阪神タイガースの日本一と岡田監督と関西経済界
Posted at 23/11/06 PermaLink» Tweet
11月6日(月)曇り
昨日は一日郷里の方で集まりがあったので8時過ぎの最終特急で帰京。予約状況を見たら最終しか空いていなく、また窓際に空席がなかったので通路側の席を予約。しかし緑のランプがついても隣の人は現れず、結局隣が空席で新宿まで乗れたのでラッキーだった。ハイシーズンには時々こういうこともある。11時半ごろ家について12時半ごろには寝た。珍しく長時間寝られたようで、先ほど目が覚めたら6時半だった。気温は18度以上あり、やはり東京はあたたかい。
昨夜は阪神タイガースが日本シリーズで勝利したらしく、特急の中でツイッターを見ていたらタイムラインにはその情報やファンの歓喜の声がダムの放流のような物量で流れてきた。阪神タイガーズは2リーグ制以降、私が生まれた1962年と東京オリンピックの1964根に優勝し、そのあとは1985年に吉田義男監督が真弓・掛布・バース・岡田現監督を擁して日本一になり、そのあとは2003年に星野仙一監督で、また2005年に岡田現監督で優勝したものの日本一になれずに今年になって岡田監督が復帰してようやく二回目の日本一を達成したわけである。
阪神は巨人の九連覇時代から強豪チームとして知られていたが優勝は少なく、特に1985年に日本一になるまでは両リーグでも数少ない日本一未経験チームだった。Jリーグでも浦和レッズがファンが熱心で知られている一方でなかなか優勝できなかったのと同じように、阪神はファンの熱心さの割にはなかなか優勝しないことで逆にその存在感を高めていたわけである。
今回は同じ関西を根拠地に持つオリックスバファローズとのシリーズということになり、オリックスがまだ阪急球団で西宮球場に本拠を置いていた時に書かれた「今津線シリーズ」がついに実現したと話題になっていたが、大阪急はオリックスに身売りし、またオリックスは近鉄球団を吸収し、タイガースも親会社の阪神電鉄が2006年(第一次岡田監督時代)に阪急の完全子会社になるなど、大阪・関西経済の辛酸を反映した歴史を歩んでいる。もちろん阪神の今回の日本一はそうした経済状況だけがアレというわけではないだろうが、陰にはそうした関西の鬱憤を晴らしたという開放感もまた伴っているのではないかと思う。
もちろん好調な経済がプロスポーツの結果にも関係するなら中日ドラゴンズは20連覇くらいしてないとおかしいのだが今年は令和の米騒動などの話題に終始して最下位に沈んだわけでこの理論の反証になっているわけだが、プロスポーツは親会社の経営状況もなくはないけれどもやはり人的な要素が一番大きいのだろう。
阪神は人気球団であるだけにタニマチが多くついて贔屓の引き倒しで推し選手・スタッフをごり押ししたりするため常に内紛が絶えないと言われていたし、初めて吉田義男監督で日本一になった時も「村山監督にこれを味あわせたかった」という感想が出て凄い球団だなと思ったことがある。今回日本一の岡田監督も2008年には大逆転で巨人の原監督がメイクミラクルを達成し、その責任を取る形で辞任したりしている。
経営母体が弱かった阪神電鉄から関西経済界の雄・阪急に経営権が移り、またコロナ禍もあってタニマチが選手を連れ出しにくくなったためにタイガースは強くなったなどと言われていたけれども、今年の日本一は岡田監督の復帰も大きかったのだろう。
岡田監督は先に書いたように1985年の初の日本一で5番を打って日本一に貢献し、監督でも二回の優勝を達成している。同一球団で主力選手としても監督としても日本一になった二兎というのはそう多くはないが、そうした数少ない存在の一人に岡田監督はなったわけである。
そういう人は案外少なくて、巨人の川上・藤田・長嶋・王、ヤクルトの若松、巨人の原、西武の渡辺、ヤクルトの高津、阪急・オリックスの中嶋というところである。並べてみるとここ3年はそういう監督が並んでいてへえっと思ったが、日本一の回数が2回しかない球団で両方で経験している岡田監督はやはり持ってるものがあるのだろうという感じがする。
阪神タイガースの日本シリーズ優勝を祝したい。
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