眠りを大事にするには/「ナショナリズムの復権」
Posted at 22/11/29 PermaLink» Tweet
11月29日(火)曇り時々雨
土曜の夜も日曜の夜もあまりよく眠れず、昨夜は9時半頃就寝して4時半頃に起きたので時間だけは寝ているのだが、何度も目が覚めてトイレに行っているので眠りは浅く、どうもいまいちパッとしない体調。朝起きていろいろやってくるまで出かけて空の写真を撮るときにiPhoneを鞄から取り出そうとして後頭部をドアの上部にぶつけ(よくやる)ちょっと痛いなと思いながら頭に手を当ててそこら辺を回ってきたのだが、帰ってきていろいろやっているうちにだんだん体が緩んできてだいぶ調子がわかってきた。寝る前に体を整えてから寝ようといつも思うのだが眠りの勢いがつかないと眠れないという先入観があって中途半端なまま寝ることが多く、どうすればもう少し眠りを大事にできるのかがまだつかめてないなあと思う。
昨日は暗いうちにジャンプとヤンマガ・スピリッツを買いに行き、やることの節目節目で読んでいた。朝ブログを書くの時間がかかったので、午前中に出かけようと思っていたのが結局また近場を歩く程度になった。頭を洗おうと思ってシャンプーが切れかけているのでコンビニに買いに行ったら2軒回ってもなく、まいばすけっとまで足を伸ばしたがメリットしかなかったのでそれを買った。スーパーに行ったときに覚えてないといけないなと思う。
結局ウィーン少年合唱団やマーラーの九番のレコードを最初から最後まで聴いたりしながら洗濯したりいろいろやって3時過ぎになり、どこかに出かけることなくそのまま東京駅に出て切符を取って弁当を買ってから丸善へ行って少し本を探した。
Twitterを読んでいて読みたいと思った本が先崎彰容「ナショナリズムの復権」(ちくま新書)と荒木見悟「仏教と儒教」(研文出版)なのだが、後者はどうも見つからず、前者はとりあえず見つけたので実家の方に戻る特急の中で少し読んだ。
この本は基本的にナショナリズムの必要性を訴える本かなと思うのだが、2013年の東日本大震災から遠くない時期に出された本ということもあり、その当時の国際情勢などについて書かれているところが少し懐かしく感じたが、なんだかんだ言って私は最近は「保守思想」については考えてきたけど「ナショナリズム」については最近あまり考えてないなということに気付かされたのが一つ良かったと思う。
保守=ナショナリストという印象が日本では強いが、もちろんこれは同じではない。現代の日本では重なる部分は大きい印象があるが、その辺りもちゃんと分析しないといけないと思う。もともとナショナリズムはフランス革命の中で革命フランスを防衛するという意識の中から生まれてきたものだから、ある意味大変左翼的なものでもあり、今でも祖国という言葉を一番使うのはスターリンの「大祖国戦争」の影響を受けた人たちではないかと思う。
だから基本的にはナショナリズムは左右と直接は関係ないのだが、ただもちろん保守というテーマを考える上でもナショナリズムの問題を避けるわけにはいかないだろう。
この本では福沢諭吉、中江兆民、和辻哲郎、小林秀雄といった人たちの名がまず挙げられるが、福沢は開化論者として西欧列強諸国に伍していくための方策をさまざまに論じているが、中江兆民もまたルソーを漢文で訳すということをやっている。和辻は文化面から日本を支えることを考え、小林はナショナリストというより保守という感じだが、「日本というものの独自性」を考えると伝統というものを意識せざるを得ないという点でナショナリズムは保守につながりやすい。
アメリカ・フランス・ソ連といった革命で成立した国家においてはナショナリズムは革命の大義=進歩主義と結びつくけれども、イギリスのバークのように名誉革命体制を守ろうとする保守もある。日本においても尊王攘夷のナショナリズムは文明開化・富国強兵へと転換して、進歩主義と日本主義・保守主義の狭間で揺れ動くことになる。そういう日本のたどった歴史がナショナリズムへの誤解を生んでいるのだろう。
著者の指摘によるとナショナリズムが誤解されているのは、まず全体主義との混同、二つ目が宗教との混同、三つ目はポピュリズムとの混同、ということのようだ。まだ20ページまでしか読んでいないので第2第3の論点はまだちゃんと読んでいないのだけど、この整理の仕方はわかりやすいかもしれない。というか、そういう論の立て方でナショナリズムを批判しているものはよく見る。
こうした議論の中で取り上げられている人たちの中でエンツォ・トラヴェルソという人と橋川文三という人についてはあまりきちんと知らなかったので調べてみないとなと思った。ただこの本の論に立てば、丸山眞男が超国家主義が国家主義の強まりとともに生まれたということを橋川が否定し、国家を改造し暴力革命で既存の国家を超越しようとしたファナティズムの産物だとみているということなのだろう。これは橋川の方が説得力があるように思う、というか丸山のいう超国家主義というものへの違和感みたいなものがそれによって整理されるような気がした。
いずれにしても読みかけなのでまた考察しながら書いてみたい。
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