パレスチナでハマスがイスラエルに大規模攻撃、地上戦力も展開。イスラエルがハマスを即座に殲滅できない理由は。

Posted at 23/10/08

10月8日(日)晴れ

昨夜は冬物の厚めの羽毛布団と毛布を引っ張り出し、お昼頃ベランダで干しておいたので、夜はゆっくりと暖かく休むことができた。11時ごろ寝てやはり2時半ごろに一度目が覚めたが、居間に降りてお茶をいっぱいだけ飲んでもう一度寝た。完全に意識が無くなったかは怪しいが、起きたのは5時半ごろ。時間だけで言えば6時間は横になっている。頭がちゃんと休んでないので疲れは残っているのだが。

昨日は午前中にいろいろやってて布団を干したりその間にクリーニングを取りに行ったりして、生活を整えようという感じでやった。昼から仕事に出て時々はネットも見ていたのだが、2時半ごろいきなりTwitterでイスラエル政府が戦争状態を宣言というツイートがあって驚いた。

調べてみると、相手はガザ地区を実効支配するハマスだった。それからの展開は報道されている通りだから特には書かないが、今回はかなりイスラエル側の虚を突いた、また警戒してない行動に出たということでイスラエル側を後手に回らせているということがだんだんわかってきた。

イスラエル側の事情としては、ユダヤ教の宗教シーズンの最終日の休日で、準備が整っていなかったところを狙われたらしい。もう一つの事情としては、イスラエルとサウジアラビアの間で国交正常化交渉が進んでいたということがあるのではないかと思った。ハマスはガザ地区を実効支配しているがガザ地区は目立った産業はないしエジプトはテロ組織指定しているのでエジプトとは貿易はできず、イスラエルからのもののやりとりがあるだけだという。

そういうことになるとハマスはどうやってあのような大量のロケットミサイルを調達したのだろうと思うが、その背景はイランだと思われて入るけれどもどうやって搬入しているかは割と謎であるようだ。そうした大量の武器はイランからの援助だけでは賄えないだろうし、また民生もお金はかかるから、ハマスはスポンサーを必要としていて、それがサウジアラビアにいるということではないか。アルカイダの時もスポンサーの多くはサウジ人だったと記憶している。ハマスとしてはイスラエルとサウジアラビアとの国交正常化によってハマスへの援助ができなくなる事態を危惧したのではないかというのが現時点での私の仮説。他の人も言ってるのではないかと思うけれども。

今までにないハマスの行動としては、ミサイルを数千発打ち込んだ間にガザ地区とイスラエル本土との境になる鉄柵を撤去し、近郊の町に地上部隊が攻め込んだこと。この攻撃は「アルアクサの洪水」と名付けられているとのことだが、特に境界から1キロ弱しか離れていないスデロットという街が標的にされたようだ。逃げ惑うイスラエルの人々の映像は生々しかったが、実際にはかなり多くの兵士が捕虜になっただけでなく、民間人の多くも拘束されたようだ。またイスラエル兵の遺体もガザ地区に運び込まれたという。民間人の拉致というのはいうまでもなく国際法違反である。シベリア抑留のようなものである。

世界的にみると、アメリカの支援するウクライナとロシアが戦争をしていてそれが膠着状態だということがあり、ロシアもアメリカも威信を低下させているということ。バイデン大統領はすぐにイスラエル支持を明確にしたが、事態の収束には至っていない。ハマスの背後にはイランがいることが確かだが、同じくイランをバックにしたヒズボラも不穏な動きを見せているという。

今回はハマス側の乱行が目立っているが、これはロシアがウクライナでやっている蛮行に影響されている可能性もあるのではないかと思う。ただ元々ガザ地区とイスラエルとは暴力の応酬をしているので、タガが外れるとこういうことになってしまうということも強いのだろう。

ハマスの兵士たちは国境を越えた第一陣はモーターハングライダーを使ったということで、これはもちろん計画的な行動だろう。それがイスラエル側に進出し、境界付近の警備を殲滅して境界を破壊した、ということなのだろうか。

ハマスの首脳陣がひざまづいてお祈りをする動画を見たが、彼らはアラファトやサウジの王族のように民族衣装を着てなくて、皆スーツを着たおじさんたちであり、もちろん宗教にはこだわりはあるだろうが民族文化にそこまでこだわりはないということなのかと思った。

昨日の時点ではイスラエルがハマスに対して軍事行動に出たというところまではみたが、ハマスが一体どういう成算があってこのような暴挙に出たのかということについては全然わからないでいたのだが、今朝になって「直立猿人」さんの連続ツイートを読み、かなり納得した部分があった。

「直立猿人」さんによると、ユダヤ教の文化として人質に取られた人は必ずどんなことがあっても取り返し、また遺体であっても必ず交渉して取り戻す、という文化があるのだという。

つまり、ロシアがウクライナでやっているような、ロシア兵がいようといまいと躊躇なくミサイルを撃ち込む、みたいなことはイスラエルにはできないのだそうだ。一人のイスラエル人兵士と引き換えに1000人以上のパレスチナ人を引き渡したり、一人の遺体と引き換えに数百人のパレスチナ人を解放したりした例があるのだという。

今までハマスはそういう戦い方をしてこなかったが、今回は民間人を含め多くのイスラエル人を連れ去り、それに熱狂したガザ市民たちは捕虜たちに暴行を加えたりして慌てた兵士たちに止められたりしているが、兵士の側としたら大事な人質なのでそんなに傷つけるわけにはいかないということのようだ。

今までガザ地区から地上部隊が出ていくことはなかったからそんなことも起こらなかったのだが、今回はかなり新しい戦法に基づいてハマス側が緒戦のの主導権を握っていることは間違い無いだろう。こうしたことはもちろん全て国際法違反だが、実際にはイスラエル側もそうした行為をガザのパレスチナ人に対してやっており、国際司法裁判所等がイスラエルに入国することは拒否しているのだという。

ドイツなどでは移民の子供たちが喜んで走り回る映像があったが、どこかで見たと思ったら911の時である。また厳しい分断が始まるということなのだろう。

今朝7時のニュースをNHKで聞いていたら、ネタニヤフが国民に団結を訴える一方で「長い戦いになる」と言っていて、シンプルに軍事力だけなら一捻りだろうと思っていたので意外な感じがしたが、どうもそうした事情があるかららしいと後で知った。

敵対する国の国民を拉致して交渉材料にするというのは北朝鮮が日本に対してやったことでもあり、日本も他人事と言えない部分がある。イスラエル側の「弱点」を突いたハマスの攻撃は酷いものではあるが、そこをこれまでイスラエルが警戒してこなかったのもある種の油断だったとは言えるのだろう。

これらの状況から見て今回の戦いはウクライナとロシアの戦いに比べてもなお近代戦とは言えないような性格があり、国際法を守った方が善、攻撃された側が善、と言い切るには過程が複雑すぎる。

元々イスラエルは他国がなんと言おうと他国でナチスの戦犯を捕まえたり(もちろん国際法違反)パレスチナに制裁を加えたりヒズボラに空爆をおこなったりしてきていて、アメリカはそれを黙認し支持してきた経緯があるから、イスラエルがやられた側になったからと言って即座に国際法だけで当否を判断するのは難しい。特にハマスはイスラエルの存在さえ否定しているわけだから、お互い不倶戴天の敵である。パレスチナに入植したユダヤ人が多くのパレスチナ人を追い出して建国したという過程は常に蒸し返されるわけで、パレスチナでも主流派のファタハはそれを受け入れたがそうでないグループは今でもあるわけである。イスラエルとしても自国の存立の基盤そのものに関わるから、ハマス攻撃の手は緩めない。

今回の事態が第五次中東戦争となるのかどうかはまだ予断は許さないが、周りの国や諸勢力の動きによってはもっと深刻化する恐れもあり、様子を見ていかないといけないだろうと思う。

今朝は起きた後地元の新聞の一面の記事の見出しをノートにとっていて、さまざまな町おこし企画が行われていることを改めて知って、みんな頑張ってるんだなあと少し力強く思った。自分もいろいろめげそうになることも多いが、自分を鼓舞しつつ頑張っていきたいと思う。6時過ぎに車で隣町まで行ってガソリンを入れ、パンを買って帰ってきた。秋になったばかりであるが、いろいろと季節の動きを感じる。

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