雪/ジャンププラス「ふつうの軽音部」が面白い/マンガ撲滅運動の脚本家がマンガ家夫婦を描く連ドラの脚本担当に/若者が集まる地方自治体の条件
Posted at 24/02/04 PermaLink» Tweet
2月4日(日)晴れ
今日は立春。ちょっと用事をしてこようと車のエンジンをかけに外に出たら雪が積もっていて驚いた。その代わり気温は高めで最低気温マイナス1.8度。車の雪を落とし、家の前を少し雪かきして、車で駅に出かけて遅延や運休の表示を見たが何も出てないのでまあいいだろうと思ってえきネットで予約した切符を取る。自分が乗るのは10時過ぎの特急なので大丈夫だとは思うのだが、まあ気をつけていこう。明日の実家に戻る特急も予約を2時間早めて、なるべく明日のうちに戻れるようにとしたのだが、どうなるか。
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まずは最近読んで面白い漫画の話から。
https://shonenjumpplus.com/episode/8603475606557231448
いまジャンプ+の新連載では、日曜日に連載が始まった「ふつうの軽音部」がとても面白い。最初の2回が4話分・3話分と一気に公開されたことで、まだ連載4週目なのだが第9話ということになる。
絵の感じは「スキップとローファー」のテイストを感じるが、もっと乾いた少年マンガよりの絵柄で、キャラ造形は「ちびまる子ちゃん」に似ているという人もいたが特にやがちゃんというキャラはそうかもしれない。主人公が陰キャというのは「ぼっち・ざ・ろっく」と共通しているが、ぼっちちゃんほどコミュ障でもない。そういう意味でも「ふつう」である。部活風景がステージ練習ができる順番を待ってるバンド連が視聴覚室の外の廊下であぐらを書いてギターを弾いてるだらだらした感じが「これは今までに見たことない種類のマンガだ!」という感じがした。バンドものは今までもいろいろ読んできたが、これだけだらだら感のあるものは初めてだと思う。まさに「ふつうの」軽音部である。
主人公は両親の離婚で神奈川から大阪に転校し、だから大阪弁の民の中で一人だけ標準語をしゃべっているがその意味では浮いてない。ただバンドの名前を川崎のラ・チッタ・デッラというモール?の名前をとっていて、(私はここのチネチッタ川崎に何かアニメ映画を見に行った覚えがある)まあそういう名前でいいじゃんという感じになるのも「ふつう」っぽくて可笑しい。
恋あり、笑いあり、これが日本で初めての「ふつうの」軽音部マンガだ!という感じではあるのだが、原作者のジャンプルーキーでの作品もまだ読めることができるのだけど、この段階からかなり整理されて現行のスタイルになっているのがよくわかり、その意味でも「マンガの制作過程」みたいなところが面白いと思った。
軽音部の中での人間関係と、バンドでの人間関係とクラスでの人間関係、みたいなのがそれぞれあるのが「ザ・高校時代」という感じで面白く、ここの書き方は「スキップとローファー」などよりも成功している感じがあるのだが、それは「舞台が大阪」という東京より微妙に人間間の距離感が近い感じがいいのかもしれないという気はする。
今一番楽しみな作品である。
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次はあまり面白くない話。
「セクシー田中さん」関連の出来事なのだが、昨日は漫画協会理事長の里中満智子さんがインタビューに答えていた。概ね言っていることは正しかったと思うのだが、里中さんも「出版社は漫画家の味方だ」という前提で話をしているので、ちょっとそこが引っかかった。出版社も漫画家と必ずしも利益を共有しているわけではないのだから、やはり漫画家の利益を代行する代理人制度の整備が必要ではないかと思った。漫画協会にはそういうことにもう少し取り組んでもらえればと思う。著作権関係に詳しい弁護士は概ね出版社より、ということもあるらしいし。
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もう一つは今朝見た記事だが、来年前期の朝の連続テレビ小説の脚本を中園ミホさんという方が担当し、マンガ家のやなせたかしさん夫婦を取り上げるらしいのだが、この中園さんという方は平成19年の橋田壽賀子賞を受賞されていて、その際に
「日本のドラマをつまらなくしてるのは漫画原作!TV界から漫画原作追放を!漫画撲滅運動を‼︎」
と壇上から吠えられたのだという。
https://twitter.com/sachimiriho/status/1753836790254064005
この話も大概だと思うが、「漫画撲滅運動を!」と叫んでおられた方が漫画家の人生を描く連ドラの脚本を担当されるというのはどういうことなのか、少しよくわからない。どう考えても漫画家に失礼な発言だと思うが、その辺りのところはどう整理されているのだろうか。
テレビドラマの原作に漫画が使われるというのはどう考えてもテレビ側の事情なのに、漫画家を非難するということ自体が筋違いで、しかもその人が漫画家を取り上げたドラマの脚本を書くというのはあまりに一貫性がない。考え方が変わったというならその辺りの表明を読みたいようには思う。今のままでは漫画がバカにされっぱなしで、漫画の読者としては失礼な、という感じのみが残る。
平成19年は2007年なので17年前になるが、実際にはドラマの漫画原作化はどんどん進んでいて、ついには悲劇も起こった。その辺りのところもどう捉えているのか、お聞きしたい感じはある。
また、表現規制を求めてきた運動家が手のひらを返したように芦原さんの訃報に便乗しようとしているのも恐れ入る。
まあ、漫画ってそういう意味では虐げられ、いいように使われてきた歴史なんだよなあと改めて思う。この辺も漫画家協会はもっと社会的な発信をしてもいいのではないかという気がする。
まあそんなことばかり書いているとまた感情のブレーキがかけにくくなるし、ここ数日はそれでどうも困っていたので大概にしたい。
***
先週出かけた南箕輪村だが、地元の地方議員の人と話をしていて、村の公共建築物が全て借地の上に建っていると知って驚いた。これはつまり、所有者に地代を払っているということで、それによって経済を回しているということになる。同様に地価を上げない政策を取っていて、つまりは企業誘致や若者が家を建てやすい環境を整えているということで、若者を呼び込み、働く場所を作っているので、若者人口の伸び率は県内一で、また税収も数倍に増えたのだという。こういうのはコロンブスの卵だと思った。
南箕輪村は南隣が伊那市で、村内に大学が二つあり、条件的にも恵まれていることは確かだが、住宅も住宅団地的な開発ではなくて道路横の農地に新しい家が飛び飛びに建っている感じなので、こういうのも新しいセンスだなと思った。逆に言えば、団地的ニュータウン的な宅地開発が終焉を迎えているということでもあるのだなと思う。
この辺、地方に若者人口を呼び込むためにはどうしたらいいかという点において、「仕事と生活のための商業施設」なのか「文化中心」なのかという議論についても、「両方あればいい」ということでもある。規模の小さい自治体でも立地条件を生かして大学などの教育施設を呼び込み、若者が家を建てたり移住しやすい条件を整えれば人は増える。東京に出たい人ばかりではないし、地元のしがらみみたいなものに囚われなくてものんびりした地方で生きていけるならそれの方がいいと思う人も多いだろうし、東京の人でも地方の方が楽だと思う人も多いわけで、条件の整え方次第で地方に人口が流入してくる可能性も確かにあるなとは思った。
***
今読んでいて一番面白いのは中田考「イスラームから見た西洋哲学」なのだが、これはとても勉強になるのでまた改めてちゃんと書きたいと思う。
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