権威主義国家の21世紀的な進化/アニメ「チェンソーマン」が面白い/山縣有朋の残した現代の禍根/諏訪という小都市の複合的な成り立ち

Posted at 22/10/13

10月13日(木)曇り

昨日は午前中に母を病院に連れて行き、帰ってきてから水道関係の工事があったことに気がついて、浴槽を見たら濁り水が溜まっていたので掃除しようと排水して浴槽にブラシをかけていたら、ブラシが折れてしまってバランスを失って倒れ、蛇口の捻るところ(ハンドルというらしいが)にしたたかに頭をぶつけてしまった。体調を維持するための風呂場で怪我をするというのは馬鹿馬鹿しいが、考えてみると風呂場というのは怪我をしやすい場所なのだよな。父もここでガラス戸に倒れてしまい裸で血だらけになって救急車で運ばれたことがあったのを思い出した。マンションのようなユニットバスではなく昔ながらのタイルを張った風呂場なので、まあ気をつけていくしかない。とりあえずコブができたのでまあ大丈夫だと思う。

そういう状態で銀行をいくつか回って支払いを済ませたりしていたので頭がズキズキしたのだが、特に気持ち悪くなったりすることもなく、仕事も基本的にはつつがなく終えられたのでまあよかったかなと思う。

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今朝は職場の資源ごみを出してヤングジャンプを買ってからちょっと街の中をドライブした。普段は広い道を走りたいのだが、今朝はなぜか街中を通りたくて、朝の街の中を走ったのだが、この街は小さいなと改めて思った。城下ではあるのだが、松本などに比べると本当に小さい。街場もすぐ一周できてしまう。街の構造としては元々あった農村が三つあり、その間を甲州街道が抜けているので宿場町ができ、城自体が湖に突き出した形で作られていたので城下はそれに通じる道の両側と、甲州街道沿いのある部分に武家街ができ、まあそこが行政中心ということになる。一方で宿場町には味噌・醤油・酒などの醸造業者がいくつもできて古い商業地ができ、一方で温泉が出るので街道から湖寄りには温泉街になり、鉄道の開通とともに駅周辺が発展して明治の新しい商業地になった。だからこの街は宿場町・商業地と城下町・行政中心、温泉街・歓楽街、周囲の三つの農村という複合した形で街が形成されている。

街道も湖の北側を通る甲州街道と南側を通る西街道があり、西街道に諏訪大社の上社、甲州街道が中山道に行き着くところにできた街に下社があって、元々の中心も二重になっている。これは松本などの割合計画的な城下町とは違うところで、古代中世からの歴史と近世近代の歴史の複合的に発展してきた諏訪地域の違いで、そこに現代においては「発展しにくさ」みたいなものが生じてしまったのだなと思うし、だから街が小さいのだななどと運転しながら考えた。

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「山県有朋」(岩波文庫)は結局図書館に電話して貸出期限を延長してもらい、読み続けた。今は第二次山縣内閣のあたりを読んでいるが、山縣が面白いなと思うのは、日露戦争に備えるための戦費調達のために政党人の票田であった地主が嫌う地租増徴を実現するために彼の理想とは違う政党との妥協みたいなことを星亨を使ってやりながら、文官任用令を改正したことた。

猟官運動の標的となっていた勅任官の官職を原則的に高等文官試験を経て奏任官を務めた人からしか採用しなくしたことで、当然ながら官職目当ての政党人は猛反発したわけだが、それをなんとか丸め込んで自分の意思を通したことで、日本の官僚優位の国家体制を作り上げてしまったことだなと思う。現在でもアメリカでは大統領が違う政党になれば中央政府で3000人の官僚の首のすげ替えがあると言われているけど、日本では基本的には政治が変わっても官僚機構にそう大きな影響はない。「軍部が強すぎる」ために第二次大戦を招き破滅した原因と、今尚財務省など官僚の主張が強すぎるために弾力的な財政運営ができず青息吐息の現在の経済状況を考えてみると、そういう日本にした元凶が山縣にまで遡れるのはある意味すごいと思う。

もちろん、順調に国が発展しているときにはそれはそれで大きな力となったわけだが、一つの機関が暴走することで日本の進路がおかしくなるのは良くないと思う。軍部は拡張に暴走し、財務省は引き締めに暴走したわけだが、安倍さんはこの辺りの記述を読んでどういうことを考えたのかなと思いを馳せたりはした。

常備軍と官僚制度、市民階級の登用といえば絵に描いたような絶対主義政策な訳だが(流石に重商主義ではなく産業資本主義ではあるが)、明治絶対主義という講座派的なテーゼは山縣という人物を見ているとそれなりに説得力はあるかもしれないとも思う。

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「チェンソーマン」がジャンプ+で第二部の連載が始まり、昨日は第9話(通算106話)だったのだが、第一部のアニメも始まり、それが両方とも水曜0時の始まりという同じ作品のバッティングという珍しい現象が起こった。漫画はとアニメ派という意味では私は漫画派なので第二部の方を先に読んだ(どちらもリアルタイムではなく起きてからだが)。お昼ご飯を食べながらアニメは見たのだが、これはめちゃくちゃ面白かった。原作はこんなに面白かったかと改めて思ったのだが、本当に映画みたいで、まあ無理は無理にしてもホラー映画の監督とかに実写化してもらいたいと思う感じだった。


美大の喫煙所で語られるようなサブカル臭がする、という指摘をTwitterで読んだが、私はホラー映画は全く見ていないので全てが新鮮という感じに見える。ホラーをよく知る人にとってはこれはあの場面のパロディ、これはあの場面のオマージュ、みたいなことがたくさんあってハイコンテクストで見られるのだろうなと思うのだが、知らない世界でありながら知らないで見る人にとっても面白いというのは本当によくできた作品なんだと思う。

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クリミア大橋爆破を口実に、ウクライナで各都市に対しロシアが大規模なミサイル攻撃を行なっているが、これは本当に盗人猛々しいというか末期症状的な感じになってきた。しかしこれは一体どうやって戦争を終わらせるのか、出口が見えない感じになっている。ロシアは今の所恐らくは4州併合で手を打とう、みたいに考えているのではないかと思うが、そんなことをウクライナも国際社会も受け入れられるはずがなく、実際士気が高いのはウクライナの側でどんどんロシア軍を押し込んでいるが、前線で敵わないなら後衛の都市をミサイル攻撃する、といういわば卑怯な手段に出ているわけで、駄々っ子が暴れているようにしか見えない。自分たちの誤った主張を頑として譲らないところは日本の社会運動家たちにもよく見られることではあるが、ウクライナ側も国境までロシア軍を押し出すという戦争目標でロシアを止められるのかと考えるとなかなか難しく、ロシアもプーチンが権力の座にいる限りロシア軍が完全に損耗し動員された社会がぐちゃぐちゃになるまで戦争をやめない可能性が高いから、その辺りが重要になってくる可能性はある。

ただロシア国内で反政府的な動きはまだ強くなく、特に戦ってでもプーチンを倒すという勢力はない。元々一番可能性があったチェチェン人勢力をプーチンは取り込むことに成功しているから、ここが離反しない限りは大丈夫だと踏んでいるのかもしれない。アメリカやNATOがどのような絵を描いているのかよくはわからないのだが、「現実的な解決策」を探る動きがロシア側のどこからか出てくることを期待するしかないということだろうか。

実際のところ、南米やアジアでは良くあるような反政府勢力を支援することで政権を転覆させるというようなことをアメリカは以前はよくやっていたが、ロシアや中国や北朝鮮のような国に対してはそういう手段が通用していないのだなと思う。それだけ権威主義的な態勢、恐怖による支配がうまくいっているのだろうと思うのだが、それもまたある意味21世紀なのだろう。権威主義支配体制も進化しているということではないか。















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