「国際秩序がロシアを包摂する」という考え方の持つ意味など
Posted at 23/01/04 PermaLink» Tweet
1月4日(水)晴れ マイナス6.9度
三が日も終わり、今日から通常始動なのだけど、マンガの発売日は若干変動があって、木曜日発売のヤンジャンとモーニングが今日出ていて、コンビニに行ったらサンデーは日付通り出ていた。金曜日にヤンマガと週刊漫画Times、土曜日にスピリッツと週刊少年ジャンプという日程で、マガジンは来週水曜日から。確認してないけど月刊マガジンは日付通り6日だろうか。9日発売の別冊マガジンはいつ発売か。正月は色々とペースが変わるが、マンガの発売日は特に変わる。9日が成人の日になって年始後最初の月曜がいきなり連休になるというのもどうかと思うが、その影響はある。
兄弟たちは大体2日に帰り、昨日は下の妹がお昼まで作ってくれたが、あとは普段の生活に少しずつ復帰しようというところ、本当はもう少しお正月のうちに今後についての考えを進めたかったのだが、母のケアのことは1日の夜に兄弟で話し合って少し共通認識はできたと思うが、明日からまた病院通いも始まるし、どういうペースで進めるかはまた施設との交渉という部分も出てくる。
仕事のことなどはまあここにはあまり書けないけどどうにかして行くべきことはあるのだが、またそのへんは書ける部分で書いていけると少しは話題提供にもなるかなという気はする。
自分の考えというか思想的なというか問題意識といえばいいか、つまりは考えている話のレベルでは、ざっくりとした今年の抱負みたいなことにも書いたけど、大枠における世界認識とか自分の人としての生き方とかそういうものを見渡した上での一つの思想的な柱みたいなものがはっきり出せるといいかなという気はする。
ウクライナ在住のジャーナリストの方が、西欧にはロシアを包摂することを使命のように主張している人たちがいて、その結果が今日の事態を招いている、ということを書いていて、これはまあウェストファリア条約による主権国家体制成立以来の長い長いペンギンの話になるのだが、国際秩序=世界秩序というものは先行して世界支配に乗り出した西ヨーロッパ諸国主導で作られていったから主権国家体制と国際法主義がその際に彼らの武器というか正義の宝剣みたいなものになっていった。そこに植民地体制を組み込んで成立したのが帝国主義的国際秩序であったわけだけど、それに抵抗した非欧米勢力が中国でありロシアであり日本でありイスラム諸国でありアフリカ諸国であったが日本はその欧米主導の国際秩序に「参加する」ことでそのプレイヤーとしての活動が許容され後発ながら帝国主義国としての地位を固めていくことができた。
大きく変わったのは第一次世界大戦と国際連盟の成立、つまり日本ではヴェルサイユ体制と呼ばれる世界秩序の成立であって、彼らにとっては従来の秩序のより包摂的な発展、つまり民族自決や恒久平和主義などが導入されていったわけだが、それはある意味試験的なもので、その秩序に乗れずに外れていったのが日本ドイツイタリアだった。特に日本にとっては後発帝国主義国としてもっと発展が期待できる状況にあるという判断があったから、中国の革命外交などには強い違和感を持ったし、あくまで世界秩序への挑戦者はナチスドイツであったのだが、満洲事変以降の動きは「欧米主導の世界秩序への挑戦」と受け取られたことは間違い無いだろうなと思う。
彼らからしてみれば日本は彼らが世界を包摂することが可能なというか包摂すべき国際秩序に遅れて参加した田舎の優等生みたいなものだったのが、突然独自の論理を振り回し始めたという感じだろう。日本としては血の滲む思いで不平等条約改正を実現し一級プレイヤーの地位を確保したと思っていたのに中国は革命外交で帝国主義的な形態を全て否定することで英米の支持を受けたわけだから中国というか蒋介石の方が時代を読むことに長けていたのは事実だが、そこで日本が英米に対して不信感を持ったことが大きな流れを作ってしまったのだろうと思う。
それらの動きはコミュニストロシアその他独自の動きとしてはあったのだけど、最終的にはナチスドイツと拡張主義に走った日本が「包摂できない敵」として排除され、第二次世界大戦後はドイツと日本の排除に成功した連合国United Nationsによって国際連合Unitedo Nationsが作られ、世界を包摂する機関として国連が成立したわけだけど、成立当初から国連の議決によって成立したイスラエル自身が必ずしも国連の議決に従わず、またソ連や中国も独自の動きをすることで「世界を包摂するシステム」としては十分に機能しているとはいえない状態になっていたが、日本はその中で優等生として包摂される道を選んだということになる。
冷戦崩壊によってソ連は解体され「包摂しにくい存在」としての共産主義が力を失うが、その代わりにイスラムなど新しい包摂し難い挑戦者が現れ、また冷戦後の経済発展の中で中国やロシアなどの旧共産主義国=権威主義国もまた「世界の包摂を目指す欧米中心の世界秩序」への挑戦者として立ち現れてくるようになった。
プーチンがNATOやアメリカを敵視するのは欧米主導の主権国家体制に対してロシアなどの大国中心の世界観を持ちその実現を主張しているからで、逆にいえばソ連時代は「衛星国」の存在が結果的に許容されてしまっていたが、冷戦後はそれを抜きにして主権国家として平等という建前が前面に押し出されてきたことにプーチンは不満を持ち、結果的にウクライナ戦争を起こした、という構図になるだろう。
「ロシアを包摂できるか否か」「中国を包摂できるか否か」「イスラムを包摂できるか否か」という問いは、逆にいえば潜在的に「日本はこれに包摂されるべきか否か」という問いもまたあることを自覚させるわけで、ロシアを支持する人たちがいるということは、ロシアの主張する世界観を受け入れるべきか、ロシアを国際秩序に包摂するべきか、ロシアを国際秩序から排除するべきか=ナチスや大日本帝国と同列に扱うべきか、という問題になる。
この辺りにおいて、「欧米主導の国際秩序」を支持する人たちの間にも亀裂は入ってきていることは確かだ。トランピズムというのもある意味ではこの「欧米主導の国際秩序」をアメリカ側から打ち破ろうという動きとも言えるわけで、この体制はそんなに強固なシステムでも無いという感じはなくはない。
一番大きな動きで言えばその観点から論理を組み立てていく必要があるだろうと思っている。
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