自分のペースに戻らない/人権を肯定して国民国家を否定するのは難しいことなど
Posted at 24/02/07 PermaLink» Tweet
2月7日(水)晴れ
今朝はよく晴れている。その分冷え込んで、6時半の気温がマイナス6.6度。昨日の朝は東京だったせいか、寒さを一段と感じるが、寒さというのは体感なので東京でも寒い時は寒い。昨日は中央線の電車の中で車両連結部分のドアが空きっぱなしになっていてどこからか吹いてくる風が寒かったりする。というか東京は平地だからか風が強いなと思う時が多い。寒さの種類も場所によって違う。
一昨日の夜は帰省を断念して新宿から終電で自宅に戻り、ただ朝にならないと復旧状況が分からないので結局よく眠れず6時前に起きて状況をチェックしたのだが、中央線は昼頃まで動かないとのことだったので午前中にやるはずだった仕事のキャンセルの手配をあちこちにメールを送ったり電話したりしながら(早朝なので電話は結局遅くなったが)ブログを書いた。どうもそういう感じでやっていたせいだと思うのだが、読みかけの中田考「イスラームから見た西洋哲学」を置き忘れてきたらしい。
とりあえず特急の予約をしておこうと思い駅ネットを見て、新宿2時発しかなかったのでそれを予約。12時半に出れば十分ということになったから少し気持ちが楽になった。
出かけてバスに乗り、駅から地下鉄で東京駅に出て、カレーくらい食べる時間はあるだろうと思いながら駅ネット予約した今日の切符を取ってから結局使わなかった切符の払い戻しのために窓口に並ぶ。1時過ぎから並んで少し待って窓口に行ってその旨を告げると、クレジットで取ったからクレジットに返金するとのことで、なんだかやたらと端末を打ち込み始めていつ終わるともしれず、10分以上経ってちょっと危ないなと思って新宿2時の特急に乗るんですけど、と一応断ったのだが、なんとかギリギリ1時半には手続きが済んだ。カレーは食べられなかった。現金で返金して貰えばすぐだったのにと思ったが、駅ネットも便利だけど払い戻しは手間がかかるということは覚えておかないといけないなと思ったのだが、何度かやってるけど忘れるのだよねえこういうことは。時間のある時でないとダメだ。
中央線で新宿に出て、弁当を買って乗車。車内は子供連れと外国人が多く、混雑していたが、普段は9両編成なのだけど今朝は3両増結していて予約を取れなかった人はそっちに乗れとのことだったのでそういうことはアナウンスして欲しいよねえと思う。
横の席が黄色のランプだったので弁当を早めに食べておき、立川で親子連れが乗ってきて子供を抱いて座った。そのまま小淵沢まで乗って降りた。私も途中少しうとうとしていたが、子供の寝息が大きく聞こえた。
電車の中で座っていると結局寝るか本を読むかスマホをいじるかということになり、特に月曜は7時間も待っていたからかなり目を酷使したようで、目が疲れているなと今朝思った。
地元の駅に到着したのが30分ほど遅れ、駐車場に行くと車が車体が見えないほど雪がこんもりしていてまずは除雪からという感じだった。
というわけで昨日は自分の頭のハエを追うので精一杯だったが、今朝は雪かきのできるところをしたり(凍結しているので完全にはできない)、車検をお願いする準備をしたり、マガジンとサンデーを買いに行ったり、ストーブに灯油を入れたり、とりあえず寝る前に風呂に入ってはおいたので朝はその分では楽であるのだが、雪が降ると普段にない仕事が結構増えるので、やはり面倒だなとは思う。
やることは多いのだがなかなか自分のペースが取り戻せず、ちょっと困っている感じである。
***
昨日Twitterを読んでいて目にしたこの議論について少し考えた。
https://toyokeizai.net/articles/-/369359
これは2020年8月の対談なので、オープンレター事件より前のことになるが、ござさんや辻田さんなどの若手論客が(2024年現在40歳台)加わっている。基調は、明治以降の日本近代史には問題があった、違う道はなかったのか、という議論なのだが、従来の左翼史観の方向性と基本的にはそう違わない方向で書かれていて、「歴史修正主義」にどう対抗するか、ということが話し合われている。
この辺りは2018年に出た百田尚樹「日本国紀」に対してのことだと思うのだが、最近の百田さんや「日本保守党」周りのことを見ていると、東大先端研の池内恵さんを攻撃するなど、国益重視というよりは半ばカルト化した活動になっていて、こういう方向性は本当に良くないと思う。「日本国紀」自体はほとんど読んでないので評価はできないが。
ただ、そうした右派カルトのような意見ではなく、日本の近代の歩みを否定するというのは何を前提としているかということなのだけど、今読んでいる「イスラームから見た西洋哲学」と合わせて言えば、一番問題になるのは日本が「国民国家体制」を選択したことの是非、ということになってくると思う。
江戸時代の日本は必ずしも国民国家体制ではなかったから、明治期に近代的なモデルの国家体制を構築していく上で、現実的に一番採用しやすかったのはフランス方の中央集権国家体制であって、イギリスのような憲法なしの体制やドイツのような連邦の形をとった帝国体制は採用されなかった。近代国民国家の条件として領域を確定するということがあり、北海道と琉球を確保し千島列島を領有し樺太を放棄した時点で日本の領域はほぼ確定した。(小笠原諸島など遅れたところもあったが)
「イスラームから見た西洋哲学」の視点から言えば、そもそもこの領域とか国境という考え方自体が非人道的だということになるのだけど、それは中国における農耕民と遊牧民の抗争と同じような話で、西欧的な近代国家は基本的に領域を確定する。ヨーロッパにおいて遊牧という生活スタイルが早い時期に後退したということもあるのだろう。
日本が生き残るために構築したヨーロッパスタイルの標準の国民国家体制は、人権とともに徴兵制や義務教育など国民を動員する仕組みを持っていて、日本もまた大きな抵抗を受けながらそれを実現していくわけだけど、当時のヨーロッパ国家は世界の非ヨーロッパ地域を征服支配する帝国主義体制を構築しつつあり、日本もまたそれらの国々と互していくために帝国主義的な方向性を取ることになった。
国民国家体制そのものがそういう体制であるから、上の議論に参加している人たちが国民国家体制そのものをどう評価しているのかは読んでいる限り議論に出てこないのでわからないのだけど、概ね否定はしていない印象を受ける。網野善彦氏の「植民地にされてもよかった」という議論はもっとラジカルであり、これは生き残るための国民国家体制の成立に失敗してもよかったということなのかなと思うが、その辺りはよくわからない。網野氏に関しては彼が書いた岩波新書の日本通史があるからこれに関する視点はそこで確認できるとは思うのだが、今は手元にない。
ただ左翼的な発想の彼らが人権思想そのものを否定しているとは思えないので、そうなるとその前提になる国民国家体制自体は肯定しているのかと思うのだが、そうした場合に列強との間の帝国主義的競争に参加しないという選択肢があり得たのか、ということになる。
まあこれはなかった、と私は思うのだけど、ちょっと時間がなくなってきたので今日はここまでにしたい。
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