ネットとの対し方/ロシアの対独戦勝記念日と今後の方向性/外交・政治的な「力」とその背後にある「哲学」「価値観」
Posted at 22/05/10 PermaLink» Tweet
5月10日(火)曇り
昨日の雨の後、かなり冷え込み、今朝の気温は5度近くまで下がった。このところ中途半端な疲れ方なので睡眠時間も短くなってしまっていけないが、今朝も4時前に一度目が覚め、お茶を飲んだり入浴したりしてからもう一度床に入ったが、眠りには戻れずに5時前に起きた。洗い物をしたり少しTwitterを見たりしてから車で出かけ、ボスのカフェオレを買ってなんとなく湖岸をドライブしたりしながら古楽の楽しみを聴いていた。
どうも目がかなり疲れているのでスマホを見る時間を減らそうと思うのだが、つい見てしまってああまた疲れた、みたいな繰り返しになっている。少しネットに対する対し方を変えたほうがいいなと何十回目かの思考をしたりしている。
これも不思議なのだが、ネットから綺麗に離れて最近あの人全然見ないなと思うような人もいなくはない。2002年の拉致被害者帰国の頃によくやりとりをしていた人たちや、2011年の東日本大震災の頃にやりとりをしていた人たちの中で、もう全くネットで見かけなくなった人もかなり多い。自分の本来の仕事に専念されているんだろうなと思うとそのほうがいいなと思う一方、自分はさまざまな思考の源をネットから得ているところも多いのでなかなか離れるのも難しいということもある。子供のゲームの時間みたいに何時間までと決めておくのがいいのかもしれない、とか思ったり。
昨日5月9日はロシアの対独戦勝記念日で、この日にプーチン大統領が今までの戦果報告とこれからの方針を述べるのではないかという観測もあったが、あまり目立ったことはなかったようだ。その中でこれもネットで読んだ観測だが、プーチンは「国土防衛」という表現にかなり力点を置いて演説したからウクライナにおける占領地の維持に国民を督励するだろうと言っていた方があり、これはそうかもしれないと思った。これ以上戦線を広げることは無理と見て、今まで確保した東部ドンバス地域から南部ヘルソンなどクリミアの外周地帯を死守しようという戦略はわからないことはない。ただウクライナはその状態に納得するということはないと思われるのでウクライナ側が奪還に向けて攻勢を強め、ロシアが守勢に立つという展開になるかもしれない。
今朝読んだ表現にロシアの外交力・政治力における「シャープパワー」というものがあり、軍事力などのハードパワーと自国に共感を呼ぶようなソフトパワーの両面ではロシアは戦闘的に押されがちでもあり西側の民主主義・自由主義体制の方とそれを目指し自国を防衛するウクライナへの共感が広がるなど失敗しているが、世界的に見れば(アジア・アフリカ・ラテンアメリカなど)ロシアのスプートニクなどによる情報操作がある程度功を奏しているという可能性もあるなとは思ったのだが、特にAALAでは潜在的にアメリカやイギリスに対する反発があってそうした情報戦略がうまく行きやすい下地はあるだろうなと思った。
この辺は結局「価値観」の問題であるわけだが、リベラリズムの計画主義的・伝統否定的な価値観が全ての人に共感されることはあり得ないし、帝国主義の残滓のような独善的な勢力圏に基づく価値観が世界の大半に受け入れられるということもないわけだけれども、その辺りは政治的な「力」の問題だけでは片付けられないので、多面的に考えていく必要があるだろう。
ただしかし、ロシアやウクライナもそうだが欧米諸国を見ていて改めて思うのは、政府や政治家のいわゆる「哲学」が局面を動かす力を持っているなということだ。ウクライナの侵略に対する徹底抗戦の意思の表明はもちろん、ロシアの自らの価値観(こちらから同意はできないが)にこだわり抜く姿勢、自分たちはこの価値観に基づきこちらを支持するというはっきりとした態度表明などにそれらは現れていて、ドイツやイスラエルなどスタンスが定まらない国の「哲学」はあまり見えてこない。それらの国は「哲学」より「自国の利益」を優先しているということで、それはもちろん重視すべきなのは当然なのだが、その辺りが見えてこないと支持は得られにくいということはあるだろうなと思った。
ただ日本やドイツのような第二次世界大戦の敗戦国はその辺りの「哲学」を明確に示しにくいという足枷があるのも確かなのだが、ロシアから多大な利益を引き出した上で哲学が不明瞭だと非難されるジレンマはある。日本もロシアだからまだ姿勢をはっきりさせやすいが、どういう「哲学」を持って対処しているのかは見えてきにくいところはある。国際法を守るという線に徹しているのは一つのあり方だとは思うが、国際法を破る国に対しての姿勢の示し方としてそれでいいのかということはあるだろう。これが相手が中国になった時に経済界からどういう動きが出るかということを考えるとなかなか大変そうだなとは思う。
日本が今後どのように国家を運営していくかということについては大きな未知数がまた加わった感があってなかなか難しいが、今後さらに外交や政治の技術が問われるとともに日本がどのような価値観を世界に提案していくのかというところももっと深めていく必要があるのだろうと思った。まあ日本国内でもネットを見ていれば共通の価値観を形成することの困難さははっきりとあるわけだけど。
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