日本とアフリカとの関係:「誠実な開発のパートナー」であると共に「自由で開かれたインド太平洋」への参画を促すこと/岸田首相が訪問するモザンビークと日本の織田信長以来の関係
Posted at 23/04/30 PermaLink» Tweet
4月30日(日)大雨
夜半からかなり強く雨が降っている。昨日は疲れていて早く寝てしまったので起きたらまだ2時半ごろだったのだが、その頃から強く雨が降ったり少しこやみになったりしている。起きてからは録画機の残容量を見たら容量不足で今週の予定で録画できないものがいくつかあったから、必要ないものは消去したり必要なものはBDにダビングしたりしようと思って「コズミックフロント」の番組内容を調べていたのだが、全部で20枚ほど焼いてあるBDのうち2枚が行方不明になっているとか、あれあれと思うことがいくつか出てきた。過去番組を調べたら録画機には再放送がいくつか録画されていてそれを消去したら残量不足が解消したのでそれはそれで良かったのだが。一体どこにやったのかちょっと見当がつかない。探しようがないので心の隅に一応止めておいて思いついたら探してみようと思う。
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最近はアフリカのことについてずっと読んでいて、スーダンでのクーデタと邦人対比、時を同じくしての岸田首相の四ヶ国(エジプト、ガーナ、ケニヤ、モザンビーク)訪問と、「時代はアフリカだ」と感じさせるものがあり、今この辺りについて勉強する意味はかなりあるなと改めて思った。
しかし、もともとなぜそう思ったのかを考えてみると、今取り組んでいる保守思想の確立みたいなことについて考える上で、その対抗するものとして意識されるのは現況の西欧リベラリズム(フェミニズム・トランスジェンダリズム・ボーダレス化・環境主義など)の危険性と、中国やロシアなどの権威主義という「全問の虎・後門の狼」がいるということがある。ロシアの権威主義の背後には欧米における白人右翼思想の強まりという問題もあり、こうした諸勢力と対抗する上で日本はどうしていったらいいのかと考える中で、健全な保守思想こそが日本の将来を切り開くと考えるからだというのがある。
だから日本の将来を切り開くためには保守思想が必要なのだが、それは日本一国においてだけでなく世界的にもデカルト的設計主義思想の問題というのがある。
アフリカは世界でも多くん問題を抱えている地域の一つだが、地域や国の将来の方向性が描けていない面が強く、それは西欧主導のリベラリズムへの反発が特に強いからということはある。西欧の設計主義の問題は西欧の保守派によっても古くから指摘されているが、日本においてもその問題は大きい。
その中でロシアや中国などの権威主義国がアフリカ諸国に接近し影響力を強めているわけだけど、それは彼らは西欧のように「うるさいことを言わない」ということが大きいだろう。
アフリカ社会というのは勉強すればするほど一筋縄ではいかない社会で、浅薄なリベラリズム的理想を振り回せばそれで解決するというようなものではない。
欧米や中露に比べれば圧倒的に小規模ではあるが、日本の援助は比較的受け入れられてきたと思う。それは日本が「誠実な開発のパートナー」として振る舞ってきた体、というのは大きだろうと思う。
https://digital.asahi.com/articles/ASR4X7FDGR4XULFA00Y.html?pn=11&unlock=1#continuehere
私は、これは大事なことだと思う。JETROの人のインタビューを読むとこれからは理念を主張する外交へ一歩踏み出すべき、と言っているのだけど、アフリカについての知見の積み重ねが、特に開発関係以外について日本においてはまだ十分ではないし、またその知見の普及も心許ない。
外務省の担当でも中東アフリカ局と一括される中で北アフリカは中東第一課に、サハラ以南はアフリカ部をおいてチャド・コンゴ以西をアフリカ第1課が、それより東と南をアフリカ第2課が担当するという形になっている。今回のスーダンに関してはジプチとともに第2課の担当ということになるが、岸田首相が訪問する隣国エジプトは中東第一課の担当ということになる。ガーナはアフリカ第1課、ケニヤとモザンビークはアフリカ第2課ということになる。そういう意味では今回の外遊は中東アフリカ局総出ということになるし、帰りにシンガポールも訪問するからアジア大洋州局南部アジア部南東アジア第2課も関わることになるが。
日本が主催する「アフリカ開発に関する東京国際会議」が日本のアフリカ外交の軸であるようだが、2019年の第7回会合は54カ国中53カ国が参加し42カ国は首脳級が参加するなど一定の存在感を示したとしているが、これは安倍外交の成果と言えるだろう。岸田内閣時代になっての第8回会合ではチュニジアで行われて48カ国が参加、首脳級は20名で岸田首相自体もオンライン参加という感じになっているが、まだ阿部さんほどの信頼感は得られていないということなのだろうと思う。
理念において、ということの意味はいろいろ考えられるが、安倍外交の延長線上で考えれば「自由で開かれたインド太平洋」の「インド」を「南アジア」と捉えるのではなく「環インド洋」と捉え、そのリングの一つとしてアフリカがある、ということになるかもしれない。まだ遠い地域という認識はあまり変わらないとは思うが、アフリカも日本と同じような問題を持っているところもあるから、関係を深めて行くことで両者ともに向上し、中露、あるいは場合によっては欧米の圧力と共闘できる関係も築いていけると良いだろうなと思う。
華人国家であるシンガポールはともかくインドネシアやマレーシアは東アフリカと古くから人の流れがあるので、そういう意味ではアジアとアフリカはそんなに遠くない。
政策的に、安易な移民政策には私は強く反対だけれども、世界戦略を練るにはまず世界を知ることから始めなければならないのは確かで、アフリカについてもよく知っていかないといけないと思う。
***
岸田首相の訪問する四カ国のうち、エジプトはナセル、ガーナはエンクルマ(ンクルマ)、ケニヤはケニヤッタと第二次大戦後のアフリカ史において著名なリーダーシップを振るった人物がいて、それぞれアフリカにおけるリーダーシップを持っている国だというのはよくわかるのだが、モザンビークについてはよく知らなかったので少し調べてみた。
先ほどのJETROの人のインタビューによればモザンビークは沖合いで日本企業も参加してガス田開発が行われているということでまずその辺りが重要なのかと思ったが、調べてみるといろいろ面白いこともあった。
モザンビークは70年台にポルトガルから独立した国だが、独立後は内戦があり、現在の政権で安定したのが1992年。ポルトガル語が公用語だが周囲の国家が英語圏ということもあり、ジンバブエの安定に協力したということも認められて1995年にイギリス連邦に参加しているというのは驚いた。
また戦国時代に宣教師に連れられて日本に来て、織田信長の家臣になったことで知られている黒人の弥助はモザンビーク出身だったのだそうだ。
宗教はキリスト教が多く、イスラム教が2割、伝統宗教が2割。キリスト教ではカトリック、ペンテコステ派(アメリカ系?)、シオニスト教会(南アフリカ系?)があると。イスラム過激派の活動もあるようだ。住民はほとんどバントゥー系。ポルトガル系白人も少数いる。公用語はポルトガル語。
モザンビークはまだ貧しい国ではあるが、安定政権なので経済成長が続いているようだ。経済停滞が続く旧宗主国のポルトガルからの移住者が増えているというのもびっくりした。日本から旧植民地に移住するというのはあまり聞かないが、ブラジルの例もあり、ポルトガルと旧植民地ではある意味上下関係が逆転しているところもあるのかもしれない。
日本との関係でいえば政府開発援助は北部のナカラ港からマラウィ・ザンビアにあたる道路整備=ナカラ回廊プロジェクトというのが行われていたようだ。現状どの程度実現しているのかは調べられなかったが、岸田首相訪問関係のニュースを追っていけばその辺りもわかるのかもしれないと思った。
援助関係だとJETROやJICAが関係してくるし、資源関係だと商社が関係してきて、調べているとこちらが知っているよりその関係は深いのだということがわかるし、アフリカにおいては「ルワンダ中央銀行総裁日誌」の服部正也氏などの先駆者もいるので、より継続的な関係を築けていければいいなと思った。
とはいえこの本もまだ読んでいないので、せっかくアフリカに関心を持ったこともあり、早めに読んでおこうと思った。
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