ボーンヘッド/鎌倉政権と隋唐プロイセンオーストリアロシア/ヨーロッパのビッグマム
Posted at 22/10/27 PermaLink» Tweet
10月27日(木)晴れ
今日も冷え込んでいる。ただ、最低気温は0.2度なので昨日よりはましな感じがする。朝起きた時の感じが楽だったのだが、廊下を歩いてトイレに行くとやはり寒いなと実感した。入浴して暖まってから動いている。昨日からジーンズもヒートテックのものにした。
体調がまだ万全ではない感じなので昨日はなるべくゆっくり目にいろいろやったのだが、そうなるとボーンヘッドが多くて変な失敗をする。誰にでも変な癖というものはあると思うのだけど、私の癖で一番問題が起こるのは、車に乗る前に助手席側に何かものを載せようとしたりする時に、つい「車の屋根にものを置いてしまう」、という癖で、ごたごたしているうちに「置いたのを忘れてそのまま発進してしまう」ことが時々あるということだ。昨日もそういうことがあり、目的地についてから気がついて慌てて出発地まで戻って探したのだが見つからず、警察に電話したら届出があったということで、午後遅くに取りに行ってとりあえずことなきを得たのだが、本当に毎回肝が縮む思いがする。
この件で警察にご厄介になったのは二回目で、前回は14年前、死の床にいた父の入院している病院に通っていた時、財布を車の上に置いてしまって途中で落下し、この時は確か警察から電話があって気がついたのだと思う。この時もことなきを得たから良かったのだが、気をつけないといけないなと思う。というか、普段は気をつけていてこれは絶対しないようにと思っているのだけど、体調がなんとなくすぐれないとつい横着をしてしまうところがあるんだなと思う。体調がすぐれない時こそ一つ一つの動作を丁寧に、ということは気をつけないといけないなと思った。まあゆっくり目にやるということはそういう注意力を鈍らせるということでもあるので矛盾はしているのだが、こういう安全に関わることはしっかりやらないといけないと思う。皆さんもご注意を。というかこんなバカなことをやるのは私くらいだろうとは思うのだけど。
***
というわけで体調がすぐれないのでまとまった考えを進められていないし、まとまったものも読めていないのだが、合間にちょいちょい読んだもので思ったことがあったのでその辺を。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784642083461
野口実「藤原秀郷」は、きちんと通して読んでいなくて思い出しては少しずつ読んでいるのだが、関東や東北に最近の言葉でいう軍事貴族、中央で朝廷や貴族に仕えて官位官職を得ている武士たちが受領その他の資格で配置されているのは、東北や関東を夷狄の地とみなす中央政府が防衛の意味で配置している、ということを書いてあったのだけど、そのようにして形成された武士団が最終的には鎌倉殿・源頼朝を中心に朝廷を圧倒するような政権を打ち立てたというのは、例えば中国の北朝の北辺を固めた「武川鎮軍閥」が北周・隋・唐の各王朝の起源になった、という例や、神聖ローマ帝国において非キリスト教徒世界との境界に置かれた「オーストリア辺境伯」からハプスブルク国家が、「ブランデンブルク辺境伯」からプロイセン国家が出てきたことと類似した現象だなと思ったのだった。
武川鎮軍閥は政権を握ったら都は中原においたので鎌倉幕府とは違うわけで、その意味ではプロイセンやオーストリアの方に共通性があると言えるかもしれない。辺境に配置された強大な軍事力を持った集団がやがて政権を担う、あるいは奪うというのは割合ある現象(キエフを中心としたルーシ世界の辺境にあったモスクワがロシア全体を飲み込むのも似た現象と言えるかもしれない)だとは思うが、そういう政治的あるいは軍事的な機微について詳説している研究は古典を含めてないのかな、と思ったり。
よく考えてみると今あげたような諸国家・諸政権は成り立ちからして武張った印象が強いのだけど、オーストリアだけは武力の国家という印象があまり強くなく、「戦いは他のものに任せよ、汝幸いなるオーストリアよ、結婚せよ。マールスが他のものに与えし国は、ウェヌスによりて授けられん。」という言葉に表れているように婚姻政策でヨーロッパの舵取りに成功した国だという印象がある。マールスはローマ神話の戦いの神マルス(火星)、ウェヌスは美と愛の女神ヴィーナス(金星)である。
しかしいずれにしてもこの政策は子宝に恵まれないと難しいわけで、こうした政策の成功例としては思いつくのは江戸時代後期の一橋家系統の徳川将軍家くらいなのだが、徳川家斉が55人の子供がいたといわれているが、一人で16人を産んでなおかつ政治を切り盛りし、いくつもの戦争を戦ったマリア・テレジアの方がやはりすごいなとは思うし、まあそういう関心は歴史学的とも言い切れないのだが、ある種の生物学的成功とでもいうようなものだろうか。ヨーロッパの祖母といわれたイギリスのヴィクトリア女王も9人の子女がいたが、こうした女王たちはヨーロッパのビッグマムとでもいうべき存在だなと思ったり。
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