「権威主義体制」成立の契機としての「六四天安門」
Posted at 22/06/03 PermaLink» Tweet
6月3日(金)晴れ
昨夜は結局足湯も入浴もしないで寝たせいか、それともなんとなく夕食を食べ過ぎたせいか、あるいは頭を使う仕事が多かったせいか、あまりうまく眠れなかった感じ。12時に床に入り4時に出ているので4時間は寝ているはずだが、頭の中が猛烈にごちゃごちゃしている感じがあって寝起きもあんまりスッキリしなかった。
なんとなくカレンダーを見ていて明日が6月4日、つまり1989年の「六四天安門」から33年の日だ、ということに気がついた。毛沢東時代の社会主義国から、鄧小平や胡耀邦、趙紫陽らによる「改革・開放」政策が進み、中国社会も自由主義の方向へ行くのかという希望が打ち砕かれ、現在の経済自由主義・政治は一党独裁の「権威主義体制」への意向を決定づけたのは、今考えてみると六四天安門であった、と考えていいのではないかと思う。
ソ連の「ペレストロイカ」と中国の「改革開放」は、当時を生きていた、特に社会人になったばかりのわたしたちの世代にとって、「世界が変わる」という実感を伴う出来事だったし、それが「ベルリンの壁崩壊」や「ソ連解体」「東欧諸国の革命」という形になって実現し、「歴史は変わり得る」という希望は持っていいと思わせてくれる出来事だった。
その中で中国はひとり一党独裁への復帰に回帰して世界の潮流から外れたように見えたわけだが、欧米諸国と違って日本は中国に融和的な姿勢を取り、権威主義体制の成立をアシストした感が今から思えばある。
一方の民主化が進むと思われたロシアでも、1994年にはエリツィンが独立を図るチェチェン共和国の鎮圧に乗り出し、1999年に首相になったプーチンが第二次チェチェン紛争で徹底的な鎮圧を図ることで権力を確立して権威主義的な方向でロシアの再建が行われることになった。
日本にとっての対ロシア外交の最重要課題は北方領土の返還だったが、日本は結局それをロシアに利用されてその後のプーチンの諸国・諸民族への侵攻にも強くは非難せず、融和的な姿勢に終始したが、それが今日の事態につながっているということもまた言えるだろう。
1989年から20世紀いっぱいにかけての中国やロシアが、権威主義以外の方向の道を取ることが可能だったのかどうか、なんとも言えないが、日本は日本国憲法の「平和を愛する諸国民の公正と信義」とあるこの文言を、つまり「平和を愛する諸国民」を「連合国=戦勝国」と読み下してしまい、中国やロシアもまたこれらの一部であると考えてきてしまったわけだけど、今明らかになっているのはこれらの権威主義諸国は日本国憲法でいう「平和を愛する諸国民」には当てはまらないということで、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会」は権威主義諸国の在り方に反対しなければならないのは明らかだろう。
逆に言えば、中国やロシアをこの「平和を愛する諸国民」に含めるならば日本国憲法前文は空文化してしまう。というか、私はずっとこのいわゆる「押し付け憲法」に反対する気持ちがあったのだが、今はむしろ彼らのあり方を批判する日本としての根拠として、この憲法を積極的に使っていくべきではないかと思っている。
昨日はワールドカップ予選でウクライナがスコットランドに勝利し、ウクライナ軍の士気も上がったようだが、6月4日もまた改めて権威主義体制による侵略や弾圧を批判する一つのきっかけになればいいなと思っている。
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