「100カメ:鎌倉殿の13人・富士の巻狩」:壮大なドラマを予算内でどう見せるか/現代アメリカと江戸時代日本:武器とともに生活する社会
Posted at 22/06/15 PermaLink» Tweet
6月15日(水)雨
梅雨らしい天気が続く。昨夜は気温としてはそんなに寒かったわけではないのだが気持ち的に冷えた感じがして、仕事を終えて帰るときに寒いなあと思いながら帰った。家ではまだ時々ストーブをつけている(今もだが)のだが、もちろん春先よりは頻度は低い。
今朝は昨日来た郵便物を軽く整理しようと思っていろいろ見ていたら、気がついていなかった払っていないお金のことなどに気がついて、あれまあと思った。そのほか書類を見ているといろいろなことが出てきて、やはりこういう仕事は朝からやると他のことができなくなるなと改めて思った。
***
昨夜は「100カメ」の「鎌倉殿の13人・富士の巻狩」の回を見ていたらとても面白く、ワクワクした。撮影日が3日間、エキストラもスタッフも100人強というすごいロケなのだが、1日目に雪が降ってしまって予備日に1日で撮るしかなくなったというのは自然相手のロケならでのエピソードだなと思った。実際の富士の巻狩は旧暦の5月から6月にかけてなので新暦では6月から7月、ロケは3月に行われたようだから流石に寒すぎるというか実際はもっと草木が生い茂った中でやっていたのだと思われるが、秋から冬にかけて行われたように見えたのはまあロケがそういう時期だったから仕方がないといえばないのだけど、そこまでうるさく言っても仕方ない。頼朝や義時、義村が映っていた場面でめちゃくちゃ風が強くてどういう演出なのかなと思っていたが、これは本当に嵐のような強風が吹き付けていたのだということを知って盛り上がった。
https://www.nhk.jp/p/100cam/ts/QP8MPNM1GL/episode/te/W4Y5XV3PYM/
予算の潤沢な映画なら(日本映画でもはやそれは難しいとは思うが)何年もかけて実際の季節に撮ればいいわけだがテレビでは流石にそういうこともできないので季節外れのロケにならざるを得ないということなのだろう。それでも100人のエキストラを仕切ったり指示を伝達したりする監督や助監督など演出関係、実務関係のところに密着していたのは、自分が演劇をやっていた頃を思い出していろいろ懐かしかった。
「成長著しい泰時」(そんなに時間がたっていないのに子役から本役に代わったことにあえて突っ込ませるという小劇場的手法)もそうだけど、やはり予算の限界というものは見えてしまうので、そこをあえて取り繕うよりもキッチュな感じで見せる場面が結構あって、これは三谷さんの手法なのだがそこを面白く見てくれる人はいいが、ヴィスコンティの撮った「ヴェニスに死す」のように何十年も前の当日の新聞をわざわざ作らせるような金のかけ方のゴージャスな画面を見たい人にとっては、これだけやっても物足りなくはあるだろう。まあもちろんコスチュームプレイ(時代劇)の限界というものはあるのだけど。
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/23.html
ただ、宣旨とかの文書関係や細かいところはそんなにお金をかけずに考証がちゃんとしたものを出せると思うし、その辺のところは大河はすごく充実しているのだろうと思う。タイムラインを見ていると衣裳関係の人からの「烏帽子が大きすぎる」などの指摘はあるのだが、この辺りは見栄えの問題もあるので難しいところだろう。
エキストラ100人が流れ作業でメイクされて衣装を着せられていく様子はかなりウケた。現場を見ていたら相当盛り上がったと思う。現代人がいきなり中世人に変身するのだからこの辺は時代劇の醍醐味だよなあと思う。
狩猟における弓の引き方とかがどれくらい事前にレクチャーされているのかちょっとよくわからなかったが、エキストラの弓の引き方はあれでよかったのか、ちょっと気になった。
予算がないとどうしても室内劇中心になってしまうけれども、このような壮大なスペクタクル、展開される一大ページェントもまた大河ドラマの魅力なので、こちらもせっかく受信料を払っているのだからどんどん予算を注ぎ込んで素晴らしい画面を作ってもらいたいものだと思った。
しかし猪の場面は動物園で撮っているとは知らなかった。(笑)まあ流石に危険だよなあ。
***
昨日は結構歩き回ったり母を歯医者に連れていって車椅子で段差を登ったりしていたので久々に身体を使った感があり、夜は割合よく眠れた。草刈りなどの作業も体力はいるが、歩くのが重要だなと感じさせられた。なるべく歩くようにしようと思う。
***
読みがなかなか進まないので昨日はちょっと方向性を変えて「日本刀物語」を読んでいたのだが、刀というものに関して様々なエピソードが残っているのだなと素人ながら感心した。刀剣に関しては最近女性で関心を持つ人が多いというが、もともと国宝の点数も日本刀が一番多いと聞いたことがあり、まあ自分は日本刀より陶磁器の方に関心があったからあれなのだが、刀というものは基本的に武器で人を斬るものだから、まあ武士の象徴ではあるのだよな。
武士身分が廃止され、刀剣の所持が禁止されるようになって、江戸時代以前の日本はまあいえば今の銃器の所持が基本的に自由なアメリカみたいなものだったのだなと思うが、刀剣や小銃を所持する世界が現在のウクライナ情勢や北朝鮮のミサイル乱発、中国の太平洋進出などと重なってくる面もあり、武器というものと生活する社会というのは基本的にピリッとしたものが必要なわけで、陶磁器を愛でていた人々はある意味現実と違う世界に遊んでいたのだということでもあり、日本の来し方と行く末についてまたちょっと考えたりした。
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