「鎌倉殿の13人」公式ガイドブックを読む:「史実の本人・台本上の役柄・生身の役者」の三位一体
Posted at 22/04/12 PermaLink» Tweet
4月12日(火)晴れ
昨日はお休みの日で気になることはあったのだが特に連絡もなかったので放っておいたのだけど、読むものもたくさんあったしブログも二つ書いて、夕方には「鎌倉殿の13人」の公式ガイドブックを買いに行き、夜は熟読していたのでなんだか忙しい感じがあった。
今朝は5時ごろに目が覚めて、気温を見たら10度を超えている。昨日も暖かく、一気に桜が各所で満開になっていて、まさに春爛漫。気温も24度近くまで上がったので、植物も一斉に活動を始めた感じだ。
今朝は入浴したりゴミをまとめたりし、少し普段と違う場所を掃除したのでゴミ袋三つ分になったのだけど、とりあえず全部捨ててスッキリした。ブログを書こうと思って色々チェックしてたら支払いが終わってないものがあることに気づき、確認作業に入ったが、基本的にはまだ払わなくていいものが多いなということがわかったのでゆっくりめに処理することにした。散歩して職場まで歩いて請求書とかを確認したのだが、日めくりを見て今日が妹の誕生日で両親の結婚記念日であることに気づき、あれとこれとやらなきゃ、みたいな感じになったり。その後普段は車で通る場所を歩いて行って桜の写真を撮り、コンビニでカフェオレを買って帰ってきた。思ったより歩いた感じで少し汗ばむような感じだったけど、久しぶりに長く歩いたので身体の調子が少し違うなと思った。
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000069233892021.html
「鎌倉殿の13人」の公式ガイドブックを見ていて気づいたのは、主な出演者が80年代生まれの人が多いということ。小栗旬さん1982年、新垣結衣さん1988年、小池栄子さん1980年、宮澤エマさん1988年、江口のりこさん1980年、木曾義仲の青木崇高さんが1980年、巴御前の秋元才加さんが1988年などなど。後は大泉洋さん1973年、山本耕史さん1976年など70年代がミックスされ、重みを加える人たちが坂東彌十郎さん1956年、安達盛長の野添義弘さん1958年など50年代が多い。最年長は比企尼の草笛光子さんの1933年生まれ。もう今年89歳になられるのを考えるとお元気だなあと思う。
歴史物というのは史実の本人・台本上の役柄・生身の役者という三位一体でその役柄が構成されている感があり、その微妙なずれ具合やリアリティ、それも歴史的な意味での説得力や台本上の説得力、そして役者の存在感としての説得力みたいなものが渾然一体に重なっているところが面白いと思う。なので私は結構役者本人のプロフィールとか技巧・技能みたいなものも考えるのだけど、完全なフィクションではないからある程度は縛られているし、生身の人間が演じているのだからそこに思わぬファクターが生まれてくるのだけど、三谷幸喜さんの脚本は台本の特性が結構強いので、そこに引っ張られていく力があるなと思う。
https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496858728104
昨日公開されて話題になった藤本タツキさんの「さよなら絵梨」ではないが、「ひとつまみのファンタジー」として後白河法皇が生き霊として出てきたり、九郎義経と木曾の冠者義高の間の蝉の抜け殻=空蝉のエピソードなど「ひとつまみのポエジー」、家庭劇的なドタバタや頼朝役らしからぬ大泉洋さんのカッコ悪さの見せ方とか、頑なな八戸の心をついに解きほぐす義時の一途さなど、演劇的・文學的な要素も取り込んで、とてもテンションの高い作品になっていると思う。
後へえっと思ったのは、「LED撮影」が行われているということ。ロケシーンにしては舞台みたいな演技だなと思った森の中の場面がいくつかあったのだが、どうもこれはスクリーンに映された3DCGで製作された背景だったようだ。これについては藤原秀衡役の田中泯さんがコメントしていて、「役者同士の距離感などは実際のロケ現場で撮影するのとは異なり、「本来の距離感」との違和感が生じるが、この違和感に慣れてしまわないようにしたい、生身の人間としてその場での感覚を失わずにいたい」と言っていて、やはり踊り手の感覚は鋭いなと思った。ロケでの演技とLED背景という「書き割り」の前での演技は当然違うということで、逆に言えば今まで作中で見て不思議な感覚の謎が解けたというところはあった。
後、作者の三谷幸喜さんが「史料を読み忠実に書いている、僕の大河は荒唐無稽なんかじゃないと声を大にして言いたい」と言っているのが面白かった。まあ私はそう思ってみているのだけど、史実を踏まえてみていないと「ほんとかよ」と思う人はいるかもしれないなとは思った。
この脚本は「吾妻鏡」を完全にネタ本として書いてるなと思っていたし、なるほど北条氏の鎌倉幕府の公式歴史書である「吾妻鏡」なら北条氏を主役に書くにはもってこいだなと思っていたのだけど、そのことについても「原作・吾妻鏡のつもりで、細かいことでもそこに反することは書かないようにしている」と言っていて、やはりそうなんだなと思った。
あと、三谷さんが発見した歴史の真実として、家康と違って頼朝は孤独だった、だからこそ身内である北条氏を大切にした、ということを言っていて、これはこの作品に強く一本通った筋だなと思った。兄弟も大切にしたいが、同じ源氏というのはある面で強力なライバルにもなり得るという問題。これは甲斐の武田や木曾義仲についてもそうだし、そもそも挙兵の際の源三位頼政もそうだった。義経をはじめのちには兄弟たちも排除されていくわけだし、頼朝に忠実についていった義時の存在が重要だったのだろうということは確かにそうだろうなと思う。だからこそ初期の義時は結構頼朝に反発していて、その辺も面白かったなと思う。
筋書きについては20回まで掲載されているのだが、ネタバレを喰らうのもなんなのでみないようにしている。こういう本を読むことで、ドラマの作りをより楽しめるのだなと改めて思った。映画を観た後にパンフレットを買うようなものだなと。(私は割と買う。)
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