コミックシーモアで「氷の城壁」を読んでいる/「ナショナリズムの復権」誌の匂いのする思想
Posted at 22/11/30 PermaLink» Tweet
11月30日(水)雨時々曇り
昨日に続いて天気が悪い。天気が悪いとどうも考えがネガティブになる傾向があり、天気の影響の大きい人間だなと思うのだが、ネガティブポジティブというのもある程度は(頭も含めた)体の問題だなとも思うので、ネガティブ方向の純粋思考に陥らないようにしたいと思う。
昨日読んでいたのはジャンプ+で「正反対の君と僕」という高校生の明るいギャル系の女子と落ち着いたちょっと暗く見える系の男子が付き合う話を描いている阿賀沢紅茶さんの過去作、「氷の城壁」。これは縦読みのネットマンガなので単行本にはなっていないのだが、無料のLINEマンガで読み始めて48話までは無料で読めたのだが、それ以上は課金になり課金しても期日が決まっているという制度だったので、買取で読めるところを探したらコミックシーモアが1話27ポイント(1ポイント≒1円)で買取で読めるということを知り、1100円で(消費税ついてるな)で1000ポイント購入したら450ポイントおまけについてきたので今のところ49話から70話まで購入して読んでいる。
こういうものは無料で読んだことは何度かあるが(縦読みといえばジャンプ+の田中空さんの「タテの国」がとても良かった。これは無料)、課金して読むのは初めてなのだけど、なんか面白いなと思う。ネットマンガのサイトはどうもどういうところが運営しているのか分からなくて身構えていたのだけどこのサイトはNTT系の会社がやっているということを知ったのでとりあえず大丈夫だろうと思ったところはある。
内容は氷川小雪・安曇美姫・雨宮湊・日野陽太という四人の高校生のグループの関係性をめぐる話で、一人一人の思考が、つまりは性格が一人称で語られ、また周りとの関係もあってお互いの関係が変化したり周りに影響したりしながら続いていく。
「女性マンガ」のジャンルに入っているからか、普段読んでいる少年マンガ・青年マンガとはまた違ったノリと突っ込み方、ドラマの展開があって面白いと思った。主人公は一応第一話に出てくる氷川小雪と考えていいと思うが、それぞれ4人や周りの人を中心にした展開や、その人のモノローグで話が展開する部分もある。
小雪は硬い表情と周りに壁を感じさせる感じの少女で、彼女の心が一つの「氷の城壁」なのだろうと思うけれども、4人で仲良くなってくるとだいぶイメージも変わってくる。特に彼女が周りから「こゆん」と呼ばれるのは可愛くていいなと思う。
彼女の振る舞いには元々の性格や生い立ちのこともあるのだけど、中学時代に好きでもないの付き合った相手との間のトラブルがかなり尾を引いているところがあるのだけど、中でも先輩になんとなく可愛がられた小雪を面白く思わない同じ学年の熱川と対立するようになり、一方的に好意を寄せられていた五十嵐となんとなく付き合ってしまっている時に、熱川が五十嵐のことを好きだというのを利用して、熱川にいじめられた風を演出して五十嵐に守らせて熱川に仕返しをする、という展開がさすが女性マンガの怖さだなと思った。少年マンガなら主人公はこれはやらないだろう。毒がある。
こういうところはなんとなく「NANA」を思い起こしていたのだが、まあそういう神経を削るような場面ばかりでなく、田舎の比較的進学校の高校生の日常や行事が描写されていくさまは自分の高校時代とは違うにしても懐かしいものを感じさせられた。全部で117話あるようだからあと4割くらいだが、展開もなかなか面白いので先が楽しみだ。
先崎彰容「ナショナリズムの復権」読んでいる。丸山眞男や柄谷公人、吉本隆明などの議論のどこがおかしいのか、おかしいと感じるのかということについて、うまく説明されているように感じた。彼らの議論は結局はナショナリズムを全体主義に結びつけているからなんだなと思う。それはナショナリズムも全体主義も死の匂いがするからだ、というのはなるほどと思った。しかし人はいずれ死ぬものだから、死をどのように遇するかを避けては通れないし、柳田國男の戦死者に寄り添う議論の方が魅力的だというのはそう思う。彼らの議論が軽いのはその議論に死を内包しないからだ、というのはなるほどと思った。
死をどのように死ぬか、生をどのように生きるかという根本的なところからナショナリズムを語るというのは面白いと思うが、いろいろ自分自身の思考の枠組みを点検しながら考えながら読まないといけないところもありそうで、今のところあまりパッとした感想は出てきていない。
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