急な暑さから急な寒さへ/スーダンへのエジプトとリビアの介入/リビアの抱える困難

Posted at 23/04/22

4月22日(土)晴れ

昨日は暑くなり、当地でも25度近くまで気温が上昇して上着を着ていると暑いくらいだったのだが、夕方から気温が急に下がってきて、今朝の最低気温は4.8度。20度くらい下がったことになる。今日は最高気温の予想が16度だから昨日より9度も下がるわけで、この気温のアップダウンはきつい。

昨日は午前中に母を病院に連れて行き、その帰りにツタヤへ行って「剃ったもんだ!」の9巻を買った。その頃はかなり暑くなってきていたのだが、お昼から少し休んで午後の仕事、最初は職場の窓を開け放していたがだんだん寒くなってきて窓を閉め、しまいにはストーブもたいた。気温の変化がかなりきつかった。

夜は疲れていたせいかソファでうたた寝をしてしまい、起きたら1時半。歯を磨いて寝たが4時前に目が覚めてしまい、起き出して会計書類に目を通したり、風呂に入ったり。5時過ぎに車で出かけてガソリンを入れにいき、足を伸ばして焼き立ての塩パンを買って帰ってきた。ジャンププラスに目を通したりTwitterを読んだり。やはり最近の一番大きなニュースは内戦状態になっているスーダン・ハルツームに邦人保護のために自衛隊機を派遣する問題かなと思う。

https://jp.wsj.com/articles/libyan-militia-and-egypts-military-back-opposite-sides-in-sudan-conflict-7388eca5

今日驚いたのは戦っている当事者のスーダン国軍の側にエジプトが戦闘機やパイロットを供与するなどの支援を行い、RSF=民間軍事組織の側にリビア東部を支配する「リビア国民軍」のハリファ・ハフタル司令官が貨物機を飛ばすなどの支援を行なっているという報道だった。

リビアの情勢はカダフィ政権の崩壊後の内戦で四分五裂の状態になっているようだが、有力な組織の一つがハフタルの「リビア国民軍」であるということのようだ。これとトリポリの暫定政府の対立が現状では主な対立だろうか。

https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_87209/

国連が主導してリビアの選挙を行おうとしているがあまりうまくいっていないようで、少し整理しきれていないがハフタルの国民軍をエジプトが支援し、トリポリの暫定政府をトルコが支持しているという記述もあった。また、ハフタルはアメリカの市民権を持っているという記述もあり、いろいろ錯綜している感じがあるが、エジプトがスーダン政府を支持し、エジプトが応援しているリビア国民軍がRSFを支持していることになり、今読んだ限りでは情勢がよく掴めない。というか混乱していることだけは良くわかる。

現状リビアにはまだイスラム国勢力も存在するようだし、トゥアレグの民族地域もあり、大きくは東西対立ということでいいようだが、「リビアを代表する」と言える勢力が確立していないということなのだろう。カダフィの独裁政権は力でこの分裂を抑えていたが、今は抑えが効かない状態であるだけでなく、外国勢力も介入する一方で国民軍側が外部にも影響力を持とうとしているなど、まとまりのつかない状態のようだ。

これはリビアという地域がイタリアの征服によって成立した領域であるから、もともと国家としての統一が難しい地域だったの思われるけれども、独立当初から繁栄するトリポリタニア(西北部)主導の国家建設を避けるためにキレナイカ(東部)とフェッザーン(西南部サハラ地帯)と連邦制国家として発足したという経緯がある。

これは一般にアフリカやアジアでもある程度の地域には共通することだが、国民国家という枠組みに押し込みにくい地域・領域というものは存在するわけで、それを無理矢理統合するにはカダフィやフセインなどの独裁者がいないと難しい、ということなのだろうと思う。ヨーロッパではユーゴスラビアが似た経緯で解体しているが、世俗派勢力とイスラム原理主義勢力と軍閥と部族勢力といういくつもの勢力があり、それに東西対立などの地域対立が絡み合っているところは一つリビアの特徴なのだろうと思う。リビアだけではないのだが。

リビア国民軍がスーダンの内戦に介入しようというのは、そういう意味では国際的な地位や影響力を高め、リビア国内での主導権を握ろうという思惑があるのかもしれない。こうした対立を避けるためにはイラクのクルドのように事実上の連邦制にするなどの手段もあるとは思うのだが、4000万人以上の人口を持ち肥沃な農業地帯を持つイラクと、ほとんどが砂漠で人口700万程度のリビアでは同じような処方箋は難しいのかもしれない。

ちなみにスーダンも5000万近い人口があるが、こちらは地域の多様性と面積の広大さがネックになってはいるのだろうと思う。

独裁政権はもちろん反政府勢力や少数民族に対する圧迫や虐殺などが伴いがちであるため望ましくないのはもちろんなのだが、常時内戦が続けば生活基盤そのものが危ないからそれも困るだろう。また西欧は「アフリカの近代化」の観点からの介入をしがちだし、人権などの西欧的価値観を押し付けがちだから逆に現実的な平和をもたらしにくい側面があるし、それらが返ってロシアや中国などの「価値観を押し付けない」ないし「価値観に近縁性がある(と感じられる)」権威主義諸国の浸透につながるというジレンマもあるのだろうと思う。

恐らくはアフリカが抱えている困難は、人類が抱えている困難のかなり多くの部分を占めていると思われるし、なるべくフラットな視点でそういう現実を知っていくことが、これらの地域の利益や日本にとっての利益にもつながっていくのだろうとは思っている。

「岩波講座アフリカ」は少しずつ読んでいるが、こちらについてはまた改めて。

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