【推しの子】のヒロインレースを考えることで読み解けるもの/現代の天才マンガ家たち:物語制作と「神」作画

Posted at 23/07/07

7月7日(金)晴れ

今日は新暦では七夕(たなばた、しちせき)の節句。二十四節気で小暑。暑中というのは今日から立秋までのほぼ一月をいう、という説と夏の土用の期間7月19日ごろから8月7日(立秋の前日)までという説があるようだ。まだ梅雨明け前で暑中見舞いというには早い感じがするが、お中元はもう届き始めているのでそろそろ夏だなという感じはする。

夏になると、昔は将来のことを考えることが多かったのだけど、今はお中元だとかお盆だとかの関係で、亡くなった人とか昔のことを思い出すことが多くなってきた気がする。ただ人は未来に向かって歩き続けなければいけないので、それはそれとして自分のことも考えていかないといけないなと思う。

昨日は午前中松本に整体に出かけたが、朝職場の近くでトラブルがあったので少しバタバタした。とりあえずこちらに影響はほとんどなかったのだが。帰りは「パリピ孔明」14巻と昼食の買い物をして帰った。

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昨日はどうも【推しの子】の122話・123話のインパクトが強くてずっとその辺りのことを考えたり読んだりしていたのだけど、この作品もおそらくはかなりまとめの段階に入っていて、ただ前半は面白いだけで読んでいたのが、2.5次元舞台編が終わった頃、今見たら8巻まではほとんど覚えているのだけど、9巻以降は鬱展開っぽいところが多くてあまり読み返していなくて、ストーリーをもう一度考えるためにはこの辺も読み返す必要があるなと思ったり。

この話は「ヒロインレース」の要素もあり、読者もアクアとひっつくのが「有馬かな」になるのかそれとも「黒川あかね」になるのか、それとも穴馬で・・・みたいな話題でジャンププラスのタイムラインを賑わしているのだけれども、アクアとルビーがお互いの前世を知ったことで「星野ルビー」が双子の妹ながら一躍本命に!?みたいな話題が賑わっている。心はそれぞれ別人だけど身体は双子という関係が「アリ」なのか、などとああでもないこうでもないという話題である。【推しの子】は日常回も多いが、実際には「アイドルが秘密裏に双子を出産」とか「それを知ったファンが逆上してアイドルを殺害」とか「アイドルの子供が「真犯人は父親」とみて復讐を決意」とか「リアリティショーでうまく演じられなかった女優が炎上して自殺未遂」とか考えてみたらエグいネタは満載なので、何が起こるのかはもともとわからない、というか何が起こってもおかしくないストーリーではあるので、こういうネタでもどう転ぶかわからない不穏さがある。

そしてそれらのヒロインたちの性格が良く書けていて、「かなルート」だった場合はこういう感じになるか、「あかねルート」ならこう、ルビールートはあり得るのか、まさかの「MEMルート」は?みたいないろいろな「考察」もできるし、それぞれ女性たちの「本質」を考えることでよりこのストーリーの表現したい深みに到達できる感じもあって、原作者の赤坂アカさんとそれを表現する作画の横槍メンゴさんの力量というものを改めて感じさせられる。

赤坂さんは「かぐや様は告らせたい」に続いて「【推しの子】」が原作担当とはいえ同時週刊連載で始まった時は驚いたが、やはり天才だ、というか「物語制作の方法」を持っている感じがし、その辺は「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」「逃げ上手の若君」の松井優征さんや、「Dr.Stone」「トリリオンゲーム」の稲垣理一郎さんと同じく「現代の天才」という感じがする。

彼らは手塚治虫や石森章太郎、赤塚不二夫、藤子不二雄といった草創期の少年マンガの人たち、また24年組の女流作家たち、80年代ニューウェーブの作家たち、90年代ジャンプ黄金期の作家たち、といった人たちに比べ、多分に理系的である種メカニカルな物語制作思想を持っている感じがする。2010ー20年代は私は日本のマンガ史上でも黄金期の一つだと思っているのだけど、確実に新しい時代は躍動しているなと思う。

作画の横槍メンゴさんもエロ可愛い女子を描くのは定評があったが、この作品でさらに広く深い表現に達しているように思うし、今月にはイラスト集も発売されるので楽しみだ。マンガ家のイラスト集というのはそんなに買わないのだけど、一枚絵を見たいタイプのマンガ家さんというのはいる。私にとっては1人は弐瓶勉さん、それから「ボールルームへようこそ」の竹内友さんは原画展にも行った。ジャンプ+ではその絵でTシャツも作れるのだが、【推しの子】のアクアとルビーが踊っている絵のTシャツは作った。この方面でも才能を開花している人は多いなと思う。

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「ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか」はほとんど読めてないので、今日はこのくらいで。


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by Luke Peterson

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