月と落ち込み/「頼山陽の思想」:山陽の思想形成に至る先人の見解/「東京卍リベンジャーズ」:次回最終回。
Posted at 22/11/09 PermaLink» Tweet
12月9日(水)晴れ
昨日は皆既月食があり、久々に赤黒い月を見たが、これは前近代の人々が恐れる気持ちもわかるなと思った。帰りがけに空を見たら7割くらいに回復していて、こういう月や太陽が少し欠けてる感じというのが不思議さを生むんだよなあと思った。朝起きて少しドライブしてきた時、西の空低くに大きな白い月がぽっかり浮いていて、なんかこういう感じもいいなと思った。
今日は少し考え事をしていたらちょっと気持ちが落ちる感じがあり、そうなると体も寒くなってきて、朝入浴したのにもう一度入り直したりして、いろいろ作業したりしているうちに少しは戻ってきた感じがするのだけど、なかなか文章を書くところまで戻るのに時間がかかった。
***
「頼山陽の思想」を読んでいる。昨日は第1章の中国の蘇軾・朱熹・方孝孺、日本の熊沢蕃山のあたりを読んだ。それぞれそんなに知っている学者ではなかったのでWikipediaを参照しながら読んでいたのだが、それぞれが強烈な人生を送った人々だということがわかってすごいなと思った。
蘇軾は北宋、神宗皇帝の時代の人なのでつまりは王安石の新法改革と重なるわけで、彼は旧法党に属して追放されたりしたようだ。蘇軾が神宗に上書した「上神宗皇帝書」が頼山陽の批評をつけた書中にあり、そこに「人主の恃むものは人心のみ」ということばがあり、つまりは「統治者の依拠すべきものは天ではなく人心である」という考えがあった。これは「天命」によって君主は君主たるという伝統的な考えとは違う、近代的な感じあるように思った。また方孝孺は「人」よりも「法」を重視するところがあり、これにも近代性を感じた。
熊沢蕃山については実際ほとんど知らなかったが、儒者としてだけではなく経世家として活躍し、仕えた岡山藩やお預けになっていた下総古河藩などでも業績を残していて、幕閣からも招聘の話もあったが断って、逆に幕藩体制を批判するような書を書いたりしていて、17世紀にそのような人がいたということ自体が驚いたのだが、彼は無為にして世が治まることを理想としていて、その辺りは道家的だと思ったのだが、どうも次の項目の荻生徂徠が頼山陽に至る思想の系譜としては重要らしく、続けて読みたいと思っている。
***
今日発売のマガジンで「東京卍リベンジャーズ」を読んだのだが、なるほどこういう解決にしたのかと私は感心したのだけど、ネットで見るとあまりに短兵急なというか急転直下の収斂に批判的な意見が多く、なるほど長編マンガがラストをどのように終わるのかというのは難しいなと「進撃の巨人」の時にも思ったが、期待しているものがそれぞれ違う読者をみんな満足させるのは無理なのだろうなと思った。
反対意見が多いので、なるほどと思ったという私の感想も書いておきたいと思って付け足し的に書いた。次回最終回も楽しみにしたい。
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