【推しの子】95話の地獄の展開/ロシアの徴兵忌避者たちは政治亡命と認められるのだろうか
Posted at 22/09/30 PermaLink» Tweet
9月30日(金)晴れ
今日で9月も終わり。2022年も4分の3が終わった。月日が経つのは本当に早い。このところはだいぶ、ものを考えて少しずつ形にし、少しだけでも前進しながら進められるようになってきたかなと思っているのだが、それをさらに文章にまとめ、本などの形のあるものにしていきたいと思っているのだが、それを張り合いにして少しずつ前進していきたいと思う。
昨日は本当にメンタルもフィジカルも最悪で、だいぶ困っていたのだが、いいこともなくはなくて、疲れはしたのだが少しずつ回復傾向にあるのだろうと思う。
今朝はまとまったことを書く材料がないので印象に残ったことなど少し書こうと思う。
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まずはマンガの話だが、赤坂アカ原作横槍メンゴ作画「【推しの子】」第95話「盲目」、ついにきたかという展開。(ネタバレあります:無料公開は来週なのでそれまで待つ人は次の2段落は飛ばしてください)
アクアが目を背けていた事実の矛盾を、10年以上ぶりに再開した壱護社長(元)に指摘され、動揺するアクア。「あんたの話には見落としがある。あるはずなんだよどこかに!」というのは、今までずっと冷静沈着だったアクアが初めて見せた動揺で、その分重さがあるのだが、「アイを死なせてしまった、アイの仇は取る」というアクアを責める自分自身がまた復活してしまう。「アイを殺した男を見つけて限界まで苦しみを与えろ」と囁く子供アクア(目に星)と「僕は苦しむべきなんだ。アイを見殺しにした僕に下された罰なんだ」と囁く前世のゴロー。それに反論し振り払おうとしたところにいたのは別れてもなおアクアのことを忘れられないかなで、またそこに誤解を増やすことになる。
アクアの中にはアイを死なせてしまったという後悔・自責の念と、アイを殺した人間に対する復讐心の両方があるのだが、その場にいなかったルビーと壱護には復讐心しかなく、その分冷静に状況を見られるということはあるのだなと思った。最も苦しんできたアクアが束の間の「普通の」安らぎを失ったとき、そこに現れたのが「連れて行ってくれる」あかねではなく、「連れ戻してくれる」かなで、しかもそれを拒絶した、ということが今後どのような展開につながるのか、いよいよ目が離せなくなったのだが、ただ残酷な展開にするよなあとは思った。
***
もう一つはロシア・ウクライナ情勢。ハルキウ近郊で大敗したロシアは方針を転換し、占領中の南部東部4州の一方的併合宣言に踏み切った。また一方では戦力の消耗により、今までしていなかった予備役の動員に手をつけ始めた。「部分的動員」と称しているが100万人規模になるだろうと言われていて、徴兵対象のロシア人たちは次々と国外脱出を図っているようだ。また実際に徴兵された人々の写真等を見ると40代以上と思われる老兵も多く、それだけロシア軍も切羽詰まっているようだが、それがまた人々の恐怖を煽り、国外脱出の流れが止まらない状況になっているのだろうと思う。
ロシアもどんどん引くに引けない状況に追い込まれているのだろう。こうした一般国民の徴兵忌避ムードとは別に、クレムリン内部にはプーチン以上の強硬派がいて、少しでも手を緩めると政権内部でクーデターが起こる可能性があるという話もあり、もはや自分の意思だけではどうにもならない状態に追い込まれているのかもしれない。
「難民」という言葉がいつ頃発生したか知らないけど今回の大量出国ロシア人、難民じゃないよね。内戦やってるわけでもない国からの大量亡命者って近代以降初めてだよね。世界はどう扱うのかこれ。
— 第4インター系 (@Lev1026) September 29, 2022
徴兵忌避のために国外へ脱出するというのは、昔からある程度富裕な中間層以上ではないわけではなかったと思うが、これだけ大量の脱出者が出るのは初めてだろうなと思う。
こういう人たちは国際法上、亡命者と認められるのだろうか。今回の事態において、「徴兵=迫害」という認定は難しいだろう。近代国家は徴兵制で軍が運営されてきた歴史を持っているわけだし、徴兵自体を迫害と認定したら近代国家の拠り所がなくなってしまう。結局は単なる旅行者として扱うしかないだろうと思うけれども、彼らが大量に入国した国々がどう対応するのか。今指摘されているのはジョージアやカザフスタンなどの旧ソ連邦諸国やフィンランドなどの国だが、バルト三国など入国を認めない国もある。隣国である日本もこうした現象の対象とならないとは限らないわけで、どう対応するかは考えておかないといけないだろう。その辺りは人道上の扱いとスパイや工作活動防止上の扱いが問題になる。徴兵忌避と称して「Z」のマーク入りの車両で入国する人もいるらしく、実は当局や軍の手のものであったという可能性も否定できないからだ。
ロシアのやり方はこういう杜撰でありつつも強行するというおよそ近代国家らしくないやり方で、建前重視の西欧や手続き重視の日本などからしたら正気の沙汰ではないのだが、そこがまたロシアのロシアらしさかもしれないなあという気もして、今後の展開は予想がつかない。
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