日本全体にとって有利な新しい経済理論の必要性
Posted at 22/01/19 PermaLink» Tweet
1月19日(水)晴れ
今朝の最低気温は今のところマイナス9.6度。かなり冷えた。水道が凍っているので洗濯機が回らないので、もう少し暖かくなってから回す。他の水道は大丈夫なのでそれ以外に問題はないし、測候所の気温とこちらの気温も結構違うこともあるので、今日はこちらの方が少し高いような気がする。逆に測候所の気温がそれほどでもなくても水道が凍結することもある。
昨日は松本に整体に出かけ、帰りに丸善に寄って本をいろいろ物色して、茂木喜久雄「絵でわかるマクロ経済学」(講談社、2019)を買ってきた。私は経済学に関しては食わず嫌いのところがかなりあって、最近になってようやく日本の将来をちゃんと考えるためには経済学の知識が必要なんだと理解してきた感じがあり、それでもまとまった本を読もうという気にはなっていなったのだが、この本をパラパラと読んでやはりちゃんと読まないといけないとようやく自覚した。
そもそも経済学がなんのためにあるのか、ちゃんと役に立ってるのかという根本的なところで疑問を持っていたのだけど、「マクロ経済学が生まれたのは1929年の世界恐慌がきっかけ」というのを読んで、なんだつまり「マクロ経済学」とは「政府の役割」がどうあるべきかという経済学なのだということを理解した。ざっくり言えば古典派が企業と家計だけによる市場が神の見えざる手を働かせるからその外からの介入に否定的だったのを新たな大きな変数を持ち込んだところに意味があるのだと。
しかし1960年代に経済成長とともにインフレ率が高まり政府の財政赤字が膨らんでスタグフレーション現象が起こってくるとケインジアン政策が批判されて新古典派が出てきて今は「主流派」になっているが、現在の日本においてこれだけ長期にわたって不況と賃金安が続いて状況が悪くなってきていることから言えば、少なくとも現在の日本にとって有効な経済学ではないことは明らかであって、より政府の役割を重視した新しい経済学が求められるのは当然のことだと思う。それがMMTであるかどうかはわからないが、日本全体を見た時の全体最適な経済学が求められるのは当然だし、それが世界各国の政策との齟齬があるならそれをどう調整するかを考えて構築する必要があるだろうと思う。
多分現在の世界の経済構造は、「日本を犠牲にしてアメリカや中国、アジア諸国が成長する」という形になっている可能性がある。日本のリストラ志向や研究開発費・教育費の抑制などが他国を利しているのは誰がどう考えてもそうだと思うのだが、企業経営者や一部の政治家にとって有利になる可能性があるその形を日本全体の利益を考えて改めていかなければ、先がないのではないだろうか。
そこまではおそらく既存の経済学でも十分到達できるところだろうとは思うけど、どうも見ていると経済学というのは理論と理論の戦いという側面が強いように思われるので、日本の全体利益を向上させるような理論がないと、日本の安定した回復が十分に図られないのではないかと思う。理論研究と提示が急務のように思われる。
要はこの本をちらっと読んで理解したのは、経済の構造的な変化が起こった時には新しい経済学・新しい理論体系が必要になるということだ。金科玉条を守り他者の意見を排斥してお互いに攻撃し合うのが経済学のやり方のようなのでそこはあまり馴染めない感じはするけれども、論争と政争に勝たなければ望ましい経済政策が実現できないのであれば、そこは頑張る、頑張ってもらうしかないんだろうなと思う。
ゲーム理論というのも少し読んでみて要は個別利益と全体利益のジレンマの問題を扱っているのだと理解したのだが、まあその辺りも勉強しつつ考えていきたいと思う。
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