低潮期/「マロニエ王国の七人の騎士」7巻/「進撃の巨人」とは何だったのかについてもう一度考えてみる
Posted at 22/12/11 PermaLink» Tweet
12月11日(日)曇り
今朝は曇っているせいか、冷え込みが少し緩やかで、家の前に止めていた車もフロントガラスが凍っていなくて、すぐに発進できた。コンビニに行ったらパトカーが止まっていて警官がその前に立っていたのでびびったが、レジで聞くと大したことじゃ無いと言われて、外に出たらもう走り去るところだった。何をやっていたのだろうか。
どうも低潮期に入っていて、何もしないうちにぼーっとしてしまって時間が経つ、ということが多い。油断してるとやろうと思っていたことが全然できないうちにタイムリミットになってしまう。逆に、結構眠れているのでその辺はいいのだが、普段の動きが鈍くて物事が進まない。まあ変にハイになっているよりもマシと言えばマシなのだが。
こういう時というのは人生に対するなんとも言えない焦りのようなものもあまり強く感じず、なんというか鈍い痛覚のようなものになって無くなってはいないのだけど、本当に刺すような、あるいは身を焼くような焦燥というものではなくなっていて、まあそういうものから自分の体と心を守るために低潮期になっているのかなという気はしなくはない。
まあ全体的にはなんとなく良い方向に行っている感じはしなくは無いのだけど、まだマイナスからプラスになるゼロポイントは超えてない感じだから、もう少し全体の運気が浮上していくと良いなと思う。
昨日は「マロニエ王国の7人の騎士」の7巻を読んでいたのだが、この作品は単行本が出るのが一年に一度なので、話の展開がすぐわからなくなってしまい、途中まで読んで6巻からもう一度読み返しているのだが、本当は最初から読まないとわからないところは結構ありそうなのだよな。もう何年も読んでいる(一年に一度だが)のにまだ物語全体の構造が掴めて無いなあと思うのだが、この巻ではだいぶその辺にも触れられていて、だいぶわかってきたのかもしれない。でもその辺がわからないからこの作品は感想が書きにくいのだよね。
朝起きて、なんとなく考え事をしているうちに「進撃の巨人」とはなんだったのか、というようなことを考えていた。ラストシーンに対しては結構批判があって、私はその批判に与する者では無いけれども、連載の始まった頃に比べると格段にポリコレ圧力のようなものが強くなっていて、ラストに関しても批判の大半は「政治的に正しくない」ということだったような気がする。巨人が人間を食う話が政治的に正しいも何もあるはずないので、そんな批判が強い時代にラストを迎えたこの作品はちょっと運に恵まれなかったなと思うのだけど、この作品の真価はそんなところにはないと思うので、時間のある時にもう一度読み返してしっかりした感想を書いて見たい気はする。
ラスト近くで一番好きなシーンは、ミカサが化け物化したエレンの口の中に入ってエレンの首を斬り、その首に口づけをする場面なのだけど、本当はあれで終わったってよかったのだよな。そういう意味では後は蛇足で、物語を落ち着かせるための展開なのだけど、「大勢の人が死んだのはやむを得なかった」みたいな話になってるのが責められているのだけど、元々が2000年前の呪いのようなものから始まっているわけだからどうしようもないのだよなそんなものは登場人物たちにとっては。
ただそういう荒ぶる神のようなものを主人公にしてしまったためにそこにポリコレが発動して批判が集まることになってしまったわけなんだけど、なんだろうな、エレンは十分に罰を受けていない、みたいな感じが見ている人に不満として残ったのかな、と書いているうちに思えてきた。
でもあの世界でエレンに罰を与える存在なんて存在しないのだよな。それができるのはある意味ミカサだけなのだが、ミカサはエレンを愛しているからあのラストにしかならなかった。
まあ初期に十分リヴァイとかから暴行されてるんだからそれで勘弁してやってほしいという気もするが、ルサンチマンの解消が人類滅亡の最終段階で阻止された、という話でもあって、むしろポリコレによる害悪が人類が滅びる前に阻止されなければならないということの寓話のようなものとしても読める部分はあった気はする。
まあなんというか、納得できない、割り切れないものとして作品が終わったということはむしろそれを肯定的に考えた方がいいのではないかという気がする。連載中の存在感の大きさに比べて今の存在感の希薄さは結構残念だ。「鬼滅の刃」のようなシンプルなメッセージの作品の方が届く時代ではあるのだけど、人間が生きるということは複雑なことなのだから、もっとそこから読み取れるものを大事にしたい気はする。
そういう意味で言えば、同じようなある意味中途半端な終わり方をした作品として「シン・ゴジラ」があって、ゴジラは冷温停止したままゴジラと共存みたいな話になってるのが、中途半端ではあるが評価される終わり型になってるのが面白いなと思う。
エヴァンゲリオンについてもそうなのだけど、もともと中途半端にしか語り得ないものというのもあるのだよなと思う。綺麗に終わらせようとして余計変なことになるというのもまた面白くはあるのだけど、中途半端にしか語り得ないものは中途半端に語るべきなのであって、そのことから見る側はもっと多くのものを受け取れるのではないかという気がした。
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