氷河期世代とリーマン世代とZ世代:ネット上の議論と意思疎通/「葬送のフリーレン」最新話を読んだ
Posted at 23/11/01 PermaLink» Tweet
11月1日(水)曇り
あっという間に11月。10月31日のハロウィンは11月1日を新年とするケルトの暦では10月31日が魔物が出る日という位置付けから行われた祭りだとの話なのだが、そうなるとそれは新年の前に追儺=鬼やらいをする平安朝の伝統とも同じ考えだし、現代では立春の前の節分も意味づけとしては新年の前の日に魔を祓うという意味になる。また不敗太陽神の復活を祝う冬至の祭りなども考え方は同じだろうし、いろいろな意味でこの時期は年の終わりと新年を迎えることを意識することが多くなる。まだ今年にやり残したことは多い感じがするのにもう新年というのはちょっと困ったなと例年思うけれども、今年もなるべくやり残しがないようにあと2ヶ月も大事に過ごしたいとは思う。
氷河期世代とZ世代のどちらが大変か、みたいな議論がTwitterで見られていて、Z世代というのは概ね阪神大震災と東日本大震災の間に生まれた世代、氷河期世代は70年代から1985年までに生まれた世代とのことなので、後者は前半は団塊ジュニアとも重なり、競争はより激しかっただろうなと思う。
Z世代はまだ就職してない人たちが含まれるわけだが、話題になっているのは特に氷河期世代では2000年前後に就職した(するはずだった)世代、1978年前後に生まれた人たち(氷河期)と2010年前後のリーマンショック直後に就職(した)するはずだった世代、1988年前後に生まれた世代、の人たちの間での議論がメインになっているように感じた。
後者の世代はZ世代よりは前であり、Wikipediaを見た限りでは広義の氷河期世代に含まれていることもあって、Z世代との比較というのはちょっと違うと思うのだが、議論の焦点がずれているという感じはしなくはない。
ただ、先の定義ではZ世代というのは現在20代後半から中学生くらいの世代になるわけだが、この世代の大変さというのは就職状況などとはまた違ったものではないかという気がする。
それを考えるとZ世代という言葉自体が多義性を含んで使われているということかなとも思うし、もう少し定義を揃えて客観的な議論ができると良いとは思うのだが、いずれにしてもバブル崩壊後の日本経済の不振がこうした割を食った世代をいくつも作り出しているのは確かで、同情すべきだなとは思う。私などはバブル前に就職している世代なのだが、バブル崩壊後の不況期の中で勤めていた企業(大企業も含む)が倒産した人たちも多いし、再就職にはかなり苦労した人たちもいる。ただ就職の時点でうまくいかないというのは一度就職したことがある人とはまた違う困難があるわけで、これは結婚がうまくいかなくて離婚した人と最初から結婚自体ができないうちに年齢を重ねている人との違いとも重なるわけで、なかなか単純に比較はできない。
いわゆる氷河期世代は団塊ジュニアとも重なったから、この世代が就職できずに結婚もできなかった人たちが多いということは人口の再生産の頓挫に直撃しているわけで、少子高齢化問題のかなりの要因は実際にはこの問題に起因しているともいえるのだが、経済が多少回復しても出生率が下げ止まらないのは後の世代もやはり違う困難を抱えていると考えるのが正当だろうとは思う。
この辺りの問題解決についてはさまざまな手が可能だったとは思うのだが、いろいろな面で遅きに失していることはまた事実で、今から何ができるかは難しいのだが、団塊ジュニア世代は人口ボリュームもあるしそこをプラスにできる時期のうちに手を打つ必要はあると思うのだが、現実にこれが良いというのもなかなかなく、個人の努力に帰せられてしまっているのが現状なのだよなと思う。
我々の世代は「受験戦争」が激しかった時代で、とりあえず難関大学に合格したら先が開ける、みたいな感じのところはあったが氷河期やリーマンの世代はそれでも難しかったわけで、そういう先の世代との認識の格差みたいなものは氷河期やリーマンの世代に対する対策の不足に表れてしまっているのだろうなと思う。かなり前から専門職、特に医療関係や福祉関係を目指す進路の子供が多くなっていて、この辺りは高齢化に対する対応としては良い方向だとは思うがこれらは何かを生産する仕事ではないので、日本の生産力、特に知的資産における生産力を高める方向にシフトしていかないといけないなと思う。
そこにおいて、コンサルティングという分野がかなり重視されてきているけれども、この分野が生産しているものはソリューションの手段、ということになるのだろうけれども、それらが基幹産業となることが可能なのかどうかはよく分からない。テクノロジーにおいてもより付加価値の高いハイテクの育成は大事なことは確かだが、コロナが流行してマスクが不足するなどローテクが疎かになることの弊害のようなものもあり、産業的にも何が良い進歩で何がいびつな進歩なのかは一言では決めにくい。
ただ、さまざまな面で社会にも産業にもその結果教育にも大きな変化が起こっていて、それが良い変化なのかどうかは判定しかねるところが大きいなと思う。
そうした中で議論や炎上も含めてなかなか意思が疎通しにくい異世代との議論というのはSNSなどでもより積極的に行われていくことは何らかのプラスになるのではないかと思った。
***
「葬送のフリーレン」を読み始め、最新話まで読んだので、今日は久しぶりに少年サンデーを買って最新話の166話「帰還の魔法」を読んだ。この話はとてもよくできているしキャラクターが魅力的なので面白いのだが、最新話も期待に違わぬ展開で、とても面白かった。まだアプリの「サンデーうぇぶり」では読めないようなのでネタバレは書かないが、過去に戻った主人公の現在に対する想い、また現在での激闘の過去への反映などの工夫もあり、また例によっての勇者ヒンメルの名言もあって、なかなか満足のいく内容だった。
次回の掲載がいつになるかの予告がなく、また次号予告にも作品名がないのでいつ続きが読めるのかは分からないが、楽しみにしたいと思う。
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