9月の始まり/「平治の乱の謎を解く」:息子と争ってやる気を出した「日本一の大天狗」後白河上皇
Posted at 23/09/01 PermaLink» Tweet
9月1日(金)晴れ
暑かった8月も終わった。今朝の当地の今のところの最低気温は20.4度だが、もう少し下がるかもしれない。ただ、予想最高気温は32度。昼間はまだ暑くなりそうだ。しかし季節は確実に移ろっていて、5時過ぎなのにまだあまり明るくない。秋は確実にきている。虫の声や鳥の声。空気が少し澄み出したのも感じる。
昨日は月末で、午前中は銀行周り。先に記帳だけしておこうと他の用事のついでにメインの銀行へ行ったらATMが大行列になっていたので諦めて、一度家に帰ってから出直した。郵便局も他の銀行も結構混んでいて、やはり月末は違うなと思う。車も多い。三菱UFJ銀行の口座にお金を入れる必要があったのだが、イオン銀行なら手数料無料なのだがイオンはインターチェンジの近くなので結構遠く、どうしようと考えてそういえばセブン銀行月末とかに手数料が安くなる日があったなと思って確かめたら25日と月末は無料になることがわかったので、近くのセブンイレブンで入金を済ませた。ほっとしたのも束の間、自分の財布にお金が足りないことに気づき、もう一度メイン銀行に行くことになったが、イオンまで行くよりはマシだったなと思っていいことにした。
昨日は桃崎有一郎「平治の乱の謎を解く」をだいぶ読み進めた。288/347ページ。第14章「孤立する二条の死と平清盛の覇権」。平治の乱の本質が二条天皇と父の後白河上皇の権力争いにあり、保元の乱後後白河親政・院政で辣腕を振るった儒者出身の(藤原)信西を二条天皇が排除しようとし、それに不満を持った後白河寵臣の藤原信頼と、天皇の命に素直に従う源義朝を利用して三条殿を破壊、院政を終わらせる信西排除のクーデタを行ったが、二条親政派の計画が行き当たりばったりだったので三条公教ら元の院政派に主導権を取られ、二条天皇も平清盛の主導のもと大内裏を出て信頼と義朝に上皇連れ去りの罪を被せて排除したが、その後も二条天皇と後白河法皇の軋轢は続いたと。
その背後には鳥羽院に寵愛された美福門院がいて、美福門院は自分の娘を二条天皇の后にし、自分の家系が帝位を次ぐことを求めたが、二条天皇は父も義母も排除し10代のわがままを貫いたが、六条天皇誕生後に崩御して後白河院政が復活することになった、という展開だと整理した。
結果的に平清盛が主導権を握る、というか清盛が味方をする方が勝利をする、という構図ができて清盛は異例の出世を続けることになるが、これは清盛が自ら求めたものというよりは「清盛を利用しようとした勢力」がどんどん清盛を厚遇したから、みたいなところが面白いなと思った。
それにしてもこの時代は権力者は誰も彼も贔屓の引き倒しみたいなことをやっていて、清盛が執念深く源氏を排除しようとした頃が平家滅亡の原因みたいに言われることがあったけど、むしろ上皇や天皇の贔屓による厚遇や裏切りに対する怒りの爆発、また寵臣を殺されたことによる恨みの爆発みたいなことで人事が動かされる中にあって、三条公教みたいに粛々と政務を続けるために動いたら政変につながりましたとか信西も基本的には辣腕すぎることは言えてもそういう実務重視の人で、いろいろなタイプの人間模様が政治や歴史を織りなしていくのは面白いなとは思うのだが、やはりこの時代の人たちには何か欠けてるものがあるよなという気はした。ある種の公正的な感覚とでも言えばいいか。
平清盛をはじめ多くの人々が二条親政よりも後白河院政を心情的に支持したというのは儒教の「孝」の概念からくる、というのは平家物語などでもそういう儒教倫理が語られていることからもそうなのだろうなとは思った。あと面白かったのは、元々全然政治とかやる気を見せず信西に任せきりだった後白河上皇が、信西を失い二条親政もうまくいかないのを見てだんだんやる気を見せて庶民と交流しようとしたらそれを排除されたのを怒って「日本国第一の大天狗」に成り上がっていく感じが面白かった。息子と争ってやる気を出した、というタイプは日本史に他にいたかなと思った。
今日は母を病院に連れていくのでこのくらいにしておくが、自分がどういう流れにあるのかを感じて、それを良い方向に繋げていきたいと思う。
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