信仰の自由と世俗化:今日はフランス革命記念日/家族重視か個人重視か/上杉氏が多すぎる室町時代の関東
Posted at 22/07/14 PermaLink» Tweet
7月14日(木)曇り時々雨
今日は安倍さんが亡くなって7日目なので初七日ということになる。そして7月14日といえばフランス革命記念日、パリのバスティーユ牢獄が襲撃されてフランス革命が始まった日ということになる。
宗教の自由の問題と世俗化の問題で言えば、フランスは革命以後「政府の世俗化=ライシテ」つまり国家と宗教の完全分離を目指す方向に動いた。これが完全に実行されるのがフランソワ・フュレのいう「ジュール=フェリーの学校教師」であり、第三共和制下で確立していくのだが、革命時代に求められたのはカトリックの僧侶・修道士が「フランス王国憲法に忠誠を誓う」ことであって、宗教が国家に従属する、という段階だった。これはローマ教皇を中心としたカトリック教会の制度に対するフランス国家の挑戦、つまり「ガリカニズム」の延長戦という意味も持っている。
フランスでは司祭や牧師にあっても公務員たる学校教師は帽子を取って敬意を示さない、というのが「世俗主義」の表明であって、だからこそ「イスラム教徒の女性が公的な場で宗教信条の現れであるスカーフを被るのを禁止する」わけだ。
日本の場合の「信教の自由」ないし「世俗化」は占領下のGHQによる「神道指令」に始まり、日本国憲法で定められて特に神道が公的な場で特権的な地位を持たないことが重視されてきているが、神道には習俗的な面もあり(もともと神祇信仰全てを神道の名において一括して考えることに割と無理がある)地鎮祭訴訟などさまざまなものが起こったが、現在神道が政治的に力を持っているのは靖国神社問題や大嘗会などの皇位継承儀式に関する部分に限定されている感じがある。伝統教団は仏教も神道もそれなりに政治と和解して強調してきた面があるから、他国によって否定された時に宗教独自の力で勢力を復活するのは難しいのだろう。
伝統宗教が力を失い、新興宗教やスピリチュアリズムが影響力を持つようになっているのは日本に限ったことではないけれども、国のバックボーンとしての思想や信仰の問題はもっと考えられていいようには思う。
安倍元総理暗殺事件をきっかけに統一教会について語られるようになったが、それによって蓋を開けた問題としては「家族か個人か」という問題がある。この問題は世界的な右翼勢力と左翼勢力の対立の根源になっている問題でもあり、その一つの中心であったロシアがウクライナに侵攻するという暴挙によってまた問題が複雑化しているという面もあり、今の時点ではどうも私個人としてまとまったものはかけない感じはある。
統一教会の現在の正式名称は「世界平和統一家庭連合」であり、家族を重視する宗教であることを謳っているが、実際には今回の容疑者の受けた被害に現れているように家族が崩壊し離散する事例も多いわけで、彼らの主張はその通りに受け取ることはできない。
家族と個人の問題に関しては離婚後の親権のあり方として「単独親権か共同親権か」など、関連する問題を言い出せばかなり広がりの大きい問題になるし、自分なりの考えがまとまってから書いてみたいと思う。
「諍いだらけの室町時代」、鎌倉公方と関東管領の対立みたいな話を読んでいるが、足利氏はともかく上杉氏がたくさん出てきすぎて誰が誰なのかイメージが掴みにくい。この時代の上杉といえば一番イメージできるのが扇ヶ谷上杉定正で、これはもうNHK人形芝居の「新八犬伝」の時に重要な登場人物として出てきているので一定のイメージがある。また太田道灌の主君であり、その台頭を恐れて湯屋で暗殺したとか悪役としての条件が揃っているので例外的に印象的なんだろうと思う。(ついでに長尾氏も結構多い)
この辺りは整理しながら読んでみたいが、まあプライベートにおいても趣味においても学問においても整理整理整理で、私みたいな興味関心の持ち方をする人間には整理の才能というか能力というのが一番必要だなと最近痛感している。
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