「鎌倉殿の13人」第38回「時を継ぐ者」を見た:あまりにも人が死ぬドラマで「無血クーデター」をクライマックスに持ってきた違和感について考える/「私を殺そうとしたでしょ!失礼しちゃうわね」/「俺の女になれ」

Posted at 22/10/03

10月3日(月)晴れ

昨夜は11時ごろに寝たかと思うが、起きたら3時過ぎで、ただなんとなくいろいろなことを考えているうちにあることに気づき、もう一度寝たらなんだか幸せな夢を見て、ぐっすり眠れた。起きたら5時半ごろ。二度寝でちゃんと寝られたのは久しぶりだ。起きても、ああこういうことだなと思ったりしていろいろ考えが進んだ。

車に乗って出かけてジャンプとヤンマガ、スピリッツと牛乳とコーヒーを買って袋に入れてもらったのだが、普段は入れないでそのまま持って帰ることが多いけど、入れてもらうと満足度が高いということがわかった。やはりそこで「自分のために何かやってもらう」ということに意味があるんだろうと思う。それが3円や5円で買えるなら、たまにはやってもらってもいいんじゃないかと思った。

そのままドライブして、白狐道を通り、西街道に出てそのまま岡谷の方へ車を走らせる。この道は結構好きだなと思った。小坂で湖周道路に出て、ファミマでエビアンを買い、西街道を引き返して石舟渡で湖周道路に入って家に戻った。このドライブの最中もいろいろ考えが進んだ。

家に戻って自室で「鎌倉殿の13人」の感想を書こうと思ったが、昨日はどうもなんとなく集中してなかったところがあるなあと思い、いろいろな場面を思い出しても誰が何を言っていたのかちゃんと覚えてないところがあったので、今居間に来て録画を見ながら確認することにした。

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「鎌倉殿の13人」第38回「時を継ぐ者」を見た。細かいところで覚えてないところが結構あって、確認しながら書いた方がいいのかなとか思いながら書いているのだが、まあなんというか昨日のドラマに入り込みきれなかったのには原因があるわけで、その辺についてまず書いてみようと思う。

https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/38.html

歴史上の出来事でいえば元久2年閏七月の「牧氏の変」を取り上げた回だった。時政と牧の方(りく)が実朝を自邸に呼び寄せて出家させ、娘婿の平賀朝雅を鎌倉殿の位につけようとしたが、義時らによって実朝は奪い返され、時政と牧の方は伊豆に流されて2度と鎌倉の政治に関わらず、また平賀朝雅は実朝の命という形で在京の御家人たちによって討たれた、という事件である。

この大河ドラマの展開でいえば、第1回以来その朴訥とした開けっ広げな雰囲気で明るいムードを醸し出していた北条時政(坂東彌十郎)と「明るい陰謀家」のりく(宮沢りえ)がドラマから退場するということになる。ただ、今回は公式サイトにもりくのインタビューがなかったので、りくは今後も出番があるのかもしれない。

今回は主人公北条義時(小栗旬)の父時政との別れの場面で小栗さんの渾身の演技が見られたし、次週は「裏話トークスペシャル」ということでドラマはお休みということなので、明らかに今回が全48回の中の終盤10回を前にした中盤最後の見せ場、ということになる。まあそれはわかるのだが、その構成自体になんというかそこはかとない違和感を感じた、というのがある。

どういう違和感かといえば、これまでのこのドラマは毎回のように誰かが死ぬ、戦いや陰謀が次々に繰り広げられてきた「あまりにも人が死ぬドラマ」の中で、今回はいわば「無血クーデター」であり(平賀は討たれたが)、そういう「静かな政変」がクローズアップされたところに理由があったのかなと思う。

畠山や梶原が続滅されてきた中で、北条時政は出家して鎌倉追放、伊豆で蟄居に終わっているわけで、これは野口実さんなどの指摘のようにいわば「出来レース」であったという見方さえあるわけで、ここが山場と解釈するには相当義時(小四郎)の立場に思い入れができなければならず、実際のところ義時が何を考えているのかわからない、特に泰時や時房や政子から見れば、父親(祖父)が兄弟(父)によって殺される、という恐怖に囚われるのは無理もないわけで、その心中を理解しているのは初(泰時の妻で三浦義村の娘)や八田知家などごく少数しかいない。

これは結局時政との別れの場面で小四郎(義時)が大粒の涙を流して「父が死ぬときに手を取って見送ることができない、そうしたのはあなただ、お恨み申し上げます」と父に個人的な心情を打ち明けることでようやくわかるわけだし、また時政の処分を決める文官との会議の中で「伊豆に流罪」という結論が出て、「息子としてお礼申し上げる」と頭を下げるところでも確認される。

そして執権職を継がないことで時政のやったことに対し謹慎を示そうと考えている義時に対し、時政は実朝の口を借りて(本当は和田義盛に言わせるつもりだったが)「鎌倉と北条は頼んだ」と伝えさせ、またりくはトウという刺客を送られながら「私を殺そうとしたでしょ!失礼しちゃうわね」みたいな感じで遺恨を残さない感じなのが面白く、「もうしいさまを煽ったりしないから安心してちょうだい。」とぷんぷんし、「ぐずぐず言ってないであんたが執権を継ぎなさい!」みたいな感じでハッパをかけるところがいかにも「明るい陰謀家」の真骨頂が現れていて面白かった。また、義時が先回りして鎌倉を脅かすタネになりそうなものを排除しようとするのは義時のある種の心配性のゆえなんだ、ということをりくが理解しているということでもあるなと思った。

また面白かったといえばりくを襲ったトウと対峙して、見事な立ち回りを見せた三浦義村が「俺の女になれ」というところは爆笑もので、夜中にも何度も思い出し笑いをした。

また、のえに「北条に馴染むためにはどうしたらいいか」と尋ねられたりくが、「無理に馴染もうとしないこと。そして北条の嫁であることに誇りを持ちなさい」と言われ、のえが「ご無礼いたしました」と引っ込む場面は、悪役にされがちなこの二人だけれども、それだけに二人ともとてもかっこよかった。

あとは時政が義時との別れの場面でいきなりウグイスの話を始め、ホーホケキョと鳴くウグイスはオスだけで、メスへの求愛のために鳴くんだ、という話をするのだが、これはなんというか唐突な感じがしたのだけど、りくへの愛のために精一杯頑張ったんだぞ、みたいな話なのかなという解釈が一番合うのかな、とは思った。まあ時政も義時も、りくも政子も実衣も、皆多くは言わないけれども、ある種の万感の思いがあるのは確かだろうなとは思う。

まあ今回で一区切りをつけ、ラストに向かって走り出すということは、それだけ時政執権時代と義時執権時代が違うということが必要だし、まああとは「影で舞台を回す役」だった義時が「権力者として政治を動かす」時代になるというドラマ上の大きな変化はあるわけで、時政時代には割となあなあだった部分が、「御家人たちに謀反を起こさせないための傲慢なやり方」になるという次回予告もあり、その変化が見どころの一つということになるのだろう。また次回は1208年が舞台になるようなので、2年経過することになる。あと10回のうちに大きな事件は和田合戦、実朝暗殺、最大の山場であろう承久の乱、そして義時自身の死といくつもあるので、どのように描かれていくのか楽しみにしたい。

また、ついに「ラスボス」後鳥羽上皇が義時を敵と認識した、という指摘もあったが、実際には義時自身がラスボスなんじゃね?という感もあるわけで、このあとどのように展開していくのか、作劇上の興味も尽きない。

義時の衣装は今までも変遷はあったが、今回執権になることで黒い衣装になったのは、まさにダークな権力の中心、という意味が感じられる。こういう感じになると個人的な感情というのがなかなか表しにくく、今までは権力者顔になっていく中で時々とぼけた味わいが出る、みたいな感じだったけれども、今回は今回で心情の現れを表現しつつ昔の若武者ではないというところも見せなければいけないわけで、なかなか難易度の高い演技だなと思う。マフィアの親玉がオペラを見て泣く、みたいな種類の可愛げは多分小栗さんのニンではないので、どのような表現に活路を見出すのかは注目していきたいと思う。

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結局見直すことなくここまで書いたが、まあ大体書きたいことは書いた感があるので、後で見てまた付け足すところもあるかもしれないが、今のところはこんな感じでまとめておきたいと思う。

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