「ウクライナ戦争と世界のゆくえ」を読んでいる
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8月24日(水)曇り
http://www.utp.or.jp/book/b607301.html
「ウクライナ戦争と世界のゆくえ」読んだところまでで知ったこと、思ったこと。どの論文も専門的で参考になるとともに新しい知見があって興味深いところが多かった。とりあえず、鈴木論文と小泉論文を読み終え、あとはざっと見ながら、池内論文もざっと読んだ。森論文のアメリカのところが一番長く、池内論文の中東のところは20ページ。
ロシアに対する経済制裁について思ったこと。ロシアに対する石油・天然ガスの「輸出」禁止という制裁は、日本が戦前にアメリカから受けた石油の「輸入」禁止という制裁に比べれば相当緩い制裁だなと思ったこと。困るのは天然ガスが入ってこないヨーロッパなのだから。
核保有国の資源国に対する制裁というのは軍事的にも経済的にも基本的に困難だなと思う。もっと有効な手立てはないのかなと思うが。
半導体の輸出禁止というのが多分今のところ一番影響を与えられると思うけど、それも中国が抜け穴になりそうだ。台湾が作ってる最新の半導体でなければ中国はいくらでも作れるだろうし。ロシアがどれくらいの数の、またどの程度の半導体を必要としているかによるのだが。
鈴木論文の経済制裁の効き具合の話、小泉論文のロシアの戦争目的と位置付けの話も面白いが、池内論文の「アメリカの中東離れ」に対する中東親米国家の態度がなるほどと思った。安定要因としてアメリカがいなくなるならロシアを呼び込もうという発想があるというのはちょっとびっくり。あとは多極世界論。
冷戦構造崩壊後の世界秩序はアメリカが「唯一の超大国」になったと考えられていたが、テロとの戦争、悪の枢軸、中国の台頭、ロシアの復活も相まってネオコン的な超大国論は後退し、オバマトランプと中東からの撤退が続いている。アメリカは中国との対立を明確に軸にし始めているので、日本はその正面になってきてるわけでアメリカの軍事的プレゼンスは台湾情勢もあり増強とは言わないまでも段階的撤退という感じではない。
この辺りは日本の親米政治家が中国の脅威や北朝鮮の暴発の危険、インド太平洋自由世界論などを一生懸命アメリカに吹き込んだ「成果」という面はあるわけで、逆にアメリカのプレゼンスが減少しつつある中東は親米国家の間で危機感が広がっていて、それが今回のロシアのウクライナ侵略に対する是々非々の対応につながってるというのはなるほどと思った。ともすると韓国が中国とうまくやろうとして日米の不信を買うような現象が中東でも起きているということなんだなと思う。
今後アメリカは中国との対立姿勢を変える可能性はしばらくはないだろうから、日本の外交姿勢は明確でいいと言えばいいわけだが、この対立姿勢が台湾有事への抑止力になるかどうかはウクライナでの米政府・米軍の関わり方がかなり影響するだろうと思うし、台湾有事となったら日本は今のポーランドくらいの危険性はあるわけで、また台湾が共産中国に軍事占領されたら日本の安全保障に重大な影響が出るだけでなく貴重な連帯し得る国家を失うことになるわけで、まずは有事が起こらないように中国を抑えつつ戦力を増強させていくことは大事だろうと思う。
まだ読んでない部分にいろいろと論点はあると思うので、読みながら感じたことを書いていこうと思う。
***
当たり前だけど、毎日毎日日付は増えていき、もう24日。色々なことがちゃんとやりきれないまま時間が進行している。その人の勢いというものもあるけど時の流れる勢いというのはやはり結構大きいなと思う。
今朝久しぶりに裏の畑を見に行ったら、少し前に綺麗にしたはずの木に、もう蔓草がかなり絡みついていて、その予定ではなかったけど今朝はそれだけで結構仕事になり、「運動がわりの草刈り」はそれで終わりになった。もうすぐ栗の実がなる(木にはもう結構イガがついている)ので、落ちるまでに地面を綺麗に草を刈っておきたいと思っているのだけど。
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