noteと「ぴあ」/上杉氏と長尾氏/Ado「永遠のあくる日」/「2.5次元の誘惑」と「ゴルゴ13」/「海が走るエンドロール」
Posted at 22/07/16 PermaLink» Tweet
7月16日(土)曇り
あまりスッキリしない天気の日が続くが、晴れると暑いので、このくらいでありがたいという気持ちもある。あまり雨が降ると土砂災害等の心配も出るし、なかなかむずかしいところ。気持ち的に余裕があれば、夏はスッキリ晴れて暑い方が気持ちがいいと思うのだけど、なかなか学生時代のようにそういう気持ちにはならない。
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今日はいくつか書きたいことがあって、でもそれはnoteでいいねをもらえそうなネタか、というとまあ難しそうだなと思う。この辺は、昔の「日記猿人」「日記才人」などの感覚が残っていて、毎日投票されて当然、みたいな気持ちがあったりしたのだなと思う。あとはアクセスカウントだが、これもなんだか感覚が違う。noteは有料のものとかもあるし、プロと半プロとアマチュアが同じような感じで舞台に立っているので、さてさてどうしたものかという感じはある。
ただ、これは考えてみると自分の学生時代の「ぴあ」とか「シティーロード」みたいな感じだなと思ったり。自分たち学生がやる入場料500円の演劇と、5000円以上取る日生劇場の芝居とが同じ紙面に載っている感じだ。あの時代のあの自由な感じというのがあの当時はとても好きだったなと思い出した。そのうちぴあも学生の企画とかを掲載するのに消極的になっていき、つまりは「商業誌」化して学生劇団にとっては宣伝が難しい時代になったのだが、あの80年代前半の自由な感じがちょっと今のnoteにもあると言えるのかなとちょっと思った。
今は逆にYouTubeなどもあって素人でもいろいろマネタイズもできる感じになってきて、「商業」の感覚も昔とはかなり違うけれども、あんな感じで稼いでいる人がいるんだなという感覚が見えやすいのは面白いなと思う。もちろんそれだけで生活している人たちのやっていることは、素人とは全然違うだろうとは思うけれども。
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「鎌倉殿の13人」に出てくるように、鎌倉時代の関東には在地の武士が在京活動などをやりつつたくさんいて、その多くが源頼朝のもとに糾合されて御家人団となり、鎌倉幕府を支えつつ内部抗争も続けて時々滅亡したりするわけだけど、足利尊氏が鎌倉幕府を滅ぼして、その子が鎌倉公方となって関東を支配するようになったあとは、鎌倉公方となった足利氏が名目上頂点になり、その下に関東管領として上杉氏がいて、その上杉氏の家宰として長尾氏がいて、そして鎌倉以来の多くの在地武士たちが鎌倉府にとっては外様的に存在し、自分たちの領地を支配しているという構図であったわけだ。
足利氏は鎌倉公方として関東を抑え、ただ京都室町の幕府に対してある程度の独立志向を持っていたためにその下の関東管領の上杉氏と対立することが度々あり、上杉禅秀の乱では犬懸上杉氏が敗北したが永享の乱では鎌倉公方側が倒された。その後復活するが再び享徳の乱を起こして京都および上杉氏と対立し、古河公方となる。
この状況の中で幕府は将軍義政の兄である政知を鎌倉公方として派遣するが鎌倉に入れず伊豆にとどまり、堀越公方となる。享徳の乱の和解が成立すると堀越公方家は余計な存在になり、伊豆一国を支配するだけになるが、政知の死後に排除されていた長子の茶々丸が嗣子を殺害して堀越公方を継ぐ。茶々丸の弟の一人は京都に逃れて細川政元に擁立され、11代将軍義澄になる。茶々丸は幕府の命を受けた伊勢盛時に討たれ、堀越公方は滅亡する。
その後古河公方からは小弓公方が離反し、最終的には秀吉の時代に小弓公方が古河公方の娘を娶ることで統一と存続が図られ、江戸時代は喜連川藩として存続することになる。
上杉氏は家祖の上杉重房が親王将軍である宗尊親王が鎌倉下向の際に付き従って鎌倉に来て、その後足利氏に臣従するようになり、尊氏の時代以降活躍する。関東管領となったのは犬懸家と山内家であるが上杉禅秀の乱以降は山内家のみになる。この分家が越後上杉家であるが、そこから入って山内家を継いだりもしている。
早くに系統が分かれたのが扇谷家で、この家は関東管領の山内家に対して相模守護などを務めていたが、騒乱の中で勢力を伸長させ、享徳の乱の時期から出てきた扇谷定正が有名だ。関東管領と古河公方の争いであった享徳の乱ののち、山内家と扇谷家の争いである長享の乱が起こり、その間隙を縫って伊勢宗瑞(盛時、北条早雲)が関東に侵入してくる。
長尾家は源義家の家来だった鎌倉権五郎景正の子孫であり、大庭氏や三浦氏と同族であったが、三浦氏の下に入り、源実朝の暗殺事件では下手人の公暁を捉えて首をとるという功を上げている。しかし宝治合戦で三浦氏が滅亡すると長尾氏もほとんど死に絶えるが、生き残った四代景忠の子孫がやがて上杉氏に仕え、南北朝時代からまた名前が出てくる。
長尾氏も多系統に分かれるが七代景忠(四代と同名)の子・孫の代から嫡流の鎌倉(足利)長尾氏と庶流の白井・総社の両氏、また越後長尾氏が分かれ、越後長尾氏も嫡流の越後守護代を務めた三条(府中)長尾氏と古志長尾氏、上田長尾氏に分かれることになる。
のちに山内上杉氏を継ぎ、関東管領となる上杉謙信=長尾景虎は三条長尾氏であり、その後継となった姉の子の景勝は上田長尾氏に属する。
また関東の長尾氏は古河藩土井氏の家臣となった系統と米沢に移った後の上杉氏の家臣となった系統の二家が明治維新まで存続しているようだ。
とこのように整理してみるとだいぶわかった感じになるが、それでも無前提に個人名が出てくるとなかなかどの系統だっけということはよくあり、確認しながら読まないとわからない感じになる。
秀吉の時代に後北条氏が滅ぼされ、家康が関東に入部したことにより、関東は主に家康の家臣団が支配することになるが、鎌倉以来の家柄等がどのような形で残っているのかとかは調べてないところが多くてわからない。足利・上杉・長尾等の生き残り状況はそんな感じである。鎌倉以来の家柄ですぐ思い出すのは常陸佐竹氏だが、この家は秋田(久保田藩)に移封されているので関東には残っていない。
ただ韮山代官の江川太郎左衛門家が源頼親(大和源氏)の子孫として頼朝に江川荘を安堵され、以来伊豆に土着し続けているなどの例があるので、そうした古い家柄も色々な形で残っているのだろうとは思う。
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二つ目。昨日車を運転しながらFMで中村莟玉さんの「KABUKI TUNE」を聴いていたら「永遠のあくる日」という曲がかかり、いい声・いい歌だなと思って聴いていたら「うっせぇわ」のAdoさんだということがわかり、驚いた。この曲をリクエストしたのが先代のパーソナリティの尾上右近さんだとわかり、この歌い方がまさに浄瑠璃だ、と絶賛していて、私も「語り」的な「歌」の一つだなと思いながら聴いていたので、とても共感した。Adoさんの歌は感情の入れ方が独特というか自由自在な感じがしてすごいなと思っていたが、確かに浄瑠璃とか長唄の技術に近いのかもしれないと思った。AdoさんはアニメのPVの印象が強いけれども、歌だけでじっくり聴いてみるのも良いと思った。
何度聞いても声がいい。こういう革命的な声の持ち主というのは、宇多田ヒカル以来ではないかと思った。ファルセットでも地声でもその間でも装飾音的に半音弱下げたりとかが本当に自由自在にできるのはすごいなと思う。
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ジャンプ+連載中の橋本悠「2.5次元の誘惑(リリサ)」は今週は休載でイラストが掲載されているが、感想コメントを見ていて公式サイトの方でインタビューが更新されていることを知った。色々な場所に掲載されていたものを集めて全部読めるようにされていたのがとても良かった。
一方、昨日たまたま見ていたら「ゴルゴ13」のスピンオフで「Gの遺伝子」というのがビッグコミックオリジナルの増刊号に掲載されていることを知ってKindleで買って読んだのだが、本編で出てきたゴルゴの輸血を受けた女子中学生の話の続きのような感じなので、本編の方を読もうとしたのだが収録巻がなかなかわからず、とりあえず読むのを中止した。時代が違うこともあるが、ジャンプ+の方が「痒い所に手が届く」ようなことをやってくれる感がある。「Gの遺伝子」が掲載された206巻は9月に発売されるそうなので、そちらの方に期待することにしようかと思う。
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もう一つマンガのことでいうと、昨年「このマンガがすごい!オンナ編」で1位になった「海が走るエンドロール」だが、先日3巻が出た。夫をなくし、Aセクの美形の男子=カイ(海)というキャラクターに「映画を撮る側の人間なんじゃないか」と言われて65歳で映画を撮るために美大に入り直した女性=うみ子の話なのだが、3巻では課題として作った短い作品が教授に評価され、また芸能人のsoraにもいいと言われたりして、映像関係のバイトを始めたり、人生が動いている感じがしていいなと思った。これも時間がある時にもう一度一気読みしてみたいと思っている。
断片的に色々書いたが、まあ半分は日記なのでこんな感じがいいのかなと思う。
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