與那覇潤「平成史」を読んでいる/ショパンコンクール/いろいろなものを見て、聞いて、あるいは読んで、つまり「観察して」書く

Posted at 21/10/18

10月に入ってからも暖かい日が続いていたが昨日の日中から急に気温が下がり、夕方には10度を切って今朝はもう5度近くまで下がっていた。8度を下回ると紅葉が進むというから、今日からきっと草木は枯れ、あるいは色づき、また葉を落としていくのだろう。私は寒がりなので少し前から時々ストーブはつけていたが、昨夜は寝る前に布団だけでなく毛布を一枚かけたし、起きている間はずっとストーブをつけていた。秋というのはこういうシーズンだよなと改めて感じる。


昨日はずっと與那覇潤「平成史 昨日の世界のすべて」(文藝春秋、2021)を読んでいて(まだ読みかけ)、夕方に気分転換に岡谷まで行って夕食を買ったり書店を物色したりした。本当は「平成史」に出てきた清水真人「財務省と政治」(中公新書、2015)を買おうと思ったのだがなかったので、他の本をなんとなく見ていたのだけど、結局会田大輔「南北朝時代 五胡十六国から隋の統一まで」(中公新書、2021)を買った。まっさらな気持ちでいるときに食指が動くのはどうしても歴史関係になる傾向が私にはあるなと思う。


書店の後でモールで買い物をしたのだけど、一時期に比べれば本当に人出が多くなっていて、賑わいが戻ってきた感じがする。まだ「パンデミックが終わった」となるには早いだろうと思うけれども、「その後」の時代をどう生きるかを掴んでいく時期なのだと思う。

岡谷に車を走らせるときももう暗くなりかけていたのだけど、5時半というのはまだ明るさも残っているなと思った。冬至まではあと2ヶ月、これからもまた昼は短くなっていく。帰りはもう完全に暗くなっていて、寒さも相まってようやく本格的な秋なのだなと再度確認したりする。

帰ってから食事をしてからなんとなくテレビをつけていたら過去のショパンコンクールのコンテスタントたちや審査員などのエピソードを交えながら多くの演奏を放映していて、途中から録画した。最近、なんとなくバックミュージックで音楽番組を聴くことが多く、録画のレパートリーがあった方がその時に聞く気になるなと思ったからだ。ショパンの演奏で私が好きなのはウラディミール・ド・パハマンとアルトゥール・ルービンシュタイン、ショパコンの関係ではマルタ・アルゲリッチなのだが、昨日の番組ではルービンシュタインがポロネーズの5番を弾き、ポリーニが24の前奏曲を全曲弾く映像があって、堪能した。そのほかでも、ブーニンの圧倒的な演奏やポゴレリッチの個性的な、しかし落選しアルゲリッチらが抗議のために決勝の審査をボイコットした出来事なども取り上げていて、改めて音楽における映像の占める位置というものについて再認識させられた感じがあった。

ニュースを見ていると、今まさに行われているショパンコンクールで日本人二人、反田恭平・小林愛美の二氏が本選に進んだということで、まさにホットな話題になっている。新たな天才が世に見出されると良いなと思う。


與那覇さんの「平成史」は読みながらいろいろなことを思うのだけど、彼の政治的スタンスは私とは結構違うし、問題関心の持ち方も必ずしも同じではないのだが、同じようなことを別の面から感じていると言えばいいのか、この本に指摘されている内容を考えることで自分が感じていたけど言葉にならなかったことがそういうことなのかと納得できるようなことが多いように思われた。「平成」というのは私にとって違和感のある時代だったのだけど、26歳で初めて就職したのが平成元年で、その後の三十年間、つまり「大人」ないし「社会人」として過ごした時期の大部分が「平成」であったわけで、この時代を振り返ってみることは自分自身を改めて知ることにもつながると読みながら思った。

自分という人間がどういう人間で、何をすべき人間なのか、しばらく見失っていたところがあったのだけど、昨日思いがけずSNS上でした会話で「自分の書くものは観察力に依拠していると思うので曇りなきまなこ(byもののけ姫)で知らないものに触れることで地に足をつけられる感じがある」ということを書いて、自分のやるべきことはまずいろいろなものを見て、聞いて、あるいは読んで、つまり「観察して」書くことが第一なのだなと改めて腑に落ちた。

考えてみればもともとそういう感じで書いていたのだけどあまりそういうことを意識しないで書いていたので周囲の圧迫を受けたり影響されたり調子に乗ったり落ち込んだりしてすぐにそれを見失ってしまうことが多々あったのだなと思う。これからはそれを見失わずに動かずに書いていきたいと思う。

「平成史」に関しては思うところが色々あり、またよくわからないというか自分の中でうまくまとまっていなもの、自分がよく知らないのでうまく言葉にできないものが多いので、少しずつ取り上げていきたいと思う。

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