動画の倍速視聴文化について少し考えた
Posted at 22/10/07 PermaLink» Tweet
10月7日(金)雨
かなり多くの地方でそうだろうと思うが、昨日から急激に気温が下がり、当地でも今の気温は9度くらいで、最高気温は12度の予想。時雨というのだろうか、秋の冷たい雨が降っている。本来は晩秋の雨なのだが、風の冷たさはそういうものを感じさせている。
昨日は松本に出かけて体を見てもらったのだが、やはり足首を直してもらってからのさまざまな体調の不調は良くなる兆しと考えて良いようだ。だいぶ安定して自分のペースが出てきた感じもするし、健全な程度には自分に対する叱咤も出てきているので自分のペースをさらに作りながらやろうとしていることをやれるようにしていければいいなと思っている。
***
動画の倍速視聴文化について少し考えた。この話が語られる時は、「名作映画などを早送りで見る」など「とんでもない」という主張が多く、それ自体は確かにとんでもないと思うのだが、それは一番とんでもない側面を切り取っての主張であって、割とこれはありなんじゃないかというシチュエーションも考えられるなと思ったのだった。
私はあまり倍速再生ということはしないけれども、ゆえあってバラエティ系の番組を見る必要に迫られた時、内容があまりに薄く尺を伸ばしているのが明白であり、またCMを見せるために余計な引っ張りをする展開を見ていられなくて、YouTubeに上がっていた動画をなるべく早い速度でとりあえずみようと思い5倍速で見たのだが、このくらい早回しにすると情報も頭に入ってくるし、割と面白いことも言ってるなと思ったことがあった。バラエティというのは漫然と見るのには向いているが、時間がない人が必要な情報を得るのには向いていない。動画というものは一般に時間が拘束されるのであまり見ないのだが、これだけ動画全盛の時代になってくると見る必要がある時はあるので、倍速で見られるというのはうまく使えば良いなと思ったのだった。
情報番組ならそのように考えやすいが、いわゆるコンテンツ(映画、ドラマ、アニメなど)だとストーリー展開そのものだけでなく、話の展開の速度や間の持ち方、役者の表現など、つまり時間的要素が重要になってくるから、基本的には倍速視聴には向いていない。だから本来、「とんでもないこと」なのだ。
しかし自分が属しているコミュニティや友人仲間の中で、自分は好きではないけど視聴していないと話についていけない、という場合があり、やむを得ず見る、みたいな場合はなるべく早く見てしまいたい場合があるという指摘があり、これはなるほどと思った。
https://twitter.com/honnokinomori/status/1577778951438491649
そして、以前ならそういう技術自体がなかったからできなかったのが、先程の5倍速のようなことが可能になる技術的裏付けができて、誰でもできるようになったから「とりあえず倍速で見ておこう」みたいなことが選択肢の中に入ってきたということなのだろう。
昔から「この本を読んでないのはモグリだ」みたいなマウントの取り方はあったわけだけど、今はそういう動画的なものに対して「この作品を「全部」見てないのは好きだとかいうのはニワカだ」みたいなマウントの取り方が出てきて、本だったら「あらすじ」とか「まとめ」とか「100分de名著」みたいなのを読んで読んだことにする、としていたのを、倍速でとりあえず見ておくという感じになってきているのだろう。
つまり、「本当に見たいもの」「本当に好きなもの」を倍速で見るというのではなくて、「そんなに好きじゃないけど見る「必要」があるもの」について倍速視聴を行なっているのではないかということで、それならある意味納得できるというところはある。
もちろん作り手としたらちゃんと見て欲しいのは当然だし、その作品のファンから見たらそういう視聴をされるのは冒涜だと思うかもしれないのだけど、コンテンツはめちゃくちゃ大量にあり、時間は常になく忙しい現代人がとりあえずそれをこなそうとしたらそういうことになってしまうということなのだろうなと思う。
これは試してはいないのだが、昔見た映画でも映画館で見ても自宅でビデオで見てもどうしても眠くなってしまって(実際に眠ってしまって)最後まで見られなかった、という作品はいくつかあるので、そういうのを倍速視聴で試してみるということはあるかなとは思った。
まあそこまで「こなす」ということにこだわりがあるわけではないし、そういう時間もあるわけではないから多分少なくともすぐにはやらないが、そういう視聴が新たな作品を生み出す可能性もあり、この文化についても多面的に評価していってもいいのではないかと思った。
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