「核抑止」と「自衛隊が米軍より優れている点」
Posted at 23/08/20 PermaLink» Tweet
8月20日(日)曇り
なんだかんだやっているうちにすぐ時間が経ってしまう。昨日はつい「OnePiece」の解釈勢のブログを読んだのがまずかった。この長大なマンガを最初から読み直し始めたら時間はいくらあっても足りない。最近のペースとは初期の話の進め方は違うので、そこがまず新鮮に感じてしまう。そしてごく初期から今解決しているような伏線が貼られていることに驚いてしまう。この物語の壮大さには改めて恐れ入る。
「日本人が知っておくべき自衛隊と国防のこと」。3章5節の核抑止のあたりを読んでいる。
核戦争についての戦略は三つのレベルが考えられると。まずはアメリカの核による「核の傘による抑止」。これはもちろん現状ずっと続いているわけだが、これはいつ均衡が破れるかわからないわけで、第二段階としては実際にミサイルが発射されてしまった場合の防衛が問題になるわけで、これはミサイル防衛ということにやる。この配備もある程度は進んでいるが、実際に中露北朝鮮の核ミサイルがどれだけあるかわからないし、全部を打ち落とせないとしたら、実際に飛来した核兵器に対してどう対処するかということになる。
日本は核を保有していないからアメリカの核に頼るわけだが、アメリカが自らを防衛するだけなら、信頼性が5%あれば抑止はできると。つまり20分の1の確率で相手に攻撃されるならやめとこうと思うだろうけれども、同盟国に安心感を与えるためには95%の信頼性が必要だと。
つまり、アメリカは自国の意思で核兵器を使用できるから余裕があるが、同盟国はアメリカを信用するためには95%の信頼感がなければ安心させられないということで、まあそれはそうだろうと思う。日本国内にも「アメリカはいざというときは日本を見捨てる」という主張をする人たちもいるわけで、彼らを説得するには少なくと95%の信頼感が必要だというわけである。実際には、99.99%の信頼感でも文句を言う奴がいるのは分かりきっているとは思うけれども。
そしてもし実際角が飛来した場合については日本人はよく知っているわけで、地獄絵図が展開することになるからそれが起こらないようにしなければならないわけだが、そうした事態になった場合に自衛隊が対処することになるけれども、それらの経験は実は日本が一番進んでいると言うのはなるほどと思った。
つまり、ABC(NBC)兵器と言われる核の放射能汚染に対しては福島の経験があり、化学兵器についてはサリンの経験があり、生物兵器については似た状況であるダイヤモンドプリンセスの経験があると言うわけである。福島の時はアメリカ海兵隊のNBC対処部隊が来てくれたが、装備は日本の方が充実していたのだという。NBC事態に対する対処能力については、自衛隊が世界的にもずば抜けて高いのだという。
まあ日本では実際に不幸なことにこうした事件が起こっているからと言うことでそれについては自慢できることではないのだが、実際にはアメリカより優れた能力を持っていると言うことはなるほどと思った。
もちろん対処能力が優れているからといって市街地に落下した核爆弾の被害を無くすことはできないからそれ以前の事態がより優先的な問題なのだけど、一つだけでも米軍より優れているところがあると言うのはまあこれから頑張って欲しいとは思った。自然災害への対処などでも相当な能力を持っていることも、有事の際にはおそらく役に立つだろうなとは思う。
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