「2.5次元の誘惑(リリサ)」:尊敬とか信頼とか覚悟とか恋愛とかフツーの恋とか

Posted at 23/06/16

6月16日(金)曇り時々晴れ

昨日は午前中は細々した仕事をして図書館に本を返しに行ったり仕事場の買い物をしたり。今朝は4時に目が覚めたがいろいろやっているとすぐ時間が経つ。今朝は母を病院に連れていく日なのでそんなに時間がない。車の中で「アイドル」の最初のラップ部分を復習したり。

「無敵の笑顔で荒らすメディア
 知りたいその秘密ミステリアス
抜けてるとこさえ彼女のエリア
    完璧で嘘つきなきみは」

なんだかんだ言ってちゃんと韻を踏んでいるのだが、英語だとそうはならないことが気に入らない人がいるのだなとは思う。

***

「2.5次元の誘惑(リリサ)」の展開についていろいろ考えたり。ROM作成編も大詰めになって、次々に神回が繰り返されているわけだけど、結局大事なことは奥村とリリサがお互いのことを心の底でどう思っているのか、が大事なのではないかという気がしてきた。

奥村のことを好きな人は現在漫研内部にはみかり、リリサ、アリア、まり姉と4人いるわけだが、まり姉がどう思っているかは割と謎(まあ、一度ひどい目に合わせた奥村からは一歩引いてはいるけれども、もしまだ自分のことが好きならまた告白して、という秘めた想い、ということになるか)なのだけど、14巻107話のアリアの言葉に従えばみかりは「本気の恋」アリアは「なんかあいつのこと気になるなってフツーの恋」であり、リリサは「信頼とか尊敬とか素敵な気持ち」ということになり、この辺がキーワードだなといつも思う。

では奥村はリリサに対してどう思っているかというと、8巻63話のコミケの場面での「俺のリリエルはリリサだけだ!」と叫んでいることから、「自分が大好きなリリエルを地上に降臨させることができるのはリリさだけだ」という盤石の信頼感がある、ということなのだと思う。そういうリリサを尊敬もしているし、彼女の夢を実現させたいと思っている。

リリサの方も「ただコスプレをしているだけの自分」を尊敬し信頼し心の底から「すごい」と言ってくれる奥村を慕っているわけで、もちろん恋心もあるけれども、それは尊敬と信頼に裏打ちされた恋心、なのだろうと思う。

139話現在でリリサが、また奥村が苦しんでいるのは奥村が閉ざされていた三次元女子への感情が解放されつつあることに対する喜びや祝福の気持ちの一方で、その時に選ばれるのが自分ではないのではないか、という不安がある。また奥村の側もみかりへの気持ちに気づき始めていることをどこかでリリサのリリエルを撮影する上で罪悪感を感じている、ということなのだろう。

今まではそれぞれがどこかで気づいていながら気付かないふりをして三者三様の関係を続けてきたけれども、奥村とリリサによる作品として「究極のROM」を作る過程で、それを誤魔化していたら自分たちの納得する作品が作れない、ということに気づいてしまった。だから今は、ここでそちらの方に、「アーティスト=製作者」の側に「飛ぶ」か、アマチュアとして楽しみ続けるためにそれを諦めて「今までのところ」に「とどまる」か、の究極の選択を迫られている、ということになるわけだ。

ただ、一度気づいてしまった以上止まってはいられない、ということもあり、期待と不安によって不安定になってしまっている。

3人の中で、今の時点で一番強いのは美花莉だろう。心が閉ざされた奥村に10年のあいだ恋し続けたのは伊達ではないわけで、少しでも奥村が幸せになってくれればいい、その時に自分がそこにいられれば最高に幸せだけれども、そうでなくても奥村が幸せになってくれればいい、というところにある意味開き直れている。そしてそういう美花莉に対し、奥村も無意識に強い信頼感を持っているからこそ、「クリスマスの夜に泊めてもらう(何もしない)」とか「才能を全発揮して美花莉の最高の写真を撮る」ことができているのだろう。

もちろん自分が選ばれなかった時にとても悲しいしその可能性は強いと美花莉は覚悟していて、その覚悟が美しいのだけれども、リリサはそこまで割り切れていない。自分が選ばれなかった時に自分が奥村とコスプレを続けていけるのか、という気持ちにどうしてもなっているということなのだろう。

だから大事なことは、「たとえ自分が(恋人として)選ばれなくても自分のため奥村のため見てくれる人のためにリリエルであり続けられるか」という問いかけにどう答えるか、ということなのだろうと思う。

この問いかけは思考実験ではあるわけで、実際に奥村が「選ぶ」瞬間が来る必要はない。奥村は「リリサだけが自分の究極のリリエルなんだ」という気持ちで撮ればいいわけだし、リリサは「リリエルになって自分のリリエルへの愛を伝えたい」という気持ちでリリエルになればいいわけで、最初と何も変わらないと言えば変わらない。

まあ、作中の恋愛心理についてこんなに考えることはあまりないのでアレなのだが、やはり恋愛以前に彼らは信頼と尊敬で結ばれているのだし、オタクという共通趣味もあり仲が良いのは確かなので、お互いが作品作りに向かってベストを尽くせば良い、ということになるのだろうと思う。恋愛のことはそのあとで良い、ということなのだと思う。

とまあ、自分でそんなことを考えたのだけど、まあ作者さんがどのような展開を考えているのかがわかるわけではないので、そんな感じにまとめておきたい。

ここまで考えてみると自分も恋愛小説とか書いてみたいなとか思ってくるのだが、まあそんな余裕ができたらやってみても面白いかなとは思った。

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by Luke Peterson

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