「国家(イスラエル)を獲得した」ユダヤ人と「国家を持とうとしている」パレスチナ人と「国家を持たない」クルド人

Posted at 23/10/10

10月10日(火)曇り

昨日も一日雨が降って、なんとなく陰気な、じめじめした感じだった。

今朝は母を病院に連れていくのであまり書いている時間がない。

ガザはほとんど終戦という状況のようだ。ハマスによる占領地は奪還したとのことだし、ハマス側からは停戦に応じるとのメッセージが出ているようだ。イスラエルはもちろんそれに即座に応じることはなく、地上軍をガザに送り込んで報復を行うだろうが、それも度を失うところまでいったら国際世論には同情の声が少なくなるだろうから難しい。ただある程度は叩いておかないと舐められる。

しかし実際のところ、ハマスにこれだけの大規模な軍事侵攻を許してしまったというだけでイスラエルには大きな失点であるだろう。またサウジアラビアはじめイスラム諸国との融和の雰囲気が吹き飛び、イスラエル非難一色になってしまった。開戦前の外交的ポジションに戻るのはかなり難しいだろう。

ハマスは非人道的な行動を取ったと非難されているが、もともと西側諸国においても彼らの評価はそんなものだったのであまり変わることはないだろう。ガザの置かれた状況を考えればイスラエルがどんな対応をしてもイスラエルに対して融和的な雰囲気が醸し出される可能性はないから、そこでも何か変わるわけでもない。

EUがパレスチナに対する援助を差し止めるという方向に動いているが、アイルランドはそれを拒否しているという。パレスチナに対する援助というのは主に西岸に向いているはずで、ハマスの行動のとばっちりに過ぎないと言えばそうなのだが、西岸でも当然今回のハマスの侵攻を支持する人々は多いだろうし、そう一筋縄ではいかない。

今回色々考えさせられたのは、「国家を持つ民族」と「国家を持たない民族」の違い。ユダヤ人はイスラエル建国まで、いわば最大の勢力を持つ「国家を持たない民族」だった。イスラエル建国で曲がりなりにも「国家」を手に入れると、それを守るために手段を選ばない方向に動いている。逆にパレスチナ人は「国家を持たない」ことの悲劇を十分に味わってきているから、オスロ合意に賛同する人は多数派だろう。パレスチナにおけるイスラエル建国そのものを否定するイランに援助されるハマスも、結局はオスロ合意を受けいれたのは国家は必要だと考えているからだろう。アラファトは現代社会における国家を持つことの重要性をうまく利用したと思う。

日本に絡めて言えば、今世界で「国家を持たない最大の民族」の一つといわれているのがクルド人で、そういう存在が日本にあるということは、「国と国との付き合い」では片付けられない問題が日本にも持ち込まれた、ということでもある。

そういうことは改めて考えていかなければならないと思う。

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