松本に往復/「新九郎、奔る!」に見る静岡県の多様さと今川氏の統一の困難さ
Posted at 23/10/24 PermaLink» Tweet
10月24日(火)晴れ
昨日は早朝から母を連れて松本まで出かけ、眼科の検診を受けた。ひと月前に右目の白内障の手術を受け、昨日はその定期検診なのだが、ほぼ何事もなく経過は順調でよかった。11時前に病院を出られたので病院内のタリーズでパスタの持ち帰りを買って車を走らせ、空港近くのスカイパークのやまびこドームの広場のテーブルでお昼を食べた。ほとんど誰もいなかったが外で食事をするのは久しぶりなので、母も少し楽しそうでよかった。場所をちゃんと把握していなかったので道路標示だけを頼りに行ったからちょっと道が混雑して時間がかかってしまったが。
施設に送り届けて自宅に帰り、いろいろやっていたら日曜月曜に疲れが一度に出てきて、いろいろな整理も進まないまま時間がないうちにそのままになっていることも始末できなうちに疲れてうたた寝をしてしまい、夕食もとりあえずなんとか米だけ炊いてレトルトのカレーで済ませ、起きられないまま夜が更けていたので着替えて寝た。だいぶ疲れが出ていた感じで、朝起きたらまだ3時台だったが時間としては相当寝ているので体調はかなり戻った感じはある。
いろいろ現状について考えようとしながらゴミを捨てたり日常のことをいろいろやりながら、ただなかなか仕事が進まないし考えも進まないのでまあつまりはまだ疲れは完全には取れてないということだなとは思う。気温も下がってきたし、いろいろなことに前向きに取り組めるだけの心の余裕と体力を確保していきたいとは思っているのだが。
***
そういうわけでブログも書くネタがなく、大きな事件が起こっているわけでもないので(いろいろ継続中ではあるのだが昨日今日の変化ではない)これについて書こうということもないのだが、マンガを読んで思ったことなど。とはいえ、昨日はマンガを読む気力もあまりなくて、「忘却バッテリー」を読み返したほか、印象に残っているのは「新九郎、奔る!」の103話。
ここのところのストーリーは伊勢新九郎、後世には北条早雲と呼ばれるようになった人物が、その後の世の中で注目されるようになったきっかけ、駿河守護の今川家の跡取り争いで姉・北川殿の子の龍王丸(のちの今川氏親・義元の父)を後継の座につけるために当主代行を務めてきた従兄弟に当たる新五郎範満と対峙する局面になっているのだが、史実と史実ではわからない部分を補作する創作が織り混ざっている。
ここでいろいろ印象に残ったのは駿府(現在の静岡)の今川館に当主代行として座を据える新五郎陣営に対し、龍王丸は叔父・伊勢新九郎の庇護のもと小川(現在の焼津)の長谷川氏の館に仮寓していて、この地域が山西といわれている、という地形上の問題だった。これは調べてみると中世にはその名で呼ばれたということなのだが、高草山を含む山塊が駿府のある安倍川流域と大井川流域を隔てていて、この山塊の西側・志太郡・益津郡が山西と呼ばれたのだという。
マンガの中の記述でも小川から駿府を往復するのは山深い峠を超えていく描写があるのだが、地図で見てみると現在でも東名高速の日本坂トンネル、国道1号の宇津ノ谷峠、新東名の岡部トンネルなどこの二地域の間には難所があることがわかった。東海道の難所というと西行が「年たけてまた越ゆべしと思いきや 命なりけり小夜の中山」歌った中山峠を思い浮かべるが、こちらは国でいえば遠江の掛川から大井川への峠であって、あまり意識はしていないが静岡県というのも実は山がちな峠の多いところなのだなと思った。
もともと静岡県は中心になる駿河だけでなく、東は伊豆、西は遠江と三つの国を一つにしてできた広い県であるのに、実は駿河の中でも地域がいくつもあり、富士山麓の駿東や大井川流域の山西にはそれぞれの国人勢力があって今川氏の統一もそう簡単ではなかったことがこの「新九郎、奔る!」を読んでいるとよくわかる。静岡県は東京にいれば関西を往復するのに頻繁に通るところだからあまり意識がないのだけど、詳しく知ると知らないことばかりだなと思う地域なのだよなと思う。
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