「なぜ宇宙は存在するのか」を読み始めた/「自然派スピリチュアル右翼」の衝撃/高等教育の無償化/他
Posted at 22/07/06 PermaLink» Tweet
7月6日(水)曇り
台風が温帯低気圧になり、それでも今日は一日曇りの予報で、最高気温も28度の予想。あまり暑くならなくて済むのではないかと思うけど、というか暑くならないといいなと。
室内の仕事を終わらせてから草取り。昨日は夕方に雨が降り、そのまま庭の木は乾いていなかったようで、朝草刈りをした時にだいぶ濡れたのは、朝露のせいというよりはそのせいだろうと思う。庭石も濡れていて滑りやすかったので草が取りにくいところもあり、明日に回すかなと思ったりする。庭仕事を終えてから入浴し、座敷から庭を見ると蔓草を取り損なったところがあり、あちゃーと思うがまあ仕方がない、明日やろう。
https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000362613
「なぜ宇宙は存在するのか」を読み始めた。最新の宇宙論を簡単に説明してくれてあるのがわかりやすい。
まず、宇宙は全体的にどういうものだろうと考えられているかという話。この本の1-1によると、「宇宙は一様で等方な空間」だと。これは改めてそうなのか、と思った。局所銀河群とか超銀河団とかを調べていると、銀河団の分布は一様ではなく「超空洞」と言われる場所があったりする、というようなことを読んでいたので「一様」とは言えないんじゃないかと思ってたのだが、考えて見ると1億光年の空洞でも半径465億光年(!)の観測可能な宇宙全体の中ではごく一部だということなのかなと思った。
ちなみに宇宙の半径が465億光年というのはいまウィキペディアでみたのだが、137億光年くらいだと思っていたのでびっくりした。宇宙が膨張しているから出来てから137億年の宇宙の大きさがそんなことになっているということのようだ。知らないうちに認識が古くなっていてへええと思う。
1-2は宇宙の膨張について説明してくれているのだが、我々の「身近な」宇宙、太陽系内部とか銀河系内部とかでは「膨張」と言ってもあまり関係ないという話。かかなり離れたところにある二つの銀河の関係とかでないと「距離が広がっている」というのは意味がないと。銀河の内部とかでは「膨張する力」より引力の方がずっと力が大きいので関係ないということのようだ。
1-3では、宇宙に存在する質量の6分の5がダークマターだというのはだいたい知っていたが、ダークマターが標準模型の粒子、すなわち6種のクォークと6種のレプトン(つまり電子とか陽子とか中性子とか)以外の何かであるというのは、はっきり断言していて胸に落ちた部分があった。
ダークマターというのは暗黒物質と訳されるので、子供の頃は単なる星間物質、暗黒星雲を作っている物質だと思っていたのだけど、2000年ごろに「Cold Dark Matter」というサイトがあってそれに関連して調べてどうもそういうものではないようだと理解はしたのだがよくはわかっていなかった。
1-4のダークエネルギーについて、これもわかったつもりでいたが、今回読んだ説明で他の人にも説明できるようになったなと思う。
宇宙の膨張が加速していることが1998年に発見されて、重力による引力があるなら膨張は減速されるはずなので、宇宙の膨張が加速しているという現象を説明するためには正体不明のエネルギーがあるはずだということが分かり、それがダークエネルギーと呼ばれるということなわけだ。ダークエネルギーの説明として一番すっきりしていて分かりやすいと思った。
第2章はビッグバン宇宙論の、ビッグバン後0.1秒後から何が起こったかという話のようだ。おいおい読んでいきたい。
***
昨日ネットでやりとりをしていてそんな人たちがいるのかと新しく発見した気持ちになったのが、「自然派スピリチュアル右翼」という存在だった。
最初はどんなものか見当もつかず、いろいろタイムラインでご教示いただいたりネットを調べていてこういうものかとだんだんわかってきたのだが、「大麻」や「自然農法」、「スピリチュアル」、「東洋医学」、「パーマカルチャー」などにのめり込むグループということで、これだけだと70年台のヒッピームーブメントの焼き直しかと思ってしまうが、そのバックボーンに「もともと日本にあったもの、本来の日本らしさ」みたいなものがあるということのようだった。
大麻も元々は着物を作るための麻に過ぎないわけで、日本ではもともと禁止されてなかった、というのが根拠のようだ。化学肥料や農薬を使わない農法も江戸時代以前の当然の農法だし、神社仏閣巡りやパワースポットなどのスピリチュアル系もそういう「もともと日本にあったもの」という文脈で語られてきて、「東洋医学」も「西洋資本の押し付けである」ワクチン否定とかにつなが流ということのようだ。「パーマカルチャー」というのはWikipediaで調べた範囲くらいしかわからないが、ああこういう感じの考え方ってあるだろうなと思った。「農文協」から本が出ているというのは驚いたが、それだと結構農業者の中には影響を受けている人も多いんじゃないかという気がした。
これらの文化の代表的な人として安倍昭恵さんが語られることが多いようだが、彼女はあまりにトリックスター的で彼女に寄せてこのムーブメントを語ろうとするとおそらく見誤るのだろうと思う。一番なるほどと思ったのは「参政党」についての説明が書かれたこちらのブログだった。
今回の参議院議員選挙に出ている参政党というのはいろいろ語られてはいるけど特に関心がなかったので調べてもいなかったのだが、そういう文脈で語られるとなるほどというか、こういう考え方に傾倒する人たちは絶対いるだろうなと思った。
一番印象的なのは「日本人は「大和魂」を持っており、日本はもともと素晴らしい国であるが、戦後、外国の影響により良い部分が失われてしまったので、それを取り戻そう」という考え方だなと思った。これは要は「伝統的な保守」の考え方であって、例えば出光佐三の著書とかを読んでいると普通に出てくる。戦前に教育を受けた人たちにとっては割と「当たり前」の話であって、ネトウヨのように「GHQの陰謀」だとかを振り回さずにただ「外国の影響で失われた」くらいにふわっと表現しておけばみんな入りやすい内容だろうと思う。
ネットワークビジネスや新興宗教の拡大のノウハウなどもうまく使っているようで、闘争性を押し出した「ネトウヨ」や「NHK党」や「維新の会」に比べてスピリチュアルな側面を強くしていることでより女性を取り込みやすいということはあると思う。私も「日本の保守をどう復活させたら良いか」みたいなことを考えていたから、なるほどこういう方向性こそが「人集め」としては一番可能性があるんだなと思った。
雨宮処凛さん安倍昭恵さんを「ゆるふわ系愛国」と表現していたが、こういうふんわりとした、そして自分を肯定してくれるような方向性が確かに一番ナチュラルに人を集められる方法だろうなあと思った。
そして割と感覚的に理解した感じなのだが、アメリカにおけるトランプ支持層とかメガチャーチに通う保守層というのは「こういう感じ」なんだろうという気がする。ある程度お金を持っていて、「日本を良い国と思いたい」し、「自分が自分であるだけで肯定されたい」という感じを満足させてくれる。これは上手だなあと思った。
参政党なども中心にいる人たちが、ちょっとこの人たちには私などはいかがわしさを感じてしまうので自分としては乗れないけど、より説得力を持った政治家が出てきたら一大勢力になる可能性は十分にあるように思った。
まだあまり調べていないのでなんとも言えないけど、この傾向は注視していくべき存在だと思った。日本を良い方向に変えるためにはなんというか心許ない部分が大きいけれども、日本を良い方向に変えていこうとする指導者たちにとっても、こういう層は掴んでいかなければならない人たちであるということは思う。
久々にいろいろ興味深さを感じた勢力だなと思った。
***
以下雑記的に。
「高等教育の無償化」が従来の方向性が変えられて実施されているということを確認した。授業料減免や奨学金は広く浅くの方が絶対いいと思うのだが、狭く深くになって高卒で働いたあと一念発起して医学部を目指すとかが出来なくなったのだよね。どうもその辺は机上の空論が横行してるように思う。ただ、条件に合う人もいると思うので、「高等教育の無償化」についてはもっと知らせて行くべきだなと思った。
https://www.mext.go.jp/kyufu/index.htm
表現の自由を守ることを目指すためにマンガ家の赤松健さんが立候補していることについて、ある種の人々が攻撃をしているが、「オタク報国会」というのはあまりに妄想的で笑ってしまった。
ロシアのウクライナ侵略によって世界的に石炭火力が見直されているということなのだが、そういう意味では日本の先進的な環境負荷の低い石炭火力技術を売り込むチャンスなのではないかと思った。
https://jp.wsj.com/articles/coal-makes-a-comeback-as-the-world-thirsts-for-energy-11656976862
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