地球環境問題と自民党総裁選
Posted at 21/09/30 PermaLink» Tweet
昨日の自民党総裁選で岸田文雄氏が新総裁に選出され、このままいけば第100代内閣総理大臣になることになる。
このところ地球環境問題、特に温暖化と二酸化炭素の問題はしばらくの間語られてきているので、それと関連して現今の日本や世界の政治情勢を踏まえた上でこの問題と総裁選について書いてみる。
私が最近ずっとみている番組にNHKのBSプレミアムでやっている「コズミックフロント」という番組がある。この番組では2回にわたって地球の数億年規模の気候変動を取り上げていたのだが、地球は常態としては今より気温が数度高かった「Hot House」の方で、数百万年南北の極地に永久氷がある「Ice House」の時代はむしろ例外的なのだということが紹介されていた。
その気候変動は主に二酸化炭素の空気中の割合に左右されるわけだけど、現在の400ppmはここ数百万年ではかなり高くなっているが地球全体の歴史から見れば例外的というほどでもない。
ただ当然ながら気温上昇が続けば北極の氷は溶ける。ただ北極の海氷が溶けても海面上昇は限定的だろう。むしろグリーンランドとか南極大陸の陸氷が溶けるのが危ういのだが、そこまで行くには一定の時間はかかるように思われる。
この辺りは難しいが、核廃棄物の問題と同じように産業活動を行わなければならない人間の原罪と考えるのか、それが人間自身の手によってコントロール可能だと考えるかの違いが地球環境問題の一つのポイントがあるだろう。
あとは気象現象の激化という問題をどう捉えるかだけど、CO2を削減したからといってすぐに気象が穏やかに戻るかといえばそんなことは考えられないのでいわゆる国土強靭化は急務だと思う。
地球環境の問題は昔からいろいろなことが問題提起されてきたがフロンガスとオゾンホールの問題はほぼ解決した感があるし、人間の対策によっても可能なことはないことはないとは思うが、二酸化炭素の問題はより根源的な問題だけに一時の感情やヒステリックな運動で対処すべき問題ではないように思う。
活動家にとってはよりセンセーショナルな話題で人を動かすのが効率的なので、グレタさんのようなアイコンを利用して煽動を行い、かなりの盛り上がりを見せているがさすが全体主義の先進地域ヨーロッパという感じではある。
これはBLMやフェミニズムのMetoo運動もそうだが、より宗教色の強いアメリカにおいてマッカーシズムのような魔女狩り的な動きは昔から突発的に起こっていて、またそれも歴史の1ページという感じではある。
環境問題もそうだが、こうした運動の背景には純粋な理念だけでなく、それによって利益を得られる人たちの策動もある。日本において最大の問題は太陽光発電、メガソーラーの環境破壊の問題だが、環境派と言われる河野氏や小泉氏がこの問題に無頓着なのは理解し難いところはある。
結局そうなると物事の多様な側面を見、極端にはしらず物事のバランスをとった見方と対処の仕方ができる中庸を得た人物が指導者であることの重要性が浮かび上がってくる。
今回の自民党総裁選においては左の河野(環境・緊縮)・野田(女性子ども)、右の高市に対して普段なら目立たなくなりがちな中庸の岸田(積極財政)が勝ったというのは日本の良識が発揮されたというべきだろう。岸田氏が「丁寧と寛容」を打ち出し、「令和版所得倍増」を唱えるのは、お公家集団と言われた宏池会の原点とも言える積極財政の再始動、格差拡大に歯止めをかける「新自由主義への反対」と、いわば「政治の季節から経済の季節へ」の回帰を唱えていることに好感がもたれたように思う。
いわば日本を「平常運転」に戻すことが岸田さんの使命だということだろう。その手腕に期待したい。
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