手元用のメガネ/京に勝る鎌倉の繁栄/「歴史や思想というインフラ」と「良い生き方」というもの
Posted at 22/06/28 PermaLink» Tweet
6月28日(火)晴れ
関東甲信越は昨日梅雨明けとのことで、一日中すごい暑さだったが、今朝はひと段落した感じがあって少し涼しい。とはいえ諏訪でも最低気温は20.1度で、東京は24.8度だからほぼほぼ熱帯夜。この季節の爽やかさは流石に諏訪の方が上なので、その辺りはありがたい。
昨日は一日中飛び回っていたので夜は疲れが出て、歯も磨けずに寝てしまい、夜中に一度起きて歯を磨いてから寝た。以前から寝ていて時々脚が硬直するという現象があるのだが、昨日は歩いていてそうなったので少し困った。まあ痛いだけで歩けるのでなんとかはなるのだが、「散歩を楽しむ」ということがしにくいのは困る。運転に支障が出ることを危惧していたのだけど、それはなかったのが助かった。
手元が見にくいし遠近両用眼鏡を作ろうと出かけたのだが、結局遠近両用というより手元専用のメガネを作ることになった。私はもともと近視が強いので、どんな場面でも使えるものはいろいろ大変なようなので、それならばと思ってむしろ手元がよく見えるものを作ることにした。結局近視と老眼の二つの要素をカバーする眼鏡ということになるから結構高い。というか、自分のメガネ購入史上の最高価格になったと思う。子どもの頃、なんとなくメガネに憧れていたのだがめでたく近視になってしまい、その後ずっと離れられないわけで、近視などになるものではないなと今では思うのだが、子どもはバカなのでまあ仕方なかったなとは思う。
「鎌倉殿の13人」、前回の牧の方(りく)と頼朝の会話を考えていて、頼朝は朝廷をうまくコントロールできないし鎌倉を京都に負けないような都にする、みたいなことを言うと、それはよくない、朝廷にもっと介入すべきだ、みたいなことを牧の方はいうわけだけど、それは京都出身の牧の方ならではの発想もあり、鎌倉の発展=東国政権の繁栄という方向性が見えないのだなとは思った。
少なくとも当時は京都の方が文物が豊かであったことは間違いないし、三代将軍実朝も一辺倒の京都びいきという感じだったが、鎌倉政権の御家人たちも血で血を洗う抗争を繰り返しながらもどんどん文物が豊かになっていくわけで、鎌倉時代も末期になると、「徒然草の良い写本を手に入れて欲しい」と依頼された六波羅探題が、「徒然草の良い写本は京都よりも鎌倉にある」と返事をしたという話もあり、文化的にも鎌倉は京都に負けないほどの充実ぶりを示していくことになる。まあそれは100年ほど後の話なのでそれを持って牧の方が納得するということはないだろうが、その間には承久の乱という決定的な東西権力バランスの崩壊があるから、まあ同列に語れるわけでもないのだが。
「良い生き方」というのはどういうことなのだろうとふと思ってみたのだが、結局は自分にとって「良い」と思うものを増やしていく、身の回りに、そして世界に増やしていく、というのが「良い」生き方なのかなと思った。なるべくなら人が良いと思うものを邪魔したり否定したりすることなく、世の中の「良い」を増やせれば良いと思うのだが、そのためにはインフラストラクチャーが整備される必要はあるだろう。
昨日いろいろ考えていて思ったが、例えば歴史学というのはものを考える上で歴史を踏まえる必要があるときに、その踏まえるべき歴史を提供する、そういう意味で人文系学問の一つのインフラストラクチャーだなと思った。だからそういうインフラ系の学問があまり不安定だと困るわけだけど、まあ世の中の見方をその上に立てる土台だからこそ、さまざまな歴史観が提出されて、世の中の見方自体を変えてやろうという野心もまた介入してくるということになるわけだけど。
思想というものも、一つ一つの良いものを取り上げ、吟味する上で役に立つ一つの方法と考えた方がいい気がしてきた。思想そのものに価値があると思ってしまうとそこに倒錯が起こり、思想で良いか悪いかを判断する本末転倒が起こってしまうなあと思った。自分もしばらくの間、といっても20年くらいだけど、思想にちょっとこだわりすぎた、というかあまり得意でないものに拘泥し続けた感じがあるなと思う。
一つ一つのもの、一人一人の人をもう少し見ていくようにしていきたいと思った。
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