明け方目覚めて後悔や不安について考える/ジャンプ+の「さよなら絵梨」と「魔法少女マジルミエ」/小平奈緒さん引退表明と将来への抱負
Posted at 22/04/13 PermaLink» Tweet
4月13日(水)晴れ
車を運転しながらFMの天気予報を聞いていたら、今日までは晴れて暑く、明日からは雨になって気温も平年並みになるということだった。今日はよく晴れているし、桜もほとんど満開になっていたが、明日の雨でどうなるか。1週間前には全然咲いていなかった桜が花くたしの雨に晒されるのも可哀想だけれども、このところずっと天気が良くて空気が乾燥している感じはあるから、少しは降った方がいいのかもしれない。
昨日は11時半頃寝たのだが、今朝は4時頃に目が覚めてしまった。少し食べすぎて、眠りが浅くなったのかなという感じがする。週の後半になっていろいろと考え事などが重なってくると体調の不審な点も何が原因なのか見つけにくいのだけど、昨夜は賞味期限が迫っているものを食べたせいもあって少し食べすぎた感はあったから、そのせいでちょっと調子が悪いんだろうなと思う。気をつけよう。
夜中に目が覚めてしまうとさまざまな不安や後悔に襲われることがある。これは「鬼平犯科帳」に「夜、目が覚めると昔やった悪業を思い出して冷や汗が流れる」と鬼平が言う場面があるのだが、これは昔はあまりピンと来なかったけど、最近はよくわかる。若い頃に比べると少し気力が落ちていると言うこともあるのだろうと思うけど、過去のことも未来のこともネガティブに考えてしまう傾向が出てきて、特に「何かを為す」ための時間でない本来の睡眠時間にそう言うものが訪れるとそう言うネガティブな「気分」を立て直す景気が掴めないまま、「眠れなかった」と言うネガティブがまた加わる、と言う悪循環になる。
いろいろなことを思い出してああすればよかったとかあれは失敗したみたいなことを思ったり、考えを変えて明るい未来のことを考えようと思ってもあれはどうなるんだろうこれはこれでいいんだろうか、と言うようなつまらない不安に囚われたりする。まあ気力がある時は深く眠れるからそう言う問題とはあまり付き合わないで済むのだが、中途半端に疲れていたり、昨夜のように無駄に食べすぎたりすると眠りが浅くなってそう言うことが起こりやすい気がする。
それで今朝はさらに考えを変えて、というか後悔を感じたり不安を感じたりする自分を客観的に観てその辺を自分なりに理論化ないし構造化してみようと思った。そう思うだけで割と気持ちが落ち着くのは、自分が生きる上で「考える」と言うことが一つの切り札というか、またあるいは「考える」ということをすることで満足ないし充足する面が自分にあるからだなと、これは以前から思っていたのだが、改めてそう思った。
後悔は過去のことに対してネガティブに回想すること、不安は未来のことに対してネガティブな感情を持つことだなとこの二つを時間軸で整理し、それならポジティブに考えればどうなるかと言えば、「自信」という言葉を思いつく。じゃあ「自信」というのはなんだろうと考えてみると、これはつまり過去の自分についてポジティブに評価している状態と言えるのではないかと思う。過去やってきたことに満足している、ないしOKとか大丈夫、とか思っている状態。それに基づいて未来も大丈夫、と思っている、ポジティブな未来を想像できる状態のことを「自信」というのだろうと思う。
だから例えば試験で言えば、これだけ勉強して試験範囲は全部理解できるようになったから大丈夫、というのは過去の自分のやったことを評価してポジティブな判断が下せる状態だということになる。逆に、「根拠なき自信」というのもあるが、これは他人から客観的に観て根拠がないだけで、自分の中には「俺はツイてる」「持ってる」とか「他のやつは俺よりできない」とかなぜそれが根拠になるのか他人からはわからないけど自分の中には根拠になるものはあるわけだ。そういう状態でも例えば試験などはポジティブな精神状態で臨んだ方がうまく行く(うわついていたらダメだが)可能性が高いので、案外うまくいってしまう面もある。そうなると成功体験によって「根拠なき自信」が強化されるわけだが、ただそれが続いた後で失敗したりすると自分を反省してみても何をやればいいのかなかなか正解に辿り着かず、「勉強すればいいんだ」というところに辿り着かないまま諦めてしまうことになったりする。「根拠なき自信」は諸刃の剣でもある。
あと、自信も後悔もそうだが、どこかでその状態が固定化することがある。それは「完璧ではないけど、まあいいっしょ」と割り切ること、あるいは「あれだけ頑張ったのにうまくいかなかった、もうダメだ」と諦めることによるものだろう。つまりポジティブに捉えられる「割り切り」とネガティブに捉えられがちな「諦め」とは、「自分の中での評価の固定化」という点で同じものだということになる。
勉強というような例でいえば、「自分を成長させる段階」と「力を発揮する段階」ということがあり、成長段階では満足しないでしっかりバランスの取れたトレーニングを続けた方がいいが、力を発揮する段階では「勉強しきれなかった」という思いが足を引っ張ることにつながりかねないから、「現状できることの全てをぶつける」と「割り切る」ことが必要になる。「練習は試合のように、試合は練習のように」というが、練習は試合のように真剣に取り組み、試合の時はリラックスして練習の時のように思い切ってやることが大事だということになる。少なくとも一時的に評価を固定化することで力が発揮しやすくなるということはあると思う。
一方で、できない状態で諦めること、そこで自分の評価を固定化すると成長につながらないということもある。人間の活動は勉強なら勉強だけではないので、余裕がない時に一時的に「諦めておく」ことが必要なことはないとは言えないのだが、そこが「あえて諦めているんだ、余裕が出ればやるんだ」と思えているか、「どうせダメだ」になってしまうかは結構重要な分かれ目だと思う。
逆に言えば「ダメだった」が重なってきている状態が「後悔」だと言えなくもないわけで、ただこれもよく言われる話だが「過去と他人は変えられない」ので過去は過去として整理しておいて余裕が、つまりは気力が出てきたらじゃあどうするかを考えれば良い、ということになる。
というわけでまずは「気力が出てくる」ことが一番大事だということになるわけだが、これは気分や体調の波とかそういう身体的な部分もあるし、やっていた仕事に一区切りがつけられたとかの状況的なこともある。また、勇気をもって一歩を踏み出せたとか、そういう主体的な面もあるし、なかなかこの「気力」という問題は捉えにくい。今の自分は割と気力がある時期で、それは年度末を超えてとりあえず一区切りがついた、ということで目が前に向いているということが大きい気がする。ただそれ以外のこともある気がするから、次の眠れない夜にでもまた考えてみようと思う。
***
マンガの話も書いておこう。このところジャンプ+を毎日読むようになった、というのは毎日更新しているからなのだが、曜日によって更新される作品が違い、読むのが習慣化されているのが大きい。なかなかこれはよくできているシステムだと思うのだが、それだけ大量の「商業」作品が供給可能な「少年ジャンプ」と集英社の凄さということでもある。
https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496867896856
水曜日に読んでいる作品に「株式会社マジルミエ」があるのだが、これは魔法少女モノなのだけど、この作品では「魔法少女とは自然災害の一種である「怪異」の胎児業務を請け負う職業」で、他の魔法少女ものと違って成人女性が「職業」として行うもの、という設定になっている。だから「魔法」も科学技術的なもので、天才プログラマーみたいな人が出てきてその装備や技術を組み立てていくことになる。
だから「怪異」は「魔法」で退治されるわけなのだけど、主人公は就職活動に疲れてしまった中で舞台になる魔法少女会社と出会い、新人魔法少女として「業務」に取り組んでいくという話なわけで、そういう世知辛い系の就活ネタとかブラック企業ネタとかやりがい搾取ネタとかもバンバン放り込まれる。一方で、「仕事の面白さ」や「社内の人間関係の良さ」みたいなものや「職業としてのプライド」みたいなものも描かれていて、どちらかというと職業マンガのように読んでいた。
ただ今日更新された22話では「怪異」は強力な「魔法」を使って退治されることで怪異に耐性が出来る、という話になっていて、つまりはワクチンや抗生物質が強力になっていくことで病原性ウィルスもより強力になっていくという話が下敷きにあり、ということはつまり現状のコロナ禍の中で発想された作品なのではないかという気がしてきたのだった。これはまあ読み続けていけばわかることだと思う。
https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496858728104
もう一つ。11日(月)に公開された作品に藤本タツキ「さよなら絵梨」という読み切り作品がある。これはジャンプ本誌で「チェンソーマン」、ジャンプ+で昨年の「今マンガがすごい!」で第1位になった「ルックバック」の作者が公開した200ページという長編作品だ。
「ルックバック」は漫画をテーマにしていたが、「さよなら絵梨」は映画がテーマで、藤本さんがハマった映画というジャンルについての作品だというふうに解釈できる。
この作品は読めば読むほど新しい感想が出てきそうなのであえて読み返してないのだが、一度読んで他の人の感想などに触れた現時点での感想としては、「ルックバック」が感動巨篇になって大評判になってしまったことへの一つのレスポンスという意味があるのではないかと思った。
最初はそうなってしまったことへの「違和感」からこの作品を描いたのではないかと思ったのだが、もう少し考えて、藤本さんはおそらく最初からこういう評価を受けることは分かっていただろうなと考え直した。つまり、「自分には感動巨篇も描ける」ということを一度示したかったのだろうと思う。というかそういう作品も初期短編集にはそれなりにある。
だが、やはりあまりにそれがうまくいきすぎて、違和感というよりはそれにバツをつけたくなった、そういうものだけじゃないんだよというのを言いたくなったということもある気がするし、ウェルメイドに作られていった作品を最後に乱暴に破壊するという実験をやってみたくなったということもある気がするし、クソ映画というものへのオマージュでもあった気がするし、感動がぶち壊されて戸惑う読者がその自分を見て面白がれるかを問う、みたいなメタ性への契機としての作品だった気もする。
これはまた読み返してみたら違う感想が出てくると思うが、現時点での感想として描いておこうと思う。
もう一つだけ書いておくと、「ドキュメンタリーの編集性」というものを書こうとしたということはあると思った。母が自分の死を映像としてとらせるというある種の暴力性・虐待性がありながら、その母の美しい場面だけを編集して一つの作品にすることで全然違うものに見える。また母の死への視線と違う視線で絵梨の死を撮ることで感動巨篇になるが、自分としては納得できなくていつまでも編集に取り組む、というというのもラストの布石といえば布石だ。
まあこの件に関してはこれくらいにしておこう。
***
全然関係ないが、今朝の地元紙の一面トップは小平奈緒さんの引退表明だった。茅野市出身の小平さんはまあ地元のヒーローなわけだが、高校大学と地元にいて地元の企業に就職し、長野県という場所に密着した世界的な選手だった、というある意味特異な存在でもあった。
引退後は指導者の道に入るのかと思ったらそれを否定し、「地元に貢献する仕事をしたい」とのことだ。どのような仕事になるのかはわからないが、これだけ「地元・長野県」にこだわり続けながら世界的な存在になったのは本当にすごいなと思う。
冬季競技で言えばカーリングもまた常呂町など地元性の強い競技で、そういうのもまた面白いなと思う。Jリーグや野球なども地元性を意識する方向への発展が一つあるけれども、スポーツが親しまれる未来のためには大きな取り組みだなとは思った。
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