安倍元総理の葬儀:国葬は行われるのか/統一教会(旧)の記者会見への疑問/「諍いだらけの室町時代」「ゆっくり解説 守護大名」「新九郎、奔る!」
Posted at 22/07/13 PermaLink» Tweet
7月13日(水)曇り
昨日は安倍さんの葬儀があり、多くの国民が増上寺と自民党本部に献花に訪れた。安倍元総理という人がこれだけ多くの人々に慕われていたというのを目の当たりにすると、改めて今回の犯罪が許せないと思う。一部では犯人が統一教会の被害を受けたということである種党派的な同情論もあるようだが、それはそれ、これはこれであり、動機の解明とともに処罰はしっかりと受けてもらわなければならないだろう。
安倍さんを国葬にという声があり、私もそうすべきだと思うが、なかなか政府からその声が出てこないのは、ひょっとしたら警備態勢、世界中から訪れるであろう要人の警護体制に警察が自信が持てないからではないかという気がしてきた。今回の明らかな失態で警察の権威が地に落ちていることは事実だが、ここは頑張ってもらって安倍さんを日本国として相応しい送り方をしてあげてもらいたいと思う。
犯人の背景に関して新しくわかったことはないようだが、統一教会の記者会見に関してはいろいろと異論が出てきているようだ。2009年以降献金をめぐるトラブルはないようなことを言っていたがカルト問題に強い弁護士がそれに異論を唱えているし、タイムラインで読んだが銃撃のようなことをされても警察に被害を届け出ないような団体は後ろ暗いところがあるという警察経験者の話などはなるほどと思った。また記者会見に新聞・テレビ以外の記者を締め出したことも明らかになり、カルト問題を中心に追いかけてきたフリーライターなど「この問題に詳しい記者」を締め出すことが狙いだったのだろうと改めて認識した。統一教会などカルトの問題はもっと広く認識されて解明が進められていくべきだが、まずは山上容疑者本人の同期に関わる部分をもっと解明していってほしい。
***
いろいろと部屋や書類の整理などに追われて、あまり新しい本を読めていないのだが、昨日は「諍いだらけの室町時代」の秦野裕介「伊勢宗瑞による下剋上の虚と実 「正統的」風雲児としての「北条早雲」」を読んだ。この本は全体的に読みやすい。全体の構成が「将軍家・鎌倉公方家の内訌」「守護家の内訌・勢力争い」「守護代の台頭=下剋上の始まり」という構成になっているのがわかりやすいと思った。
あと、この辺りの理解を助けてくれたのが「室町時代ゆっくり解説」の守護大名の回だった。私はあまり動画は見ないのだが、この動画は大変面白く、最後まで見てなるほどと思った。
基本的に室町時代の守護は在京しているので、地元の統治はその代理、守護代が実際には行うことが多いので、守護が守護大名に成長し、さらに戦国大名に成長する、というような図式を一般化するのはおかしいというのは以前から思ってはいたが、なかなかわかりやすく説明してくれていると思った。
守護は在京して室町殿=足利将軍とともに日本を統治するという制度が段々に崩壊していき、在地の守護代や国人領主が実権を握っていくという過程が下克上と表現されるものだというのはわかりやすい。守護が在地化しそのまま戦国大名になった今川氏などの例もあるし、それは国によって事情はさまざまなので、色々な研究を読んでいくことで下剋上の実態のというのはもっと理解できていくだろうと思う。またさまざまな地域における研究も進展してくれると良いなと思う。
伊勢宗瑞=北条早雲についての章は、「新九郎、奔る!」で読んで知ったことなどの答え合わせみたいなところがあったので割とすらすら読めた。物語の方はまだ文明12年(1480)なので、実際に駿河で今川氏親を当主の座につけるために伊勢盛時(早雲)が挙兵する1487年よりはかなり前なので物語の本番はこれからというところだが、この後の今川家との関わりなど興味のあるところは多く、この本の解説も理解の一助としてさらに展開を楽しみたいと思う。
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