マンガ・マンガ・マンガ:紫式部とか熱海のクリーニング屋さんとか鶴田謙二さんとか
Posted at 22/04/26 PermaLink» Tweet
4月26日(火)曇り
昨日は漫画誌を5冊と単行本を2冊読み、夜は10時半ごろ入浴してから寝たのだが、2時半ごろに目が覚めてしまい、それでもごろごろしたりして5時前に起き出していろいろやっていたりしたのだが、なんとなく体調が良くなくてもう少しマンガを読むのもかげんしないといけないかなという気がする。
月刊アフタヌーン6月号、月刊ビッグガンガン5号、週刊少年ジャンプと週刊スピリッツ、ヤングマガジンの21・22合併号、スペリオール10号。コミックスはD・キッサン「神作家紫式部のありえない日々」1巻、はっとりみつる「綺麗にしてもらえますか。」8巻。そして今朝読んだのが鶴田謙二「モモ艦長の秘密基地」1巻。なんでもそうだが、本というものは見た時に買っておかないとなくなってしまうのですぐ買うのだが、特にマンガはなるべくすぐ読まなければと思ってその時に読むことになりがちで、昨日のように発売の多い日には時間があったら読んでしまう。仕事のある日は読み切れず後に回すこともよくあるのだが、そうなると読まずに忘れてしまうということもある。あまりマンガに振り回されるのもどうかと思うので、ちょっとそういうところも見直さないとなあと思う。
子どもの頃から大学生にかけては普通にマンガを読んでいたのだが、ある時期から80年代ニューウェイブのような作家性の強い作品を除いては少年誌や青年誌を読まなくなっていたのだけど、創作にトライしていた時期にジブリのアニメとかも見た方がいいというようなアドバイスをもらったことがあり、宮崎駿作品はその頃に一気に全部見たのだが、そのあとはマンガに手を出して読み始めた。最初は「このマンガがすごい!」に出ていた上位の作品、それがたまたま「進撃の巨人」だったのだが、その辺りから読み始め、売れている作品は読んでみようと「OnePiece」を読み始めたら結局ジャンプも読むようになり、そのあたりからどんどん拡大していった。
最近は創作のことも停滞していて、読者として読んでいるだけなのだけど、マンガ評論的なものは自分よりもっと先行している人は多いし、いろいろ読んでみてもこういうことがやりたいわけでもないなあという感じがして、評論というよりは感想を書く感じになっている。
昨日今日単行本で読んだ作品を紹介しておくと、「神作家紫式部のありえない日々」(1巻)はコミックZERO-SUMで連載中で、中年主婦で同人活動にいそしむ藤原香子が宮中で同人誌(源氏物語)の評判が良くなり、中宮彰子の家庭教師として宮中に上がり、紙や墨に不自由しない環境を与えられたものの七転八倒しながら物語を書き綴っていくという話で、概ね史実に沿って書かれているようで、いろいろとへえっと思いながら読んでいる。紫式部を同人作家、小少将の君をおたくの腐女子と現代に置き換えて描いているのが工夫なのだけど、いろいろなるほどと思って面白い。
「綺麗にしてもらえますか。」(8巻)は熱海のクリーニング屋さんの話。主人公の綿花奈さんは開業前の記憶を失っている若い女性で、温泉ばや別荘に住む人たち、土産物屋で働く人たちや市役所の人たちなど熱海の地域社会や景色を描きながらゆっくりと日常が進行していく、という感じの話。昨年の熱海の土砂災害の際には、この作品を読んでいたこともあり、また私の地元も温泉地であることから、応援の意味で寄付をしたりした。今回は芸妓さんの話などでてきて、温泉地らしい話になっているなと思った。
「モモ艦長の秘密基地」(1巻)は寡作で知られる鶴田謙二さんの最新作。季刊誌の「楽園」で毎号掲載されているということで、なかなかヒットであると。宇宙をいく貨物船の艦長(と言ってもひとり乗り)の延々とつづく一人の時間を本を読んだり電力不足に悩んだり猫にからかわれたりしながら毎日が続いていく全裸青年女性の話なのだが、まあこの辺りは鶴田作品のスタンダードなのだけど、昨今は商業誌では難しくなってきたのだろうか。「楽園」は以前読んでいたが割となんでもありの雑誌だし基本女性向けの漫画誌なのでむしろ連載しやすいのかなと思った。怠惰な主人公がいろいろ頑張るがうまくいったり行かなかったり、という感じで、弐瓶勉作品の主人公が大体同じ顔をして硬質な物語が展開していくのと同じような感じで同じ顔で同じ体つきの主人公が怠惰だったり熱心だったりミステリアスだったりしながら恒常的な宇宙が続いていく感じだ。
こうして書いてみるとジャンプなどに連載されてる作品とは違う傾向の作家性のある作品が並んだなと思う。こういうのが以前から読んでいた作品には多いわけだけど、こういうものもまた読んでいきたいなと思った。
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