夕立と雷のさまざまな影響/「ブルーピリオド」村井の真田に対する「大きな感情」と、「画商というもの」がどう描かれるか
Posted at 23/07/26 PermaLink» Tweet
7月26日(水)晴れ
昨日は10時過ぎに仕事から帰ったが、帰った後で夕立が来て雷も鳴っていたようだ。衛星放送の電波が乱れてみられなかったのはしばらくしたら治ったのだが、電気がしばらくおかしかったのはあれっと思った。LEDだと思うのだが、雨が止んだら大体治っていた。
昨日は少し温度が下がったかなと思い、ここのところ寝苦しくて寝られなかった2階の部屋で寝てみたのだが、少し汗はかいてしまった。この季節はなかなか快眠を確保するのは大変だ。12時過ぎに休んで4時過ぎに起きた。
入浴する前にやることをなるべくやってしまおうと車で出かけようとしたら、窓が開いていることに気づいた。やべえと思って確かめたら、シートはそんなに濡れてなかったので良かったが、ドアのポケットになってる部分に水が溜まっている。ああやってしまったと思いながらタオルとティッシュで始末をしたり。ここ二、三日ある程度自分の思っている通りに物事を進められていたのが妙な形で税金を払うことになったなと思った。
それらを済ませてから出かけてセブンイレブンに行き、マガジンを買って帰る。昨日買ったビッグガンガンと「スーパーの裏でヤニ吸う二人」の3巻もまだ読んでない。昨日は時間がある時は「天国大魔境」を読み返していて、3巻まで読んだ。なんとなく読んでいるだけだとキーになる名前などを見落としてしまう。そして読み返してみると思ったよりエグい絵が多いことに気がついた。そういう意味で少し古風な作品だなと思う。
作業場に帰ってきてブログを書こうと机の前に座ったら外で草刈り機で草を刈る音がして、どうも気になるので音楽をかけようとミニコンボのスイッチを入れたら入らない。電源を確認し何度試してもダメで、よくわからないがこれも昨日の雷の影響なのだろうか。しばらくiPhoneで音楽を聴いていたがどうも気になってしまい、仕方ないので車で場所を移動して別の場所で書こうとして天気を確認しようとiPhoneを見ようとしたら、作業場に忘れてきたことに気がついて歩いて取りに行った。
何か集中して物事をやろうとするとこういうことが起こる現象は何か名前があるのか、という気がしたが、こういう時というのは何もかもが自分のやることを邪魔しにきているような気がしてしまう。こうやってとりあえずあったことを書いてみたりすると、なんというか「書こうとしたこと」を書くためには「準備が不足している」という状態であるなということを認識して、つまりは準備不足の状態でノリだけで書こうとしていろいろつまづいているうちにこういうことになった、という認識に至った。
長いフィクションを書いている時などは前の日に書いたことを読み返してその時のイメージや方向性を思い出し、その続きに取り掛かるということになるけれども、今朝書こうと思ったのは本を読んでのことで、まだそれが十分に読めてない部分だからまず読むことからやらないといけなかったのだが、読むよりも書くことをしたいテンションだったのでとにかくまず書き出してから方向を決めよう、という感じだったのだなと思う。
これはこのやり方がうまくいくこともあるのだけど、要は自分のテンションを維持することにこだわりすぎたということだろう。テンションを維持するのは大事なのだが、自分の状態とアンバランスなこともある。昨日読んだのは「天国大魔境」と「ブルーピリオド」だけなのだが、思いつくのはむしろ「ブルーピリオド」のことが多い感じで、村井の自分の豊かな感情がそれゆえにもたらした真田への執着というか、作家としての凄さとか人間としての凄さとかその真田が自分を評価してくれる嬉しさとか彼女との出会いによって村井にもたらされた人生の場面の転回とか、そういうものがごっちゃになった感情が村井をどうしようもなく縛り付けていて、「真田の葬式をしなきゃな」という自分の中でのキリの付け方に向かい合うことになるわけだが、仲の悪い画商の蟹江が登場してまた一悶着ありそう、という感じはする。
「ブルーピリオド」の主人公は矢口八虎な訳だけど、彼が出会う美術に関する様々な人たちの、それぞれを掘り下げていくある種の「アートをめぐる群像劇」でもあるわけで、高校の美術教師・予備校の教師・大学の教師・藝大のクラスメートたち・ライバル・さまざまな視点の「作家」と「作家の卵」たち、アート界の権威・アート界の反逆児・藝大の面倒見のいい助手・現代美術の先駆者たち・古典的な画家・そのほかさまざまな人たちが八虎にもたらした影響が描かれていく。
広島編は、八虎の直接の経験だけでなく、村井やはっちゃん・ももちゃんの三人に大きな影響を与えた真田まち子という不在のキャラクターの大きな影響が描かれているわけなのだけど、そういう意味で言えばこの蟹江という画商も単なる敵役ではなくて、「画商というもの」を描こうとしているのではないかという気がしてきた。
「ブルーピリオド」の単行本はカバーを取った本体の表紙に4コマ漫画が裏表合わせて四本載せられているのだが、その一つが蟹江の日常だったので、ああ、この人は悪役としてのみ描かれてるわけじゃないんだな、と思い当たったわけである。
まあそういう先入観を持つほど強烈な、ある種差別的な言葉を吐く人であるわけだけど、大体画商というのは悪く描かれることが多いのは、やはり他人の「才能」「作品」をお金に変える商売というある種本質的なえぐさがあるからで、最近はそうでもないけどマンガの編集者が大体漫画では悪役になるというのとある種似た構造ではある。
「金と銀」に出てきた画商も金の亡者だし、「ギャラリーフェイク」は贋作を扱う画商自体が主人公という特異な作品だが、まあこれは主人公ということもあって彼なりの正義感やアート感も示されてはいる。
自分も友人の画家の絵などを買ったりもするので画商という職業には興味があって、画商の書いた本などは何冊か持っているから、彼らも彼らなりにエグいばかりではないことは分かってはいるけれども、まあ悪役に描かれがちなのは仕方ないよなと思う面もある。
だから「ブルーピリオド」でこれから蟹江がどのように描かれるのかは、ちょっと興味深いと思っていて、その辺先を楽しみにしているわけである。
というわけで今日は書こうと思ったことがまだ書けてないのだが、準備不足ではあるのでまた改めて書きたいと思う。「正しさの商人」と「天国大魔境」についてである。
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