日比谷図書館で千代田区史を読む/意図を持って行動する:世界は美しいけれども、光の当て方でその美しさは変わってくる
Posted at 24/01/23 PermaLink» Tweet
1月23日(火)曇り
昨日は昼ごろ出かけて銀座で電車を降り、教文館を少し覗いて有楽町へ。そういえばマロニエゲートにOKストアが入ったということを思い出し、行ってみるとユニクロの大きめの店が入っていて、3階でメンズのジャケットなどみたがどうもいいものがなく、買わず。地下に降りてOKストアを見たが若い人が多く、これは若い人を銀座に呼び込むためには正解かなと思った。値段は南砂と同じくらい安いが、モノは南砂よりいい気がする。やはり銀座で半端なものは出せないという感じか。
交通会館の三省堂に行ってみたら2階が閉鎖されていて、一階はあまり見るものがなかった。丸井の最上階の書店に行こうと思ったが、そういえばもう閉店していたのを忘れていた。有楽町近辺、書店はかなり少なくなってるなと思う。
日比谷公園まで歩いて日比谷図書館の地下のプロントで昼食。割とこの店は気に入っているのだが、昨日は結構客が多かった。霞ヶ関も近いので、官僚の人が来ているのかなという雰囲気が少しあった。食べてから江戸の歴史みたいなコーナーに行ったら太田道灌特集みたいなことをやっていて、そこの本は特には読まなかったのだが「千代田区史・上」で太田道灌の江戸築城から後北条氏の支配の時代までくらいを少し読んだ。この本ではまだ北条早雲=伊勢新九郎については旧説で書かれていて、出自不明・太田道灌と同じくらいの年齢ということで書かれているのだが、「新九郎奔る!」の基づいている新説との比較ができて面白いなと思った。自治体史というのは読んでいて割と面白いのだが、公共図書館でその自治体の自治体史を読むのは割とお金のかからない娯楽になるなと改めて思ったり。
霞ヶ関から丸の内線で大手町に出、成城石井で夕食を買って東京駅まで歩いて実家に戻る切符を取り、丸善を少し覗いて東西線で帰宅。東京での月曜日の過ごし方はいつも迷うが、今回は割と充実させることができた。家でもクラシックのレコードやCDをよく聞いた。6時ごろ夕食を取るつもりだったがまだお腹が減ってなかったのでやめにして、少し片付けなどして6時半ごろ出発。また丸善丸の内店に出ていろいろ本を見たりしたが、もう時間がなかったので早めに新宿に出る。新宿では新南口の書店をのぞいたがここでも買わず。お茶だけ買って特急に乗った。
特急は順調に走っていたが、小淵沢の手前で鹿に衝突したということでしばらく停車。鹿には可哀想だけど、割と中央線ではよくある。対策は取っているのだろうけど鹿には指示が読めるわけではないからこういうことは起こるのだろうなと思う。アメリカでは車に鹿よけの笛みたいなものを取り付けられていて、人間には聞こえないが鹿には聞こえる周波数で警告音を発するのだそうだけど、あずさにはそういう工夫はされているのだろうか。まあアメリカの車でもそれでもそういう事故は無くなるわけではないようだけど。
到着は16分遅れ、職場の駐車場に停めてあった車で帰宅。フロントガラスも凍結しておらず、すぐ乗れて帰れた。帰宅後すぐには眠れないまま、ソファでうたた寝してしまい、時計を見たら2時を過ぎていて、どうも寝方としては良くなかった。起きたら5時半。なかなかペースを作るのは大変だ。
8時を過ぎて、外にようやく日が差してきて、障子の向こうが太陽の色になってきた。
***
昨日一昨日は割と東京での過ごし方はうまく行ったのだが、これはつまりは「Artists' Way」でいうところの「アーティスト・デート」だったなと思う。自分のやりたいところ・行きたいところがうまく整理されていて、「いつも行くから」という理由で行くところになるべく行かず、普段行きたいと思ってるけどなかなかいけないところに行く。家にいる時も、読みたい本がどこにあるか確認したり、楽しそうな音楽を聴く。今回はワーグナーが良かったが、やはりルービンシュタインのピアノも良かった。こういう分野でも好きなものを広げるのは大切だなと思う。ピアニストではルービンシュタインとアルゲリッチが好きなんだなと最近思っている。パハマンも良いが。
書店や古書店での棚作りというのは面白いなと思っていて、それはつまり関連の、傾向のある書籍をうまく配置することで、一つの世界を作るということなのだが、往来堂は良くできているなといつも思うのだけど、人文書とかの棚は「意識高い」感じで自分の趣味とは違うのだけど、それはそれでそれらをそう並べたいのは良くわかる、という感じがする。特別便利な場所にあるわけでもなく、大きいわけでもなく、今の流行のチャラチャラしたカフェとの一体型みたいな感じでもなく、佇まいは地元の書店に他ならないのだけど、ここに行けば読む本の何かヒントがある、みたいな感じの書棚というのは本当にいいなと思う。
この二つの話に共通するのは、「意図を持って行動する」ということが可能性や発見の土台になる、ということだろうか。「己を虚しくして」みたいな感じのことがよく言われるけれども、そういう究極の受身態勢みたいなのがうまく行くこともないことはないのだけど、「今日はこう行動する」「この棚はこう作る」みたいな意図を持つことで主体が世界が受け取りやすくなる、みたいなことはあるなと思う。
昔はただぼーっと街を歩いているだけでいろいろなモノに出会えた気がするのだが、最近は結構それは難しくなってきていると感じていて、それがどういうことなのかはよくわからない。特に、「これは好きかもしれない」というものの中で、「これは好きだな」と思うものと「これは今はいらないな」と思うものを分けていくのは、結構大事だなと思う。後で好きになるかもしれないもの、というのはなるべく見えるところに置いておきたいのだが、「これはちょっと違うな」と思うものが最近増えていて、それは多分いいことなんだろうと思う。
なんでも先入観なく見聞きする、という心構えでずっときていて、ある時からこれは違うな、違うんじゃないかな、と思うものがわかるようになってきた感じはあるのだけど、それはそれなりに歳をとってきてからで、それも最初は意識的に排除しないといけない感じがあったけど、最近はこれは違う、と思ったらなるべく近づかないしそれにコメントする必要を感じたらその角度に気をつけるようにする、という感じになっている。
世界は美しいけれども、その光の当て方でその美しさは変わってくるといえば良いのだろうか。光の当て方を大事にしていきたいと思う。
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