アニメイトがゴール/街として大事なこと/「魔法使いの嫁」18巻:生き物の意志/「あなたの記録じゃ、あなたが足りない」
Posted at 22/11/08 PermaLink» Tweet
11月8日(火)晴れ
昨日は松本に出かけた。出たのは2時過ぎになった。どうにもメンタルにもフィジカルにも調子はいまいちだったのだが、急ぐ旅でもないのでゆっくりと行った。松本インターで降りて市内へ向かう。最初の目的地は和菓子屋の喫茶室。本当は買い物など一通り済ませてからゆっくりしたいのだが、閉店時間が早いので先に出かけた。昨日は割と道も空いていた。曲がる場所を少し勘違いしたりはしたのだが。
昨日は天気も良く、紅葉も綺麗で、松本城にも結構人出があったためだろう、お客は何組かいて、紅葉を求めてきている人たちがこのシーズンは多いのだなと思った。考えてみると、この季節はどうも気が急いてゆっくりと松本に来るということが今まであまりなかった気がする。だからこのシーズンの様子が掴めてないのだなと思った。ここにも来るなら日曜にしろ月曜にしろ午前中の方がいいなと改めて思った。
和菓子もお茶も相変わらず美味しく、「頼山陽の思想」を少し読んだのだが、思ったより集中して読めた。帰りに「老松」を一本買った。店を出て丸善に向かうが、新しい道を探そうとして変なところに迷い込み、少し走って道を把握して3時52分に駐車場に入った。
まず丸善の上の文教堂に行って「コミックガーデン」を探したのだがなかった。仕方ないのでまず駐車券を確保するためにアルピコプラザへ行く。5階のブックオフでいろいろ本を見て、学習関係の本を2冊と「脳呼吸」を謳った本を一冊、それにアーノンクール指揮のモーツァルトの序曲集のCDを一枚かって1200円の買い物。物理関係の本も面白そうなのがあったがとりあえず買わず。それから1階のバスカウンターに行って駐車券をもらった。1時間分が2枚で2時間。これは助かる。
それから、JREポイントの合算を確かめるために駅ビルへ行く。改造社書店で少し本を見たが、面白そうな本はあったけどガーデンはなかった。輸入食品の店でレモネードやビール、ドライフルーツなどを買ってポイントが加算されていることを確認した。だいぶ荷物が増えたので一度駐車場に戻って荷物を置く。
そういえばパルコにアニメイトがあるということを思い出し、少し歩くが行ってみた。5階に上がるとヴィレヴァンがあってそこでも少し見てみて、アニメイトに行ったら「コミックガーデン」は棚に積んであった。ようやく辿り着いた感じだった。
丸善に戻って物理関係の本を探して、結局参考書的なものを1冊買った。それから夕食の買い物をし、地上に出たら5時47分。2時間ギリギリになっていたので走って駐車場に戻って精算。無事2時間で済んだ。昨日はかなりいろいろ回ったが、2時間あれば結構いろいろできるなと思った。
車で高速の方へ戻るが今日はスイスイだった。高速までは空いていたのですぐ帰れるかと思ったら長野道に乗ったら渋滞していて、工事による車線規制があったようだ。7時過ぎには帰宅。帰っていろいろレシートや買い物の内容など整理をして、「魔法使いの嫁」の18巻とガーデンのその続きを読もうと思ったのだが結構重くなりそうだと思って後に回したので朝読んだ。
今週はいろいろ考えて東京に帰らずに地元にいて、日曜日に岡谷、月曜日に松本に出かけるというパターンにしてみたが、まあこれはこれでありかなという気はする。やはり松本はいろいろあって便利だし楽しい。人がそんなに多くないしビルもそんなに高くないのが地方都市だなとは思うけれども。商圏は40万人くらいだろうか。諏訪の商圏はおそらく20万人くらいで、しかも中心がない。一番使いやすいのが岡谷のレイクウォークだが基本ファミリー向けで大学生やマニアに向けてのものがあまりないしあっても孤立した場所にあり、敷居が高い。松本のように歩いて行ける場所にいろいろなものがあるというのが街として大事なことなんだなと思う。
***
「魔法使いの嫁」18巻。祖母・リズベスの我が子アダムを取り戻したいという妄念によって「本」のために使われ、「本」に侵されて自分を失ってしまったフィロメラに対し、チセはその内面に入ってフィロメラの記憶を一緒に取り戻していく。二人は子供の姿になっていて、この辺りの描写はリリカルで好きだ。拾い集める中で、フィロメラだけでなくチセの昔の記憶や心の中にしまっていた辛い経験などもどんどん「拾われて」きて、それぞれが自分を取り戻していく。それは、フィロメラとともにチセにとっても「自分自身を大事にしながら、あの頃の自分を助ける」ことでもあった。
アイザックやルーシーのカケラも段々に集まってきて、ルーシーは「どうせなら私は怒りたい。そうしたら立ち止まらないですむ」というのだけど、それぞれが子供の姿になることで本音が言える、というのが最初に読んだ時もなるほどと思ったのだよな、ということを思い出した。
アイザックがフィロメラに、誰も誰かの過去を助けることはできないけど、今の君がしたいことを言えば、「君を助けたい誰かが手を貸すことはできる」、という。この辺りは「ワンピース」で全てに絶望していたロビンにルフィが「生きたいと言え!」と呼びかけ、ロビンが「生ぎたい!」と泣きながら叫ぶ場面を思い出させる。
これは、「馬を水飲み場に連れていくことはできるが水を飲ませることはできない」という諺と同じ話で、水は馬自身が飲もうと思わなければ飲まないわけだ。何度もいろいろなところで繰り返される話ではあるが、自分が望むからこそ人も助けることができる。主体の意思というものがいかに大事かという繰り返されてきた話ではあるなと思った。
その後の展開はまためくるめくものなのだが、エリアスが「魔法も魔術も、最後は生き物の意志なんだよ」というのが、同じテーマが貫かれている。というか、すべての前向きな作品の中には、このテーマがあるのだろうなと思った。
フィロメラを守ってきた人造精霊であるアルキュオネが自分の役割を果たして消滅する時、フィロメラのために父アダムが残した「記録」をフィロメラに渡してフィロメラは自分を取り戻すのだが、フィロメラが「あなたの記録じゃ、あなたが足りないのに」というのが悲しい。
女神モリガンの登場までで18巻読み終えてガーデン12月号の91話に入ったが、リズベスの息子・アダムを取り返したいという妄念と結びついた異郷の神の猛威は収まらない。しかし「本」を扱えるフィロメラと、チセがエニアスとモリガンに頼んで「本」をリズベス(が変化した何か)から取り戻そうとするあたりも、つまりは生き物の意志によって何かを実現しようとする行為には他ならないのだなと思う。
どういう言葉でまとめればいいのか分からないので妥当でないところも多いように思うが、イギリスの魔法の世界も面白いけれども貫くものはなんというか普遍的なものであり、またそのある種日本的なバリエーションであるのではないかな、という気がした。
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