選挙の新しいトレンドというか法の盲点をつく様々な活動、暴力や炎上を含めた新しい運動形態など、選挙結果そのものだけでなく社会や政治の動きにもまた新しい現象をもたらすことは不可避のように思われる今回の選挙戦、誰に投票するかを考えるだけでなく様々な面から観察していきたいと思う。

これからの日本がどうなっていくのかわからないが、これもまた一つの未来予測の要素にはなるのだろうと思う。

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