【推しの子】アニメ6話を見て本誌118話を読んだ:「炎上」が結ぶアクアとあかね/「問題を抱えた親」「毒親」の多さと「親ガチャ」
Posted at 23/05/19 PermaLink» Tweet
5月19日(金)雨時々曇り
昨日の午前中は他の仕事が押してブログを書くのが遅くなり、あとはノートを買いに行ったり裏庭の草むしりをしたり。少し余裕があったので畑の草刈りなども少しだけした。
新しいものを読む余裕はあまりなかったのだが、昼ごはんの時に「推しの子」のアニメ第6回を見た。黒川あかねが炎上する回だけど、原作を読んでるので展開を知っているから、と言ってもそれでもなかなかみるのがきつい展開で、最後に死を思いとどまらせるアクアの登場はやはり主人公ムーブなんだよなと思った。
以下、さまざまにネタバレがあるのでアニメ派の方はご了承ください。
初期のあかねに関してはこの炎上の場面と、それから新キャラを「演じる」ために「アイ」の情報を徹底的に収集・分析して「アイ」になっていく場面が見所、見せ所だろう。それだけ「アイ」を裸にできる人間はあかねしかいないので、好むと好まざるとに関わらずあかねは「アイとアクアの物語」に関わっていく。二人の距離を縮めたのが「炎上」だというのも、現代的でいいなと改めて思った。
アニメ第6回は原作では23話から25話だが、原作は昨日発売のヤンジャン掲載分が118話。映画「15年の嘘」がクランクインする前後のエピソードだが、いろいろ情報てんこ盛りの回だった。
以下、本誌の内容のネタバレに触れるので、単行本派の方はご了承ください。
アクアの間に現れた不思議な子供は、ルビーの前にも現れて復讐の背中を押した存在である。この子が誰なのかはよくわからないが、「神のようなもの」だろうという印象はある。そこで告げられる衝撃の真実が、物語の展開にどのように波紋を広げられるのか。
そしてルビーがアイの役を演じるのに、ネックになるのがアイとアイを見捨てた母親との関係であることが示され、そしてラストに出てくるのがルビーの前世であるさりなの母親らしき人物、という衝撃度。
これはおそらくはルビーが役作りをする上で大きなポイントになるのだろうと思う。そして物語にどのような影響を与えるのか。
これは昨日読んでいて改めて気づいたことだけど、この作品に出てくる「親」というものはほとんど「問題がある」。あるいは「毒親」と言ってもいい存在である人が多い。まともな親と考えられるのはあかねの母親だけだろう。これもアニメ派の人にはネタバレになるが、有馬かなの母親もステージママで売れなくなると娘を見放すし、アイの母親も施設に入れられたアイを迎えに来なかった。アイ自身はアクアとルビーの母親を一生懸命やっていたけどそれは子供達の存在を隠し切るのが前提だったし、アクアの前世であるゴローはその母が周りに内緒で妊娠し、出産時に死んだために父親がわからない。アクアとルビーの異母兄弟であることがわかった姫川も両親が何らかの理由で火事で焼け死んでいるし、姫川の本当の父親でありアイに双子を産ませたカミキヒカルに至ってはほとんどサイコパス殺人者のようである。
「15年の嘘」は、物語の展開としてはアクアがカミキに復讐するための作品、という位置付けになっているけれども、ここまで見てくるとそんな単純なものでもなさそうだし、またルビーのアイの演技次第で作品自体の表現されるものが全く変わりそうだというスリリングさがあかね・ルビー・フリルの「個人間オーディション」で示された。
だからここで今際の際に両親が立ち会わず、ゴローだけに見守られて亡くなったさりなの母親が出てくるというのは、ものすごく大きなポイントであることは間違いない、と思う。
しかし一方でまた、第1話でさりなが言っているように、この物語は「もし芸能人の子供に生まれていたらって考えた事はない?容姿やコネクションを生まれた時から持ち合わせていたらって」という物語でもある。「完璧で究極のアイドル・アイ」の子供として生まれ変わったからこその物語でもある。
そして、ルビーとアクアが「問題なく」育っているのは、芸能プロの失踪した社長の妻・ミヤコの存在が大きい。親代わりになってくれた彼女の存在が物語の大きな救いになっていることもそうだろうと思う。
そういう意味では、これは最近話題になっている「親ガチャ」の話でもある。また、周りの人たちによってはそれを超えられるかもしれないということかも、とも思えてくる。
アニメも好調で走っているようだが、原作の方も作者さんたちの仕掛けがどんどん組み上がっていってどんなものを見せてくれるのか、どんどん楽しみになってきている。
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