アニメ【推しの子】を見ている:「嘘=フィクションは愛だ」というテーマと、「折り合いをつける」ことと「執着」/北朝鮮のミサイルと、ロシアとポリコレのアイデンティティポリティクスと、護身用の剣としての日本の保守主義
Posted at 23/04/13 PermaLink» Tweet
4月13日(木)晴れ
今朝も冷え込んでいる。大陸から黄砂が飛んできている影響なのか、鼻がむずむずしてここ数十年ほとんど症状が出なかった花粉症のような感じになっている。ただくしゃみは出てもそんなにずるずると洟が出るというほどでもないのでなんとかなってはいるが、ティッシュの消費量は結構多い。
昨日は午前中、母を病院に連れて行き、帰りにツタヤで「新九郎奔る!」「ダンス・ダンス・ダンスール」「これ描いて死ね」の新刊を買って帰った。どれも面白い。午後は会計関係の仕事をしてから本来の仕事。あまり忙しくはなかった。ただ、ここでこれからの仕事の立て直しをしていかなければならない。いろいろな要素が基本的には無くなったのでスッキリした形で一から立て直していくのが考えやすくはなっていると思う。しっかりやろうと思う。
保守関係の勉強の方は、神道の方はとりあえず頭の中でもう少し寝かしておいて、今読むとしたら近代仏教の方かなということは思っている。ただ現今の情勢を踏まえた内容を書かないと、最近どうもブログやnoteもアクセスが減っているのでこちらも立て直したいと思う。まあ、書く内容を深めながらアクセスも増やすというのは割合難しい話だなとは思うのだけど、まあそこはなんとかして行きたい。
マンガの方は相変わらず面白い作品が多く、本の整理も漫画も勉強してるものも含めて溢れてきているので整理が追いつかないのだが、昨夜始まったアニメ「【推しの子】」を録画で少しだけ見たのだが、面白くて感動してしまっている。今朝読んだヤンジャンやモーニング、いいなあと思う作品が多くて、やはり2023年もまたマンガアニメの全盛時代は終わってないなあと思えてくる。ポリコレの嵐が吹き荒ぶ中、先は色々厳しい部分もあるけど、日本はずっとこれで行ってほしいと思う。
***
【推しの子】アニメ、ちょっと思ったことを書いておこう。
アニメは起きてから録画で少しだけ見たんだけど、心がいっぱいにはなった。ストーリーや台詞はかなり細かいところまで覚えてるのだけど、「星野アイは欲張りなんだ」の独白、声優の高橋季衣さんが喋るのを聞いて強い説得力を感じた。横槍メンゴさんの絵が動いてると言うだけで感激するほどはファンなので、少しずつ見ている。とりあえずゴローの「和解した」まで見た。
この作品の何がいいかというと、全てが完全なフィクション、つまり「嘘」だ,と言うことなんだと思う。メンゴさんの絵はもともとフィクション性が高いと思っていたけど、アニメで見るとさらにそれがこの作品にバッチリあっていると言うことがよくわかる。赤坂アカさんのストーリー、転生の話ももちろんフィクションなんだけど、フィクションだからこそ感動するという部分がある。作り物にしかない、作り物でしか出せないリアリティ。
これはつまり「嘘は愛だ」 と言うことなのだと思う。アニメになってマンガの絵が動くと言う嘘、声優さんの声が加わり、さらにフィクション性が高まる。スタジオジブリの作品のような、中途半端に普通の人のリアルな声を入れない。アニメ声だからこその説得力を、アイの独白に感じた。
それからもう一つ思ったのは、 テーマが「折り合いをつける」と言うことでもあるのだなと。
まずゴローがアイの独白を聞いて、「医者としての自分」と「ファンとしての自分」に折り合いをつける。「和解した」というのはそういう意味だろう。そしてアニメ第一話、原作第10話の最後ではアイが嘘だらけの人生の中で、子供たちを本当に「愛してる」と確認し、自分の人生に折り合いをつける。そしてその後は,「アイの死に折り合いをつけられない人たちの物語」が展開していく。
本誌では復讐というシンプルな「折り合い」をゴールに話が進んでいく訳だが、現在本誌ではさらにアイの真実が別にあるように語られてきていて、この辺りは一番気になる。
それから、「アイドルという虚構」と、「それに夢中になることの(ある種の)気持ち悪さ」というものもちゃんと描いているのがいいと思う。
ゴローがアイを推す理由としてさりなとのエピソードが語られているが、それを聞いた看護婦が「結果ロリコンですよね。キモい」という結論を出してしまうわけだが、それもまた事実だよな、という説得力がある。ゴローのさりなへの「執着」はある種のキモさ、と言って悪ければ尋常でなさがある(さりなを待ち受けにするとかやはりキモいだろうと思う)
この辺はギャグにしているのだが、アニメになってらよりはっきりはっきりさせられて、ここもまたその後の展開に説得力が加えられている。「執着」というのはつまりは「折り合いがつかない」,ということなのだから。
赤坂アカさんは芸能界を描きたいから嘘をテーマにしたのか、嘘を書きたいから芸能界を描いたのかはわからないが、恐らくはくそれらが合体した時にこの話が生まれたのだろうと思う。「芸能界と嘘」というのはある意味あまりにベタな組み合わせなんだけど,それが深掘りされるととことん面白くなる金鉱脈だったなと思う。そういうものを扱う嗅覚はさすがだと思う。
初回に90分の拡張版というのはなかなかこなすのが難しいのだが、なんとか第2回までに消化して追いかけたいと思う。
***
北朝鮮からミサイルが撃たれて北海道の方に警報が出たが、とりあえず今のところ被害は何もなかったようだ。いろいろな情勢が厳しくなっていると肌で感じる部分がある。
こういう状況の中で、日本が日本らしさを保ちつつ豊かで平和な国として生き残っていくためには日本のアイデンティティみたいなものをもっと自覚できる方向にいくべきだと思って保守論とかを展開しようと思っているのだけど、なかなか人に届くものを書くのは難しいなと思う。
英米と、つまり自由主義圏と共に行く、という基本線はわからないでもない、というか実際のところとりあえず今はそうするしかないのだが、やはりポリコレや行きすぎたリベラリズムの方向性をこれ以上日本は取るべきではないし、そこらへんの歯止めをかけていかないといけない。世界的にこういう傾向は強くあって、その反リベラルの旗手が今はロシアだとみなされていて、実体以上の支持がロシアに集まっているという側面はある。中国は実利から攻めてくるけど、アイデンティティポリティクスの部分では、腐っても白人国家というかそのテクニックはロシアには敵わないところがある感じはする。
日本は自由主義圏の中にあるから、必ずしも彼らのポリコレ路線に乗らない、独自のアイデンティティを強く持っていかないと国は守ったが魂は失われた、みたいなことになりかねないから、もっともっとそこを深掘りしていかないといけないと思うのだけど、なんだか知らないが国民全体の危機感が薄いなあということは思う。まあこういうところで焦ると良くないのだけど。
これはどっちの船に乗るか、という単純な問題ではなくて、とりあえず西側の船に乗るしかないにしても、護身用に懐に刀はずっと持っているのを忘れない、みたいな話なんだろうと思う。
日本の保守主義というのは、権威主義にもポリコレ主義にも飲み込まれない、護身用の剣であるべきだ、少なくとも現時点ではそういうものなのだろうと思う。
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