韓国や日本が大国として振る舞えるようになるためには/アフリカ史:狩猟採集民や国家の歴史
Posted at 23/04/26 PermaLink» Tweet
4月26日(水)雨
昨日の午後から雨が降っている。時々強い風が吹いたり、雨が強くなったりしながら、大体降り続いているのだが、その中でも草が生い茂ってきて、木の花がきれいに咲いている。緑が雨にうるおされる季節になってきた。まだまだ私にとっては寒いのだけど。
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ふと思ったこと。Twitterにも書いたのだが。
韓国の今の大統領は、割と面白いと思うのだが、日本との和解みたいな路線に行くのは「恨」とか「日帝の植民地支配」とか「やられる側の論理、弱者メンタル」だけでは韓国のこれ以上の発展はない、と気づいているということじゃないかなという気がする。だからそのことに韓国人全般が気付けばもっと違う方向にいくのではないかという気がする。
ただ中国みたいに被害者ヅラもちゃんと兼ね備えながら強国・大国ムードを権威主義的に出していく路線になるとよりうざい方向にいってしまう。ロシアみたいに幻想的大国意識を振り回してる国が隣にいるから、中国は他山の石としているのだろうなとは思うが、狡猾な礼儀正しい振る舞いもそろそろ限界に来ていて、暴走の兆しも各所に見えているのが不気味だとは思う。
日本は実際には大国なのだと思うのだが、教育が悪いのであまりそういう意識になっていない。ただ、第二次世界大戦の贖罪意識だけは教育されてきたけど、そういう反省を強いられるのはある意味「大国の宿命」なのだと思う。
残念ながら超大国アメリカには勝てなかったわけで、国民の意識も小国に転落したわけだが、それでへいコラしているうちにかなり侮られてきた部分はあるけれども、安倍・岸田外交の方向性でだいぶ国際地位は向上しつつあるように思う。ただ、国民はいまだに小国意識で、贖罪意識に囚われすぎていると大国としての義務を果たせず周囲の国から不満が出ている部分はあるだろうと思う。
要は、戦前の軍事大国の時代も、戦後の経済大国の時代も、「大国としての振る舞い」「大国の国民としての自意識」みたいなものをどう持つべきか、つまりは「大国としての国家と国民が自分をどう律しどう行動するか」の倫理規範みたいなものがうまく作れなかったのが良くなかったのだと思う。
現実問題としては、大国だからといって国を完全にオープンにする必要もない。特に考えるべきは社会の安定なのだが、そのためには潜在的な不満が最も高まっている氷河期ロスジェネやそのジュニアをどう遇していくかが大きな問題だと思う。だから経済政策や成長政策もある意味社会政策でもあると捉えて、もっとそういう方向で考えたほうがいい。
しかし実際には、ハリボテの「軍事」大国を目指すかポリコレで国を滅ぼすかみたいな極端な方向に行きがちだ。それは、日本が大国としてどういう国家でありどういう国民意識を持つべきかというところがうまく築けていないということと同じ問題だろう。大事なのは「中身を充実させる=国民全体の活力を上げる」ことで、そういう方向がもっと出てきて欲しいなと思う。
田舎の道路網や交通機関だって無駄な投資だと思われがちだが、国土防衛・国防の観点からも考えるべきなんだと思う。そういうことをちゃんと考えられる政治家が出てきてくれるといいのだけどと思う。
「国際情勢がこうだからこうすべき」みたいなことはそれはそれで大事だろうけど、それよりも日本は何を大事にしてどういうふうに国内を充実させていくのかをもっと大事にしたほうがいいだろうと思う。
熊本に進出する世界トップの半導体メーカー・TSMCに志望者が集まらないというのは、工場や研究機関だけでなく人が集まる街を作ってないからということで、第2第3のつくばを作ってどうするという感じがする。小規模なニュータウンもセットで作ればいいのにと思うのだが。工場誘致をしてそれで終わりというのでは地方の充実につながらない。理工系中心でも仕方がないが、総合大学とかもその中に入れられると良いと思う。
***
アフリカ史の読書は、「岩波講座アフリカ諸地域」の寺嶋秀明「狩猟採集民の世界」を読みながら、川田順造「アフリカの歴史」(角川ソフィア文庫、2022)も読み始めた。日本のアフリカ史研究において、川田順造氏はかなり重要な人物だということがいろいろ読んできて理解したので、氏の著作も初期の段階で読んでおきたいと思ったからだ。一般向けにより大きな枠組みでの語り口で語られてるのが、専門論文臭が強い岩波講座に比べると雄渾な感じがする。
アフリカを一つのものと捉えるとともに、環地中海世界・環大西洋世界・環インド洋世界という三つの海を挟んだ他の世界との交流を描く、というビジョンもわくわくさせられる。私は西洋史(フランス史)専攻なので地中海が一番わかりやすく、大西洋も奴隷貿易という点ではフランスもナントの繁栄などとの関わりがあるので断片的な知識はあるが、インド洋世界はやはり意識の中では新鮮だ。これはこれで読んでいきたいと思う。
「狩猟採集民の世界」を読んでいて知ったのは、森林に暮らすには低身長の方が適合していて、そのために低身長なピグミーと呼ばれる人々が東西に分かれて存在している、というのを知る。彼らは同一の言語グループに属するわけではないようで、共通点はあるが環境に適応した結果、ということのようだ。アジアにもピグミーと呼ばれる狩猟採集民はいるらしく、そういうことはあるんだなと思った。
「ホッテントット」や「ブッシュマン」は最近はポリコレ的に言わなくなり、彼らを総称して「コイコイ」とか「サン」とか呼び、彼らの言語も「コイサン語族」などと呼ばれるが、ピグミーはポリコレには引っかからないのだなと思った。狩猟採集生活の記述はとても面白い。
とびと
ついでに世界一高身長の民族もいたなと思ってネットで調べてみたら、世界で一番新しい独立国である南スーダンの中心民族、ディンカ族であるとのこと。彼らの有名人というのはバスケットボールの選手が多く、やはりそういうことなんだなと思った。
南スーダンもいろいろ興味深い国なのだが、ディンカ族はナイル・サハラ語派なのだという。(北)スーダンはアラブ化・イスラム化の圧力が強いが、そのため北から独立した南はキリスト教徒も含めた非イスラムが中心のようだ。南スーダンの建国の父とみなされているジョン・ガランはキリスト教徒のようだが、属する教会は調べたがよくわからなかった。ディンカ族は皆キリスト教徒というわけでもないようだし、タンザニア等に留学中に洗礼を受けたというようなことだろうか。
あと興味深いと思っているのはインドネシア系の言語を持つマダガスカル。マレー系の人々が最初に住み着き、後からバントゥー系の人々が渡ってきて両者が基層になった、という感じなのだろうか。植民地にされる前はイギリスの影響下で統一王朝を持っていたが、フランスとの間でイギリスがザンジバルを支配する見返りにフランスにマダガスカルの支配権を認めるという形で裏切られたというのも悲しい歴史だなと思った。
いずれにしても私が今読んでいる本はアフリカの全体史ということだけど、各国史とかナショナリズムの観点からの歴史、それぞれのエスニックグループから見た歴史など様々な観点で見ていけばより立体的にアフリカ史が理解できるだろうなと思う。
***
昨日は銀行に行ったり朝のうちに「アフタヌーン」は買ったので「ビッグガンガン」を買いに行ったり、帰ってきてアフリカ史を読んだりマンガを読んだり部屋を片付けたりしているうちに時間が経った感じ。いろいろな面をしっかり進めていきたいと思う。
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